リハビリテーションには算定要件がたくさんあります。
そのためレセプト点検する医療事務にとってもチェックポイントが増えるので算定が難しい。
そしてリハビリテーションは病院で実施する「医療保険」適用のリハビリテーションと「介護保険」適用のリハビリテーションがあります。
今日はタイトルにあるように介護保険での通所リハビリ(OT)と医療保険でのJ118 介達牽引について詳しく書いておきました。
同じようなリハビリを医療保険と介護保険で利用できるのでしょうか?
同部位疾患に対しての算定は可能でしょうか?
多くの疑問点が出てきますね。
まず大前提!介護保険と医療保険の併用は認められていません。
最初に原理原則から考える結論です。
介護保険と医療保険の併用は認められていません。
これは診療点数早見表にも過去の通知にも書いてあります。
6 リハビリテーションに関する留意事項について
(1) 要介護被保険者等である患者に対して行うリハビリテーションは、「医療保険における疾患別リハビリテーション料」を算定する「医療保険における疾患別リハビリテーション」を行った後、「介護保険におけるリハビリテーション」に移行した日以降は、当該リハビリテーションに係る疾患等について、手術、急性増悪等により医療保険における疾患別リハビリテーション料を算定する患者に該当することとなった場合を除き、医療保険における疾患別リハビリテーション料は算定できない。保医発0330第1号平成22年3月30日http://www.mhlw.go.jp/bunya/iryouhoken/iryouhoken12/dl/index-101.pdf
別の通知もありました。
介護保険における訪問リハビリテーション、介護予防訪問リハビリテーション、通所リハビリテーション、介護予防通所リハビリテーションに移行した日以降は、医療保険における疾患別リハビリテーション料は算定できないことになっています(リハビリテ-ション料における医療保険と介護保険の併用の原則禁止)。
公益社団法人大阪府理学療法士会
http://www.physiotherapist-osk.or.jp/opta/page/pdf/iryouhokenntokaigohokennheiyou.pdf
つまり、
これが大前提であり結論です。
それでは本日の問題。介護保険で通所リハビリと医療保険でJ118介達牽引。算定できる?
上記のようにリハビリテ-ション料における介護保険と医療保険の併用は認められていませんが、J118介達牽引はリハビリになるんでしょうか?
介達牽引とは診療区分が「J」項目になります。「J」は処置の項目になります。
診療報酬では介達牽引は処置として算定していますがリハビリテーションを実施する患者さんの中にはJ118介達牽引を算定する患者さんも多く存在しています。
介達牽引(かいたつけんいん)とは?
以下のことを言います。
(1) 介達牽引は、絆創膏牽引法、斜面牽引法、スピードラック牽引、腰椎バンド及びグリソン 係蹄によるモーターを使用した断続牽引並びにベーラー法を含むものであり、部位数にかか わらず所定点数を算定する。
機械で引っ張ったりする事ですね。
リハビリ室で行っているからリハビリに該当するのでしょうか?
それともJ区分なので処置として考えていいのでしょうか?リハビリに該当するなら介護保険との併用になるのか?問題点がたくさんありました。
レセプト算定に関する不明点は審査元である国保連合会や社会保険支払基金へ確認しましょう。
そもそも!!
通所リハビリを行っている患者さんに対して病院でもリハビリテーションを実施することになったのは理由があります。
こんな事態になったのは医師が悪いです。
- 常勤の医師がヘルプに行った病院の患者さんに通所リハビリの指示書を書く
- その患者が自分の働いている病院へ来院
- その医師が自分の働いている病院のリハビリ(介達牽引)指示
- 患者さんは通所リハビリと介達牽引並行実施
- 自分たちは当然、介達牽引の指示しか把握していない
- 担当ケアマネから問い合わせ
- 事態発覚。
という流れです。
ぼくの意見としては処置なので問題なしでしたが、後々事態が大きくなると問題なのであらかじめ審査元の国保連合会や社会保険支払基金へ確認することにしました。
本日のまとめ
後日回答があり国保連合会や社会保険支払基金としても問題は無いそうです。
これで安心しました。