小学校的マネジメントの離職防止策について

第3章 病院事務
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職場の席替えという学級会的対応

職場で人間関係がこじれると解決策はえてして「席替え」だったりします。小学生の学級会のようですが現実の職場でもよくあるのです。

今回も、人間関係の悪化を理由に席替えが行われました。所属はそのまま。机だけが移動する。

根本的な解決ではなく、とりあえずの爆発を防ぐ方法。組織の安全弁として「席替え」が選ばれる背景について考えてみました。

Aさんの状況 二足のわらじと重すぎる期待

対象となったのは、入職1年未満のAさん(40代)もともとの業務を抱えたまま席だけ別の部署へ移ることになりました。

結果は二足のわらじ。

既存の仕事に加えて新しい課題も背負うことに。しかもそれは未経験分野で専門知識や人間関係の構築力が求められるのです。

新人が即戦力になれる領域ではありません。正直、これで辞められてしまっても仕方ないと思えるほどのハードモード。

ぼくの最大ミッションは「離職防止」

この状況下でぼくに求められる最大のミッションは成果数字ではありません。まずは離職防止となります。

退職は本人にとっても組織にとっても大きな損失であり、採用や教育にかかるコストは数百万円単位になりますからね。

逆に言えば、席に座り続けてもらい最低限のルーチンを回してくれさえすれば組織の損害は最小化になります。

一見「ただ辞めさせないだけ」は幼稚に見えますが現場を預かる立場では最優先の課題となるのです。

離職防止に効く“小学校的”な工夫

やるべきことはシンプルにしました。

  • 居場所を確保する
  • 小さな成功体験を積ませる
  • 相談できる環境をつくる
  • 優先順位を明示する
  • 承認やフィードバックを欠かさない

書き出せば小学校の教室運営と変わらない。「みんな仲良く、楽しく、元気よく」。そんな標語が浮かんでくる。

友達たくさんできるかな。

大人の職場なのにやっていることは小学生のフォローと大差ないのです。

だが馬鹿にできる話ではありません。むしろ「小学校的なマネジメント」こそが職場を支えている現実になります。

幼稚に見えて戦略的な理由

「ただ辞めさせないだけでいいのか」と思うかもしれませんが、離職ダメージは想像以上に大きく医療現場では即座に業務負担の増加として跳ね返るものです。

つまり離職防止は、経営的にも最高効率の施策。

ぼくの役割を「幼稚に見えることを丁寧にやる」と定義すれば、地味に見えて最も大きな価値を生むことになります。

上司との温度差もあります。

昭和世代の上司たちは「席替え=火消し」で安心する。数字や成果を求めるよりまずはトラブルが表に出ないことが大事ですから。

結局、上層部も本能的には「離職防止」や「爆発回避」を最優先にしているわけです。ただそれを言葉にしないため現場には曖昧な期待が降ってくるのですが。

まとめ:大人の職場は小学校の延長線

結局のところ、職場は大人の小学校。

人間関係の問題は簡単に消えず完璧な解決も存在しません。

だからこそ、子どもじみた工夫を続けて、小さな成功体験や居場所づくりが離職防止につなげていくのです。その先にようやく「成果数字」や「戦力化」が見えてきます。

職場は人でできている。

「みんな仲良く、楽しく、元気よく」。バカバカしいようでいて、それが職場を支える現実的な方法なのだ。淡々と続ける覚悟を決めるしかない。