地域包括ケア病棟入院料の在宅復帰率は70%以上必要です。施設基準についての話。

医科診療点数(レセプト)
この記事は約5分で読めます。

地域包括ケア病棟入院料を算定するにあたり在宅復帰率70%以上にしないといけないというルールがあります。

地域包括ケア病棟入院料は全部で8種類の入院料に分かれていますが、どの入院料を算定するにしても70%は守らなくてはいけません。

ここがクリアできていなければ施設基準を満たしていないので算定はできません。ぼくの働いている病院ではとりあえず70%と言う目標数値はクリアすることが出来ています。

地域包括ケア病棟の在宅復帰率70%と言う数字についてぼくなりに考えることがありましたのでまとめてみました。

地域包括ケア病棟入院料の在宅復帰率は70%以上でないといけない

在宅復帰率が70%以上。

これは地域包括ケア病棟入院料を算定するにあたり必須条件です。

基本診療料の施設基準に書いてあります。診療点数早見表を確認しておきましょう。

11の2 地域包括ケア病棟入院料の施設基準など

(2)地域包括ケア病棟入院料1の施設基準

ロ 当該病棟において、退院患者に占める、在宅等に退院するものの割合が七割以上であること。

(3)地域包括ケア入院医療管理料1の施設基準

イ 当該病室において、退院患者に占める、在宅等に退院するものの割合が七割以上であること。

あとは入院料2以降も同じなので省略します。

つまり地域包括ケア病棟入院料を算定するには在宅復帰率が大事なポイントになってきます。担当者であれば在宅復帰率70%は常に意識しておかないといけない数字です。

もしも在宅復帰率が70%を下回ってしまったらどうなる?在宅復帰率の計算方法について。

在宅復帰率70%というのがとても大事な数字であることはわかりました。

でも病院運営をしているうちにどうしても退院調整で難しくなることも十分に考えることができます。たまたま病状や家族都合などで在宅に復帰できない患者さんが重なるかもしれません。

そうなったら地域包括ケア病棟入院料を算定することができないのでしょうか。どのタイミングで計算をしておく必要があるのでしょうか?

在宅復帰率の計算方法です。

これも診療点数早見表の施設基準のページに書いてありますね。

(2)当該病棟から退院した患者数に占める在宅等に退院するものの割合は、次のアに掲げる数をイに掲げる数で除して算出する。

直近6か月間において、当該病棟から退院又は転棟した患者数(第2部「通則5」に規定する入院期間が通算される再入院患者及び死亡退院した患者を除く。)のうち、 在宅等に退院するものの数

直近6か月間に退院又は転棟した患者数(第2部「通則5」に規定する入院期間が通算 される再入院患者及び死亡退院した患者を除く。)

「ア」÷「イ」で求めることができます。

これが70%以上であればOKです。

10人のうち7人が在宅に退院することが地域包括ケア病棟入院料を算定する上で必要になるわけですね。

1ヶ月で判断するのではなく6ヶ月のデータを算出して計算することが必要です。

1ヶ月であわてる必要はないってことですね。

そもそも在宅復帰率の「在宅」ってなんだ?退院先によって考え方が変わるので要注意ですね。

在宅復帰率なんて気軽に書いてありますが、そもそも在宅復帰率における「在宅」の定義とはなんでしょうか?自宅だけなの?

