災害時でも働き続ける医療現場。病院スタッフが知っておくべきこと。

第3章 病院事務
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台風、地震、大雪などなど。災害はいつ来るかわかりません。でも医療機関は止まれない。

医師や看護師だけでなく、ぼくたち医療事務や病院事務もまた「災害時にこそ必要なスタッフ」です。あまり話題になりませんが、医療事務も立派な医療関係者です。

今日はそんな災害時の医療現場の実情と、一人ひとりにできる備えについて書いていきます。

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なぜ医療機関は災害時も休めないのか

救急搬送の受け入れ、入院病棟の維持、ICUなど高度急性期を担っている病院では、非常時だからこそ人手が必要になります。飲食店が休業してタクシーが減便する中でも、病院だけは受け入れ態勢を整えておかないといけません。

病院はチーム医療なので、直接治療にあたる医師や看護師以外にも多くの人員が必要です。ぼくたち事務スタッフ、技術専門スタッフもそのひとりです。

BCP(事業継続計画)って知ってますか?

災害時でも医療を止めないための組織的な計画のことです。参集基準、連絡体制、優先業務の明確化などが含まれます。自院のBCPがどうなっているか、一度確認しておくといいと思います。

出勤できる人・できない人。職場が考えるべき配慮

「医療機関で働くんだから出勤して当然」そんな一言で片づけられる話じゃないですよね。

スタッフの中には小さな子供を持つシングルマザーもいれば、介護が必要な家族を抱える方もいます。

災害時にSNSで「社会人として必ず出勤するように」と通達する投稿が炎上するのは毎度のことですが、シングルマザーを出勤させるということはその子供を預かる保育士さんにも働いてもらうということです。その保育士さんだって家族がいる。一つの職場の小さなエゴが社会全体に波及していくんです。

なのでぼくの働いている病院では、昨年の大雨豪雨時には院内保育が使えないスタッフや介護が必要な家族がいるスタッフは原則休日にしていました。出勤できるのは独身だったり、実家に預けられたり、パートナーが対応できるスタッフのみ。これは正解だったと思っています。

職場としてあらかじめ決めておきたいこと

  • 泊まり込みのローテーション・食事・仮眠場所まで準備しておく
  • 子育て・介護状況を把握して、出勤できないスタッフへの配慮を事前にルール化する
  • 災害レベルごとの参集基準を明文化してスタッフ全員に共有する

誰だって働きたくない。それでも来てくれる人への感謝

もともと出勤予定だったスタッフでさえ「仕方ない…」と思いながら来ているわけです。

そんな中、急なシフト変更にも理解して来てくれるスタッフは、ほんとうにありがたい存在です。天使みたいな人たちです。ありがたい。

中には「ワンルームにひとりでいるより職場にいた方が安心」なんて人もいましたが(笑)、基本的には無理を言って調整してもらっています。感謝はちゃんと言葉にして伝えましょう。

出勤するリスクを正直に考える

電車が止まれば帰宅できません。車でも倒木による道路封鎖、飛来物による窓ガラスの破損、水害など多くのリスクがあります。

台風だけじゃなく大地震でも同じことが起きます。

「行けない」と判断することも、チームへの貢献です。安全を確保できない状況で無理に出勤して被災してしまうと、職場の負担がむしろ増えます。

自分の身は自分で守る。その上で社会や職場に協力する、という順番を忘れないでほしいです。

災害時に備えて、今からできること

2024年の能登半島地震でも改めて痛感しましたが、「いざとなったら考える」では遅いんです。個人としても、職場としても、事前の備えが全然違います。

個人としてやっておくこと

  • 自宅〜職場のハザードマップを確認しておく(国土交通省のポータルで無料で見られます)
  • 職場の緊急連絡先・参集ルールをスマホに保存しておく
  • 泊まり込みになっても困らない最低限の荷物を職場に置いておく
  • 家族と「こうなったらこうする」を事前に話し合っておく

管理職・職場としてやっておくこと

  • BCPを全スタッフと共有し、年1回は内容を見直す
  • 災害レベルごとの最低出勤人数・必須業務を定義しておく
  • 出勤困難なスタッフの代替手段(電話対応・リモートなど)を検討しておく

本日のまとめ

ぼくたち医療事務は医療機関で働く身なので、災害時にこそ必要な人手です。でも全員が無理して働く必要はありません。

出勤して働いている人がいる。家庭の都合で家族を守っている人がいる。みんながそれぞれの場所でがんばっている。それがチーム医療だとぼくは思います。

無理をせず安全第一で、できることをやって社会の役に立てればいい。災害はいつ来るかわからないけど、備えることはできます。お互いに準備しておきましょう。

それでは!