上長から役職者会議である発表がありましたが、数日のうちに撤回されました。
「発表 → 覆る → 信頼が揺れる」という流れを目の当たりにし、マネジメントの難しさを感じました。一見すると小さなエピソードかもしれません。けれど、そこには組織が成長していくうえでの課題と学びが凝縮されているように感じましたので書いておきたいと思います。
準備とスピードのジレンマ
今回のケースで最初に考えさせられたのは「準備」と「スピード」のバランス。
合意形成や調整を十分に行う前に発表すると当然ながら反発や修正が出るものです。
一方で、あまりに慎重すぎると前に進まない。
部長はスピードを重視したのでしょう。けれどその分、準備不足が表に出てしまいました。
これはどのリーダーでも陥りうるジレンマだと思う。
報告と相談のすれ違い
もう一つ印象に残ったのは、「報告」と「相談」の境界が曖昧になっていたこと。
現場からすればちょっとした報告にすぎなかったことを、上長は相談されたと受け止めてしまったのです。
その瞬間によし、自分が解決してやろうとスイッチが入り、ほぼ独断と偏見で正式な発表につながってしまったのだと思います。
報告をそのまま報告として受け止めるのは難しいですね。傾聴ができる人はそれだけでレアなのです。
リーダーとして「何とかしてあげたい」という気持ちが働けばなおさらです。けれど、そこに過剰に介入すると、今回のように事態が大きくなってしまう。
一貫性と柔軟性のはざまで
「発表したことをすぐに撤回する」という出来事は一貫性を欠くように映りますが、状況に応じて方針を変える柔軟性とも言えます。
大事なのは撤回した理由をどう伝えるかです。
きちんと説明がなければ「軽い」と受け止められるし、説明があれば「柔軟だ」と評価されます。
今回は説明が十分でなかったからこそ不信感が残ってしまいました。
こうした点は、部長にとっても組織にとっても学びになります。「拙速な発表がどう受け止められるか」「撤回するときに説明がどれほど重要か」。それを共有できれば、同じ轍を踏まなくて済む。
自分の学びとして
今回の一件を見ていて、ぼく自身も学びを得ました。
- 発表は「確定」ではなく「途中経過」として受け止める。
- 現場は動揺するが、焦らず「人を大事にする姿勢」を持ち続ける。
- 報告と相談は混同しやすいので、自分自身も注意する。
- マネジメントの失敗を批判で終わらせず、学びとして組織に還元する。
上がどう動くかを完全にコントロールすることはできない。けれど、観察して学び、自分の行動に反映することはできますからね。
本日のまとめ
今回の出来事は、
- 準備不足とスピード重視のジレンマ
- 報告と相談のすれ違い
- 一貫性と柔軟性のはざま
これらが一度に表れたケース。確かに一時的には信頼を揺らしたかもしれない。
けれど、それを学びとして整理すれば、次の一歩につながる。
同じ失敗を繰り返さないように、少しずつ前に進んでいきたいと思います。
起こってしまった事実は変えることができません。
良い報告に進むといいですね。