かかりつけ医機能報告制度(1号・2号)の入力に取り掛かろうとG-MISの画面を開いたもののよく分からずそのまま画面を閉じてしまいました。
ぼくと同じ経験をした人はたぶん少なくないと思います。
制度の説明資料を読めば読むほど「結局、うちはどう判断すればいいのか分からない」そんな状態に陥りがちです。ぼく自身も最初は頭を抱えました。
ただ、この制度を眺めていて感じたのは、かかりつけ医機能報告の本質は評価や背伸びではないということです。自分たちの医療機関が地域の中でどんな役割を担っているのかを可視化する制度なのだと思っています。
今回は、特に迷いやすいポイントに絞って、1号・2号機能の骨格をシンプルに整理してみます。
1号機能とは何か:すべての「入り口」
まず押さえておきたいのは、1号機能=一次診療機能(入り口の機能)という理解です。
一次診療とは、
症状がまだはっきりしない患者さんをまず受け止め、日常的・総合的・継続的に診療し必要に応じて専門医療につなぐ機能
のことを指します。
その場ですべてを治しきることを求めていません。入口として機能しているかを見ています。
つまり、難しい話ではありません。
- 風邪や腹痛など、一般的な症状の初診に対応している
- 生活習慣病などを継続的にフォローしている
- 検査や紹介の判断を日常的に行っている
こうした実態があれば「1号機能あり」と整理できます。
逆に、完全専門特化で紹介状のない初診を原則受けない体制であれば1号機能は「無し」という判断。これは良し悪しの話ではなく、単なる役割の違いです。
「2号機能」に進むための絶対条件
ここで、よく出てくる疑問があります。1号機能がなくても2号機能だけ報告できるのでは?
結論は明確で、1号機能が無しの場合2号機能の入力は不要という仕組みになっています。2号機能は1号機能を土台とした上乗せの機能だからです。
2号機能に含まれるのは、
- 夜間・休日などの時間外対応
- 在宅医療の提供
- 入退院時の支援
- 介護・福祉との連携
といった項目です。
どれも重要ですが、制度のロジックとしてはまず入り口があってその先の支援があるという順番になっています。1号を無しと判断することは逃げでも消極的でもなく制度の形に忠実な整理だと考えています。
総合病院や精神科はどう考えるか
ここからは、特に判断に迷いやすいケースです。
総合病院の一次診療
救急もあり、初診もあり、何でも診ている。
そう考えると全部チェックでいいのではと思いがちです。ただ、ここは一段落ち着いて考えた方がいいですね。判断の軸は一つです。
紹介状なし・症状未確定の患者さんを、原則としてまず診る役割を担っている領域かどうか。
救急外来や初診外来で初期評価をしている領域は、一次診療と整理できます。一方で、完全予約制・完全紹介制の専門外来については無理にチェックする必要はありません。
全部に○よりもあとから説明できる○の方がずっと強いと思っています。
精神科(完全予約制)のケース
精神科も悩ましいところです。予約が先まで埋まっている場合入口として機能しているかは判断が分かれます。
ここでも基準はシンプルです。
- 初期相談や初診評価の枠を設けているか
- 必要に応じて継続フォローや他機関との連携をしているか
これらが実態として機能していれば報告対象になります。一方で、物理的に入口が閉じてしまっている状態であれば無理にチェックしない判断は合理的で安全です。
総合診療専門医は「立ち位置」が違う
総合診療専門医がいれば、自動的に1号機能ありになるのかと疑問になります。
結論は総合診療専門医は他の専門医と制度上のランクは同じですが役割のベクトルが違います。
- 内科・外科などの専門医:特定領域を「深く」診る
- 総合診療専門医:地域の入り口として「広く」診る
総合診療専門医のスキルは1号機能と非常に親和性が高いです。ただし、報告制度で問われているのは医師の資格ではなく施設としての体制です。個人と組織は、分けて考える必要があります。
本日のまとめ 制度整理は「自分たちの言葉」で
かかりつけ医機能報告は、医療機関に序列を付けるための制度ではありません。
背伸びしてチェックを増やすことよりも自分たちは地域でこの役割を担っていると自分たちの言葉で整理できることの方がずっと価値があります。
制度は変わります。報告の仕方もいずれ変わるでしょう。
次期診療報酬改定では加算や減算の対象になったりするかもしれません。締め切りまでに間に合うように入力して報告漏れがないようにしていきたいですね。