こちらもしっかり確認しておきましょう。

これも診療点数早見表に書いてあります。

(1) 地域包括ケア病棟入院料に係る在宅等に退院するものとは、次のアからウまでのいずれにも該当しない患者をいう。

ア:他の保険医療機関に転院した患者
イ:介護老人保健施設に入所した患者
ウ:同一の保険医療機関の当該入院料にかかる病棟以外の病棟への転棟患者

例によってよくわかりませんねw

すごく噛み砕いで書いておきますと

  • ア:他病院へ入院する場合
  • イ:老健施設へ入所する場合
  • ウ:自院の他病棟へ転棟する場合

となります。なので、上記以外の場所へ退院する場合は「在宅」と考えることになります。

自宅・特別養護老人ホーム・有料老人ホームなどは在宅として考えます。

もっと簡単に考えてしまえば医師の有無によって判断してもいいですね。医師がいるとこへ行く場合は在宅ではありません

本日のまとめ。在宅復帰率70%を達成するために現場では多少の無理も生じている。

本日の結論として、地域包括ケア病棟入院料を算定するには在宅復帰率が70%以上でなくてはいけません。

この必須の数字があることで、現場では在宅復帰率を上げるためには無理も生じているのも事実ですね。

だって70%以下になってしまったら地域包括ケア病棟入院料を算定することができなくなります。そうしたら病院運営上利益が上がらなくなります。

なので無理は承知で無理やり在宅に退院させるようなことも起こってくるでしょう。

ここは今後の問題点として上がってくる部分ですね。

あわせて読みたい地域包括ケア病棟関連記事

地域包括ケア病棟で手術と麻酔は出来高で算定可能。実施する病院が少ない理由とは?
地域包括ケア病棟は多くの項目が包括されているので検査を行っても注射を行っても料金や点数変更することはありません。しかし、一部の項目については出来高で算定することが可能です。地域包括ケア病棟では手術や麻酔の項目は算定できます。詳しくは地域包括ケア病棟入院料は包括範囲(まるめ)が多い。算定可能な項...
地域包括ケア病棟入院料は包括範囲(まるめ)が多い。算定可能な項目はこれ。
地域包括ケア病棟入院料は包括範囲が広くほとんど算定できないので、一般急性期病棟とは大きく違います。ぼくは急性期病棟でガシガシレセプトをやっていたので地域包括ケア病棟に異動になった当初はちょっと戸惑ってしまう部分もありました。出来高病棟ではないので算定する項目も少なくレセプト点検も少なくてOK...
A206在宅患者緊急入院診療加算(入院初日)を地域包括ケア病棟入院料で算定。レセプトのチェックポイント等のまとめ。
今日は地域包括ケア病棟でA206在宅患者緊急入院診療加算(入院初日)を算定する方法について書いておきます。A206在宅患者緊急入院診療加算(入院初日)はそれなりに高得点で算定できますが、それなりに複雑です。ほんのちょっと難しいぞ!!すごく簡単に書いておけば在宅患者緊急入院...
地域包括ケア病棟でレスパイト入院。レセプト病名や算定方法。費用は?
レスパイト目的の患者さんが入院することになりました。僕はレスパイト入院についてはほとんど知識がなくどうしたらいいのか困ってしまいました。 そもそも病院は治療するところです。なにかしらの疾患がありそれを治すために入院する必要があるのです。それなのにレスパイト目的による入院ってOKなの?ってところ...
A245データ提出加算を算定したよ。地域包括ケア病棟での話。
今日は地域包括ケア病棟入院料で追加で算定できるA245データ提出加算について書いてみたいと思います。データ提出加算って簡単なようで意外と奥が深いんですよ。 A245データ提出加算は地域包括ケア病棟入院料と併算定が可能です。 地域包括ケア病棟入院料を算定しているとほとんどの項目で包括されますね。な...
地域包括ケア病棟の除外薬剤。別に算定可能な薬剤一覧はこれだ!
地域包括ケア病棟ではどれだけ投薬をしても入院料に含まれるので患者さんの負担はありません。 例えば骨折して地域包括ケア病棟入院中に処方される湿布などの痛み止めなどはもちろんのこと、入院中に花粉症の薬を処方しても入院料に含まれます。 なので、患者さんからすればたくさん薬を飲んでいる患者さんの...
地域包括ケア病棟で60日を超えた時は特別入院基本料になります。
地域包括ケア病棟入院料の算定する上限は60日になります。なので患者さんが入院してから退院するまでの上限60日の間に退院先をはっきりさせておく必要があります。 しかし、中には退院先が決まらなかったり退院直前に病気が再発してしまったりと様々な都合で60日を超えてしまう患者さんもいます。 そん...
急性期患者支援病床初期加算と在宅患者支援病床初期加算の算定について。
地域包括ケア病棟入院料の数少ない加算項目の中に急性期患者支援病床初期加算と在宅患者支援病床初期加算があります。急性期患者支援病床初期加算と在宅患者支援病床初期加算は簡単に書いておくと自宅等や急性期病棟から地域包括ケア病棟に入院してきたときに算定できる項目です。それぞれ、急性期患者支援病床初期...
廃用症候群とは地域包括ケア病棟で多用される病名です。
廃用症候群は回復期病棟や慢性期病棟などを担当している医療事務にとって馴染みのある病名ですよね。医療従事者にとって都合のいい病名だと思っています。ぼくの働いている病院の外来レセプトではほとんど使用しない病名なのに地域包括ケア病棟になった当初は廃用症候群の病名が多発しており驚いていました。レセプ...
【入院中に他院受診】入院料は減算か自費。レセプトの記載はどうする
医療事務をやっていて困ることの一つに入院中に他院へ受診をする患者さんがいることがあげられます。現在の診療報酬では患者さんは入院しているのだから他の病院に行く必要はないよね?入院している病院に医師がいるでしょ。他の病院に行くのであれば点数を引くよ。となっています。ほんのなので、なる...
【入院期間の計算】入院の初回と再入院の考え方。多くは初回だよね?
入院担当をしていると困ることがあります。それは入院期間の計算についてです。急性期病棟では同じ症状で再入院してくるような患者さんは多くないですが、地域包括ケア病棟などでは同じ疾患で再入院してくる患者さんが多くいます。入院期間の計算における「初回」という言葉は医療事務にとって、非常に大事なキーワ...
短期滞在手術等基本料3を地域包括ケア病棟で算定したよ。対象手術について。
短期滞在手術等基本料3を算定するにあたりいろいろと勉強しました。 どこの病棟でも算定していいの?普通に出来高で算定したほうがいいんじゃないの?など感じたこともありますので今日は短期滞在手術等基本料3について書いてみたいと思います。 短期滞在手術等基本料3を地域包括ケア病棟で算定。 一般病棟...
地域包括ケア病棟入院料の在宅復帰率は70%以上必要です。施設基準についての話。
地域包括ケア病棟入院料を算定するにあたり在宅復帰率70%以上にしないといけないというルールがあります。地域包括ケア病棟入院料は全部で8種類の入院料に分かれていますが、どの入院料を算定するにしても70%は守らなくてはいけません。ここがクリアできていなければ施設基準を満たしていないので算定はでき...