ヘリコバクター ピロリ菌検査で内視鏡なし!?保険適応はどうなる?

D 第3部 検査

レセプト点検を行っていたところ、内視鏡等の検査を行わずヘリコバクター・ピロリ感染症の検査を実施している患者さんがいました。しかもその日は、初診(新患)を算定した患者さんです。

そんな時には算定していいのでしょうか?

医療事務ならちょっと難しいと感じるピロリ菌の算定について書いておきたいと思います。

2018年の診療報酬改定では変更点はありませんでした。今後も大きく変更になる可能性は低いのでしっかりと覚えておきましょう。

ヘリコバクター・ピロリ感染症の検査で保険適用するための対象患者は以下の通り。

ヘリコバクター・ピロリ感染症の検査って難しいですよね。保険算定するにはルールがあります。診療報酬早見表を確認しておきましょう。

対象患者
ヘリコバクター・ピロリ感染症に係る検査については、以下に掲げる患者のうち、ヘリコバクタ ー・ピロリ感染が疑われる患者に限り算定できる。

  1. 内視鏡検査又は造影検査において胃潰瘍又は十二指腸潰瘍の確定診断がなされた患者
  2. 胃MALTリンパ腫の患者
  3. 特発性血小板減少性紫斑病の患者
  4. 早期胃癌に対する内視鏡的治療後の患者
  5. 内視鏡検査において胃炎の確定診断がなされた患者

前提条件として、上記の対象患者さんにだけ保険での算定が可能となります。

なので患者さんから「ヘリコバクター・ピロリ感染症の検査をしてほしい」とか「胃の調子が悪い」とか言ってきても、いきなり検査をすることはできません。

胃の調子が悪くてヘリコバクター・ピロリ感染症の検査が必要なら内視鏡検査などを最初に行う必要があります。

ほんの
ほんの

基本的には内視鏡検査を行う必要があるんですよね。2番と3番の患者さんでピロリ検査を行ったことはありません。

保険算定するための算定ルールがあります。

上記対象患者さんに対し内視鏡検査を実施した後に、やっとヘリコバクター・ピロリ感染症の検査を実施することが出来ます。

そしてここでも新しいルールが出てきます。ヘリコバクター・ピロリ感染症の検査には種類・方法が決まっているんですよね。

除菌前の感染診断
(1) 除菌前の感染診断については、次の6項目の検査法のうちいずれかの方法を実施した場合に1項目のみ算定できる。ただし、検査の結果、ヘリコバクター・ピロリ陰性となった患者に対して、異なる検査法により再度検査を実施した場合に限り、さらに1項目に限り算定できる。

  1. 迅速ウレアーゼ試験
  2. 鏡検法
  3. 培養法
  4. 抗体測定
  5. 尿素呼気試験
  6. 糞便中抗原測定

何回も実施は出来ません。多くて2回の実施までです。

この辺は診療点数早見表にチャートがあるので必ず参照しておきましょう。

なので今回のケースはルール違反です。

初診でいきなり「糞便中抗原測定(ヘリコバクター・ピロリ抗原定性:D012-24)」を実施していたのは明らかなルール違反です。レセプトにて請求する事は出来ません。

計算をしていた人も気がついてほしかったですね。

念のため医師にも確認したら「自費に決まってるじゃん」「説明?そんなのしてないよ」「診療費を正しく計算し説明するのが医事課の仕事だろ」と言われました。

まぁ、間違いではないですからね…。なので、患者さんに連絡を行い、精算をすることとなりました。

患者さんも保険請求の30%から自費分の100%の請求になりますので、3倍以上の金額を病院窓口で払うことになります。お互いにメリットがない精算です。

不要な間違いは、減らしていくようにしていかないといけませんね。

ほんの
ほんの

健康診断や人間ドックで内視鏡検査をしていればまた話は違ってきました。逆に言えば審査機関は健康診断の内容を確認することはできませんので…。