事務長の仕事について考えてみました。
多岐に渡るので病院によって担当業務に違いがありますが基本的には「ヒト」「モノ」「カネ」を扱う部署です。物品・設備の管理や人事や経理などなど。
しかし、これらの業務は目的を達成するための手段に過ぎません。
公的病院は別にして民間病院は(大義名分は別にして)利益追求をする必要があります。日本は資本主義であり赤字では病院経営を続けることはできません。給料も支払えない。
と考えると病院の目的は「黒字運営をすること」になります。
黒字運営をするため設備投資をして人を教育する。
- 病院の目的:増患対策を行い利益追求。黒字運営。
- 病院の手段:診療科目を増やす。検査機器をリニューアル。人を採用する。人を教育する。物品を用意する。
この出発点を間違えてはいけません。
増患対策のためホームページを作成してSNSを運用して講座を開催します。全ては地域の住民たちにアピールをしているのです。
業務改善して効率化をして空いた余白には新しい仕事が入ってくるのは利益を追求するためです。
開業医のクリニックと大規模法人では院長の考え方が違う
院長と言っても質の差はあります。
優秀で立派で人望のある院長もいればその逆もあります。
開業医など小規模病院では医療法人の理事長と院長が同一人物であることが多いです。院長が全ての権限を有しております。
院長は自分の経営力が全てです。患者さんが少なく赤字では家賃も給与も払えません。古くて汚いクリニックよりは新しくて綺麗な方がいいでしょう。
しかし、法人の規模が大きくなると理事長と院長は別になります。院長と言えど雇われの身です。何かあれば理事長に伺いを立てる必要があります。
気になる人は「雇われ社長」で検索。持株100のオーナーと0の社長です。
医師を働かせるのが院長の役目。院長を働かせるのが事務長の役目
ぼくが働いているのはオーナー理事長と雇われ院長がいる病院なので、その話。
病院3役(院長、看護部長、事務長)が強いと病院運営も安定します。
病院によって事務が強い・看護部が強い、などの差はありますが、3役が一体となって目的と手段を間違えていなければそれなりの結果が出るはずです。
事務長の仕事は事務部門を取りまとめることもありますが、一番は院長を働かせることになります。
雇われ院長(サラリーマン)なので所詮自分の病院ではありません。ある程度の結果が出ていれば満足してしまう可能性もあります。自分の医師としての実績ばかりに目を向ける人もいます。
時にはオーナー理事長に反発する可能性もあります。
小規模病院であれば医師数も多くないので事務長や看護部長の力でなんとかなる場合もありますが、医師数が多くなると取りまとめるのは院長(医師)の力が必要です。
医師の中には看護師や事務を下に見ている人もまだまだ多くいます。
本日のまとめ。院長名義の通知や案内を代理で作成する
医局内の医師を有効に活用するには院長の力が必要です。
数字に無頓着な院長はオーナー理事長の顔をチラつかせて働いてもらうのが得策です。院長自らリーダーシップを発揮してくれればいいのですが…。
入院ベッド数や検査数が目標を下回っている医師に対して「しっかりしろ」と伝えるための文面を事務長が代理で作成します。
院長は自分の目標を達成することに加えて部下の目標を達成させないといけません。部下に伝える以上自分が目標未達では説得力がないですからね。
院長になってまで数字に追われオーナー理事長にビクビクするのがどうかと言われたら疑問でもありますがそれなりの報酬も払っているのも事実なので頑張ってもらうしかありません。
もちろん院長は院長で事務部門に求めているものがあります。
攻撃をするのではなくお互いが切磋琢磨しながら協力しながらやっていけたらいいですね。