鼻腔・咽頭拭い液採取について勉強しました。これは検査の項目(D419)に加えられていますが、検査料に対する点数ではなくて咽頭や鼻腔を拭う行為に対する点数です。
綿棒でグリグリ。5点。って感じ。
ではこの鼻腔・咽頭拭い液採取は
- どんな検査を行った時に算定できるのでしょうか?
- また1日に何回も実施した時はその度に算定していいのでしょうか?
- レセプトに記載する病名は必要なのでしょうか?
いろいろと疑問点が出てきますね。インフルエンザ検査では算定できるので忘れないようにしたいです。今日はそんな鼻腔・咽頭拭い液採取について書いておきます。
鼻腔・咽頭拭い液採取(5点)の検査について。
2016年の診療報酬改定でひっそりと新設されていた鼻腔・咽頭拭い液採取(5点)ですがこの検査はインフルエンザ検査やMRSAや溶連菌の検査実施時に算定できます。
インフルエンザの鼻グリグリで鼻血したぼくにとっては5点でも少ないと感じますが、背景としては手技料の適切な評価という事になり5点の配分になりました。
患者さんにインフルエンザ検査を行った時は鼻腔・咽頭拭い液採取(5点)を算定することができます。
関連記事:厚労省発行の診療報酬改定資料126ページに記載されています。
PDFはこちら→ http://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-12400000-Hokenkyoku/0000115983.pdf
画面コピーはこちら↓
新規項目を算定するときは算定漏れがないかチェックを続ける必要があります。
新規項目を算定するときは診療報酬ことやレセプトのことも勉強しておくこと以外にも、レセプトオンラインシステムのマスタ整備や医事会計システムもあわせて更新する必要がありますね。
外部委託している病院もありますが、事前にしっかりと算定してエラーなどの問題がないか確認をしておけば当日になって慌てる必要はありません。
診療報酬改定で大きく変更するときは最新の注意が必要ですね。他にも新設や変更した部分で上手く反映できていない部分があるかもしれません。
リハビリや点滴など毎回同じ金額を払っていた患者さんは金額の変更に敏感ですので、当面の計算業務は最新の注意を払いながら行っていきます。
ぼくの働いている病院では通常の2倍の人員を配置して対応していますので、大きなミスもなく乗り越えていきます。
まぁ、それでも問題は発生するんですけどね。悩んでいても仕方ありませんので明るく前を向いて業務にあたります。
鼻腔・咽頭拭い液採取の算定できる検査一覧。同日に2回の算定はできませんので要注意!
鼻腔・咽頭拭い液採取はいろいろとルールがあります。
でもこれさえ知っていれば大丈夫!!
まとめておきました。まずは診療点数早見表を確認しましょう。
D419 その他の検体採取
6 鼻腔・咽頭拭い液採取 5点
鼻腔・咽頭拭い液採取を行なった場合は5点が算定できます。
ではどのような検査を行った時に算定できるのでしょうか?咽頭や鼻腔を拭った時に算定できるのですが医療事務ではどんな検査で鼻腔や咽頭を拭ったのかわかりません。
外来看護師に確認しましたが。ぼくの働いている病院ではインフルエンザ検査やMRSA検査になります。京都の保険医協会のHPに詳しく書いてありました。
診断穿刺・検体採取料の新設点数について
Q、診断穿刺・検体採取料のD419その他の検体採取に「6 鼻腔・咽頭拭い液採取 5点」が新設されたが、どういった場合に算定できるのか。
A、D012感染症免疫学的検査の「20 A群β溶連菌迅速試験定性」「25インフルエンザ抗原定性」「24 RSウイルス抗原定性」「26 マイコプラズマ抗原定性(免疫クロマト法)」「35 アデノウイルス抗原定性(糞便を除く)」等、D017細菌顕微鏡検査、D018細菌培養同定検査、D023微生物核酸同定・定量検査等の実施にあたり、鼻腔・咽頭拭い液を採取した場合に算定できます。
https://healthnet.jp/paper/paper-5485/第2962号%E3%80%802016年4月20日/保険診療q&a320/
京都府保険医協会HPより
【鼻腔・咽頭拭い液採取の算定できる検査】
D012感染症免疫学的検査
- A群β溶連菌迅速試験定性
- インフルエンザ抗原定性
- RSウイルス抗原定性
- マイコプラズマ抗原定性(免疫クロマト法)
- アデノウイルス抗原定性(糞便を除く)
などがあります。上記の検査を行った時には鼻腔・咽頭拭い液採取の算定が可能なので忘れないようにしましょう。
特に冬になってくるとインフルエンザ検査を実施する患者さんは増えてくるのでしっかりと算定できるようにしておきましょう。
また鼻腔・咽頭拭い液採取は1日1回の算定になります。2回の算定は査定対象なのであわせて注意しましょう。
症詳を書いてもダメでした…。
本日のまとめ
新設された項目については不明点や疑問点が多く出てきますよね。審査期間に質問してもなかな正しい答えをもらえなかったりします。
なので新設された項目についてはいつも以上に診療点数早見表を読み解き理解して医事課全体で統一した考えを持つ必要があります。
ぼくは算定できると思う。わたしはダメだと思う。なんて医事課内で算定方法がバラバラになるのがいちばんの問題ですから。
ぼくの働いている病院でも多くの算定する機会があります。
この鼻腔・咽頭拭い液採取を単独で実施することはありません。インフルエンザ検査などと必ず一緒に実施されますのでこの検査に対する個別の病名は不要です。
鼻腔・咽頭拭い液採取は難しい算定方法ではありませんので注意する部分は多くありません。そんな中で注意しておきたいのは以下の通りです。
- 1日1回に限り算定できる
- 手術にあたり実施した場合は算定できない。
これくらいです。
特にインフルエンザ疑いの患者さんは最初は陰性になることも多いです。
午前中に検査して陰性だったけど午後に再来して同じ検査をしたら陽性になることも多くあります。そんな時は1日につき1回の算定になりますので午後に実施した時には算定できませんので要注意ですね。
特に医事会計システムで自動算定にしてあるとそのまま気がつかないで算定してしまうこともあります。
少なくともレセプト点検ソフトでは同日2回の算定をしていた場合にはエラーメッセージが出るように設定しておけば査定や返礼は防げます。
追記。レセプトでは前後に記載する方がわかりやすいです。
レセプトの記載方法なんですが、使っている医事会計システムの表示方法によっては無理なのかもしれませんが、
- インフルエンザ検査
- 鼻腔・咽頭拭い液採取
みたいな感じで、検査の加算のような感じで入力する方がいいですよね。バラバラに入力すると鼻腔・咽頭拭い液採取はなんの検査の時に実施したのかわからなくなる可能性があります。
もしもバラバラに表示されてしまう医事システムを使っているなら鼻腔・咽頭拭い液採取の摘要欄にインフルエンザ検査のため。みたいなコメントを入れたほうが無難です。
無駄な返戻が減ります。