楽しくなってきましたね。
来年は介護報酬と診療報酬が同時改定です。この同時報酬は2025年問題を解決するために地域包括ケアシステムの重要なものになります。
ぼくが医療事務をスタートした10年くらい前に少子高齢化問題が顕著になり「このままじゃやべーぞ!」と大きく言われ出したような気がします。
6年前の同時改定から世の中は大きく変わりました。少子高齢化は厚労省の予定よりも早いペースで進んでいます。2022年は77万人が生まれて156万人が亡くなりました。
差し引きマイナス79万人です。約80万人。これは大阪府堺市、静岡県浜松市、新潟県新潟市、東京都練馬区など同じくらいの数字です。
結構なインパクトですね。急速なペースで人口減少です。
そんな大きな転換期を迎えている時代に行われる医療介護報酬の同時改定について書いてみたいと思います。
政治的には骨太方針が発表されないと何もわからない
この記事は予想なので好き勝手に書いています。
診療報酬は年末くらいに改定率が決定します。その前に6月に閣議決定がありそこで骨太方針2023が発表されます。骨子案は示されましたのでチェックしても面白いですね。
つまり、「6月骨太方針2023」→「12月改定率決定」となります
多くの団体やら協会が自分の業界は良い風が吹くようにあれこれとやっているパフォーマンスが目立つ時期でもあります。
最大の焦点である少子化対策は中途半端なものになるでしょう。
最近になって高齢化対策よりも少子化対策が世間のニュースになっているように感じています。
しかし、このタイミングで少子化対策をしても良い効果は期待できません。今から全員が3人くらい出産するのであれば違いますが難しいでしょう。
高齢化対策が長引き少子化対策が遅すぎた。絶対的な答えは出ているのに動けない高齢者が多すぎるための弊害。政治家も難しいですね。
んで、少子化対策は現段階でニュースになっているほどインパクトのある施策は出てこない。出生数が上がっていくこともないでしょう。
物価高騰もあるけど大盤振る舞いのプラス改定にならない。条件付き
話を診療報酬と介護報酬に戻しますが、世論的にもプラス改定にはなるが厳しい条件付きになると予想します。
前回の診療報酬改定と同様の流れで、改定による地域医療構想の実現のため医療提供体制改革の誘導があるでしょう。
プラス改定!ラッキー!!収入増!!!とはならないってこと。
プラス改定の恩恵を受けるためには地域医療構想が実現するために方向性にあわせないといけない。
介護報酬は負担2割やケアプランの負担金など利用者目線での負担増になる可能性は大いにありますが、施設側の売上アップにつながる目玉は内容な気がします。
むしろ時代に合っていない介護サービスは診療報酬と同様に切り捨てられるような改定になる可能性もあります。
処遇改善が進んでいないブラック事業所への対応は進めてほしい
これだけ人口減少している中で多くの高齢者を対応するのは無理ゲーです。
それなのに中途半端な小さい事業所が乱立しており、売上が見込めず介護スタッフにも正当な賃金が支払えない状況があります。
100人以上の大規模施設で法人も大きい場合とでは雲泥の差があります。
介護報酬は診療報酬よりも加算での差がつかないため、利益を上げるには間接費をどれだけ圧縮できるかになります。
大きな法人であれば、物品が自社製品であったり、リネン、給食、清掃などが自社スタッフであったりします。徳洲会などには自分達の健康保険組合があり負担率も協会けんぽより低い(給与から引かれる保険料が少ない=手取りが多くなる)です。
ギリギリの運営でブラッキーな事業所は介護スタッフも疲弊しており少ない労働者を悪用しているとも言える状態です。
大きな法人が勝つのは現行制度では仕方ないこと。本日のまとめ
あまり良いことではないのかもしれませんが、まずは少子高齢化による大量の高齢者を面倒見なくてはいけません。
このタイミングまで引っ張ったのであれば、まずは労働力の正常化。ブラック事業所の撲滅(=大手優遇)中途半端な施策では乗り切れない。
大事なのは賃上げではなく、安定的に働ける場所。年収が100万円アップするよりも、サービス残業なし、有休消化や年間休日120日以上を確実にする方が良いでしょう。
賃金を上げようと施策を講じてもなかなか進まないと思っています。
なんにせよ、骨太方針まであと少し。診療報酬と介護報酬の同時改定は1年後。楽しんでいきたいと思います。