同日初診。初診料の算定は基本だけど難しいですね。同日再診もあるよ

医科診療点数(レセプト)
この記事は約4分で読めます。

今日は同日初診144点の算定について書いてみたいと思います。

初診料を含め同日初診の算定は簡単なようで難しいですね。レセプトや診療費の計算をするときに頭を悩ませる人もいるのではないでしょうか?

どんなときに同日初診を算定できるのでしょうか。普段なんとなく算定しているので知っているようで知らない部分もありました。

そんな同日初診についてまとめてみました。

スポンサーリンク

同日初診144点の算定方法。押さえておきたいポイント!

まずは医療事務員必須の診療点数早見表を確認しておきましょう。バイブル!

第1節初診料の中にあります。

5、1傷病の診療継続中に他の傷病が発生して初診を行った場合は、それらの傷病に係る初診料は、併せて1回とし、第1回の初診のときに算定する。

ただし、同一保険医療機関において、同一日に他の傷病について、新たに別の診療科を初診として受診した場合は、2つ目の診療科に限り144点(注1のただし書に規定する場合にあっては、125点)を、この場合においては注2から注4までに規定する場合は、107点(注1のただし書に規定する場合にあっては、93点)を算定できる。ただし書の場合においては、注6から注14までに規定する加算は算定しない。

例によって難しいですね。他にも大事そうなことが延々と書いてあります。

ほんの
ほんの

もう少し簡単にかみ砕いて書いておきます。

同日初診を算定できる場合。同日初診を算定できない場合。

どんなときに同日初診を算定できるのでしょうか?

例を作ってみました。

同日初診を算定できる場合。

以下のような場合に同日初診を算定できます。

  1. 高血圧症のため内科にて毎月受診している患者さんが、同日に腰痛のため整形外科を受診した。
  2. 骨折のため入院し経過観察のため整形外科の外来受診した患者さんが、風邪気味のため内科を同日に受診した。
  3. 転んだ患者さんが急患で擦過傷の処置を外科で行い、打撲傷の診察を整形外科で同日に行った場合。

他にも無限に例は作れますがポイントとしては「同日に」と言う部分です。

同日初診と言うくらいですからね。

同日初診を算定できない場合。

以下のような場合には同日初診を算定することはできません。

  1. 高血圧症のため内科にて毎月受診している患者さんが、内科を受診しない日に腰痛のため整形外科を受診した。
  2. 骨折のため入院し経過観察のため外来受診している患者さんが、風邪気味のため内科を受診した。
  3. 転んだ患者さんが急患で擦過傷の処置を外科で行い、後日打撲傷の診察を整形外科で行った場合。

つまり、「継続している継続診療中の傷病や疾患がある患者さんが、別の診療科を違う日に受診した場合は再診料を算定する。しかし同日に限っては同日初診を算定してもOK。」ということです。

同日再診もあるので混乱しないようにしましょう。

同日初診と似たような言葉で同日再診もあるので混乱しないようにしましょう。

詳しく書くとそれだけで1記事できるくらいルールもあります。

すごく簡単に書くと「高血圧症で内科と腰痛で整形外科に毎月受診している患者さんが、同日に内科と整形外科を受診した。」みたいな時に算定できます。

ポイントは治療中の疾患や傷病に対し、同日に複数の診療科を受診した時に算定が可能になります。

  • 同日初診:2つ目の診療科が初診である
  • 同日再診:2つ目の診療科が再診である

この違いに注意しましょう!!

同日再診の算定は37点なのでしっかり算定漏れがないように注意です。

その他、知っておきたい同日初診の算定に関する注意事項。

他にも事務連絡でいろいろと書いてあります。

実際に発生した疑問点などを抜粋して書いておきます。

  • 新患の患者さんが2科受診したときは初診料288点と同日初診144点を算定
  • 3つの診療科では算定不可
  • 診察する順番は関係ない。初診の診療科を受診した後に再診の診療科でも可能
  • 同日初診は初診の一部なので1月は特定疾患療養管理料は算定不可
  • 診療科によっては再診で算定したほうが高得点の場合もあり

レセプト点検時に何度も修正するポイントです。

同日初診144点を算定できるのに同日再診37点で算定しているのはもったいない。外来で100点は大きいですので注意が必要ですね。

もちろんその逆もあります。

同日初診で算定したので特定疾患療養管理料が算定できないパターンもあります。

同日再診で算定していれば特定疾患療養管理料が算定可能。などなど。ケースバイケースで高得点になるように考えて算定しましょう。

本日のまとめ

なるべく簡単に書いてみましたが難しいですね。

パズルのようにこの時はこのパターンが正解。となるので日々勉強です。ちなみに、どうしてもわからない時は同日再診にすれば査定はないです。裏ワザ。

理由は同日初診よりも点数が低いからです。わざわざ高得点になる査定にはなりませんからね。3ヶ月前に整形外科を受診した患者さんが簡単な処方で再度来院した。など判断が難しい時も多いです。

初診料を算定する方が高得点なので病院としては初診料を算定したいですが、内科は毎月受診している患者さんが3ヶ月ぶりに整形で同じ処方だった場合。

この辺りは病院や算定する個人の判断になります。しかしなるべく医事課で統一した算定ルールを設けておく必要があります。それぞれ勝手に算定したいたら病院として問題ですからね。

初診料の考え方。いつから初診になるの?再診じゃない?算定方法について
初診料の考え方はとっても難しいですね。 どのくらいの受診間隔で初診料から再診料に変わるのでしょうか?実は診療点数早見表にも明確なルールが定められていないので判断が難しいポイントです。 医療事務で初診料や再診料は基本中の基本です。診療点数早見表でも基本診療料と言う項目に書かれている内容です。 つまり算...
電話再診における外来管理加算は算定できませんね。点数はどうなる?
電話再診を算定している病院はどのくらいあるんでしょうか? オンライン診療がスタートして電話再診料なんて片隅に追いやれている感じもしますが、昨今の高齢化社会に対応するため、患者満足度向上には電話再診こそ大事なのでは? 個人的にはオンライン診療料についてもっと突き詰めたい気持ちもありますが、地方の中規模...
外来管理加算の算定できない項目一覧。今月の査定。
外来管理加算は診療報酬の中でも基本的な項目の一つです。 しかし基本であるが故に多くのルールがあります。 外来管理「加算」なので再診料にかかる加算になります。初診料では算定できません。その他にも処置や手術を算定していたら算定ができません。 なので、医療事務を始めたばかりの頃はよく混乱していました。 外...