このタイミングで面白いニュースがありました。詳細は割愛しますが、介護職員は給与水準が全産業平均より低いため、賃上げで人材流出を防ぎ人手不足を緩和する狙いです。
介護報酬改定もありますし、岸田内閣の支持率低下も背景にあります。内閣改造も空振りでした。
んで、この6000円アップのニュースを読んで考えたことをまとめてみたいと思います。
処遇改善多すぎない?現状の加算率のアップが簡単でしょう。
現在、介護職員の処遇改善は3つもあります。
それに加えてもうひとつ加えるなんでバカもいい加減にしてほしい。今回の6000円アップのには予算的な問題もあるのでしょうが根拠は弱いですね。
現在の処遇改善加算の加算率をアップするだけで同様の結果を得られるのに、わざわざ新しい算定方法を行い事務コストを発生させている点は全く評価できません。
人不足で困っている業界に対して余計な事務コストを背負わせているので。
この点からも政府は本気で処遇改善を考えているのではなく、支持率アップのためのパフォーマンスであることがわかりますね。
6000円アップで世論にアピールできると考えている。滑稽
今回の6000円アップについては現役介護士の反感を買うことになりました。ヤフーニュースやエックスなどには多くのコメントがあります。
6000円の是非はともかく、このタイミングで介護士の処遇改善をチラつかせることでどうなるのかわからないのでしょうね。
税金の還付なども含めて岸田総理は追い込まれているのかもしれません。シナリオを描き切れていません。
介護の人員不足の原因は賃金不足ではなく労働環境の問題
6000円アップをしたところで手取りにしてしまうと増えた感じはあまりしないでしょう。
6000円増えたところで介護士になろうと考える人が増えるとも思えません。無いよりはあったほうが良いけど、離職防止につながる理由にはならない。
介護保険制度全体の設計に問題がある状態なので難しいですね。
介護士の給料を6000円ではなくて60000円アップするとなると高齢者の負担増や介護保険料アップする必要があります。
高齢者の負担を増やすと施設入所や介護サービスの利用ができない人が増加してしまいます。自宅で介護をするとなると現役世代の労働力が低下してしまいます。
利用者が減少すると介護施設が赤字になって給料が減ったり倒産してしまいます。
現場の介護職員・高齢者・現役世代どこを取っても難しい状態なのです。
本日のまとめ
6000円アップについては反対ではない。
6000円アップの方法については面倒なことをしないでほしい。
6000円アップでは考えているような効果は出ない。
こんな感じです。
唯一の解決策は小規模事業所の閉鎖。大規模優遇でしょう。小規模であるとスタッフ数も少ないため休みの柔軟性も乏しくなりますし、物品や設備の管理コストと大きくなります。
おむつなどの配送であっても10箱を10施設にするよりも100箱を1施設に送るほうが効率的です。(運送業のコストも下がる)
人不足は介護業界だけではありません。全体で考えていく必要があります。小規模のメリットは理解していますが、人不足を解消するためには大規模優遇するしかありません。
訪問サービスも人不足の要因です。小規模対機能やケアハウスも人員面だけ考えるなら不要でしょう。
労働力が不足しているのであれば不足しないように考えるのが政治家の仕事です。
介護という仕事では効率化できる箇所は少ないですからね。インカムだとかロボットだとかありますけど基本方針が変わらない以上、何をしても生産性はあまり上がりません。
ならば、間接費をどれだけ圧縮できるかがポイントになります。良い施策をおこなってほしいですね。