2026年診療報酬改定は、延命か、それとも移行期か

第3章 病院事務
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診療報酬改定の答申が出ましたね(中央社会保険医療協議会 総会(第647回))多くの著名人が早速分析を始めています。たのしい。

ぼくもブロガーらしく大枠から考えをまとめておきたいと思います。

診療報酬改定のたびに点数の上下が話題になります。何点上がった。どの加算が厳しくなった。などなど。

けれど今回の改定は少し様子が違います。点数の問題というより制度の姿勢が変わりつつあるような改定になりそうです。

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物価対応という名の最低限のパフォーマンス

物価対応料が新設されました。基本診療料も底上げされました。2027年へ二段階引き上げという慎重な設計も組まれました。

政府だって何もしていないわけではない。

ただ、現場の体感と照らし合わせると十分だと言い切れる医療機関は多くないでしょうね。光熱費。委託費。消耗品。どれも相当なコストとしてダメージになっているもの

今回の診療報酬改定の内容と答申を読むと「最低限は守る」といったギリギリ感はあります。

最早、余裕を与える設計ではなく持続を前提とした設計。今の制度の限界と覚悟が同時に見えるんですよね。全部を守ることはできない。

ベースアップ評価料という前提条件

賃上げ原資は用意されました。これは医療従事者にとってとても喜ばしいことです。ぼくだって給料が増えるのはとてもうれしい。

条件付きで実際に賃上げを行い実績を示し報告する。といった今までのやり方を継続になります。これができなければ算定できない。

これは支援というより前提条件の提示に近いですね。対応できない医療機関からは大量の離職者が発生するでしょう。

人材を守れるかどうかは各医療機関の判断に委ねられています。制度は後押しはするが肩代わりはしないといったスタンスになります。


機能分化の静かな進行

急性期も、回復期も、慢性期も。なんとなく全部やるという立ち位置はとても厳しくなりそう。なんちゃって急性期病院やなんちゃって総合病院は大変になりそう。

このあたりは財務省の判断かな。きっちりとやっていかないといけませんね。

実績を出す病棟は評価される。出せない病棟は基準から外れる。といった当たり前の世界線になりそうです。基準は確実に動いていますね。

気づけば立ち位置が変わっている。どこまできっちりできるのかは不透明ですけどね。特に地方では難しい地域もあるでしょうね。病院再編も進めていかないと間に合わない。

病院完結型から地域完結型へ

紹介・逆紹介の整理。在宅医療の強化。地域連携の評価。このあたりも予想通りでした。

病院の中だけで完結する構造は徐々に再設計を迫られていますね。人手不足ですからね。

そのうえで、ICT活用や業務効率化は努力ではなく前提として語られるようになりました。もう変わらないという選択肢は以前よりも確実に狭くなっている。

今回のプラス改定は医療費総枠が大きく広がったわけではありません。

薬価。医療材料。重複評価。どこかを抑えどこかに回す必要があります。ゼロサムに近い再配分です。優遇というより整理。

またまた薬価は相当削られてきていますね。

与えられたのは時間

2026年改定は優しい改定ではありません。しかし冷酷な改定とも言い切れないと感じました。いつも中途半端な改定になるのですが今回はそれなりに突っ込んだ内容になっています。

守るが広げない。補うが保証しない。こんな感じです。全部を守る余裕はありませんからね。制度に対応して攻略していく必要があります。

あなたの病院はどの機能を担いどの実績を出しどこで生き残るのか。ここを経営判断して取り組んでいく必要があります。

なんとかして生き残れるように藻掻いていくしかありませんね。お互いに頑張りましょう。