病院事務長の天井と、その先にあるキャリアの話

第3章 病院事務
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ぼくは今年で41歳。

病院総務としての年収は多くの事務長クラス(600万〜1000万円)、公休120日。有給も20日は普通に使えるし通勤だって30分です。こうして並べてみると、かなり恵まれている側にいるのだと思います。

法人からの期待も高くこのままであれば将来は安泰だと感じています。これだけ整った環境なら、無理に動く必要はまったくない。

ただ、日常で考える瞬間があるのも事実です。ぼくは日々何を頑張ってどこに向かおうとしているのでしょうか。

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病院事務長の年収天井は想像より低い

病院事務長という役職は年収帯がかなりはっきりしているんですよね。

いろいろな法人の求人を見ても、600万〜1000万円の間に収まることがほとんどです。徳洲会でも、AMGでも、IMSでも、この幅はそこまで変わらない。

もちろん例外もあります。理事や役員になれば1500万円を超える世界もある。しかしそれは事務長の延長ではなく別の職階。また狙うには相応の政治力や運も必要です。

結論。事務長は1000万円前後がほぼ上限という構造で大きな間違いはないでしょう。

しかも、事務長ポジションは数が少なく組織の歴史や力学に左右されやすい。昇格スピードも遅く年齢層も40代後半〜50代が中心だ。

この現実を知ってしまうと、キャリアの伸び方に限界線が引かれていることがわかる。

少し寂しいが、これが今の医療法人の構造。

後継者不足の病院や人員構成などにより「キャリア早上がり」などもありますがこれも特殊な例です。

それでも、この仕事には価値がある

でもね、事務長という仕事は「夢がある」と考えているんですよね。

価値の所在が別のところにあるだけで、事務長は病院全体を見渡す数少ない事務職です。労務、安全、契約、設備、委員会、採用、研修、地域連携。医療業界でこれほど多様な領域に触れられる職種はほとんどありません。

だから、病院内では平凡に見えるキャリアでも、一歩外に出るだけで“希少人材”扱いになることが多いです。

病院運営のリアル、委員会の回し方、組織の温度感。こういう肌感を持っている人は少ないですからね。医療の外側ではこの経験が驚くほど価値を持つようです。

つまり、事務長の価値は院内ではなく院外で花開くことが多いのです。

年収だけ追えば働き方は荒れる

年収1000万円を超える世界は激務がセットでついてきます。これは勤め人である以上避けて通ることのできない事実です。

医療コンサルに行けば深夜の資料作成、医療機器メーカーに行けば数字のプレッシャー、外資SaaSに行けばKPIで評価が一刀両断される。

給与は上がるが時間は減る。

今のぼくは年収多くの事務長クラス。公休120日。有給20日。通勤30分というバランスを手にしてしまうと、これを手放してまで上の世界を目指す気持ちは正直そこまで強くない。

仕事は生活の一部で人生のすべてではありませんからね。

今の場所にいながら、動ける準備はしておく

安定した環境にいると、人はその安定が続くように錯覚してしまいます。でも病院は突然変わるものです。

  • 上司や理事長の交代
  • 組織再編
  • 赤字化による方針変更
  • 人間関係の変動

どれも、一晩で風向きを変える力を持っています。

だからぼくは常に動けるように準備はしておくようにしています。動ける状態とは転職活動をすることではありません。

  • 職務経歴を整理しておく
  • 市場価値を軽く把握しておく
  • 大学院や資格など専門性を積む
  • 外の求人をたまに眺めておく

これだけで十分です。いざという時、選択肢は何もしていない人より圧倒的に多くなります。そして選択肢があることは、働き方に余裕が生まれます。

本日のまとめ

ぼくは来年から少し大きなチャレンジをしようとしています。その経験がまた、新しい選択肢を増やしてくれるだろうと期待をしています。

キャリアに正解はありませんからね。楽しい人生になるように自分の道を選べばいいだけ。

現状を維持するために相応の努力をしてビジネス力を高めていきたいと思います。