時間外緊急院内検査加算とインフルエンザ検査。算定できず。

D第3部 検査
この記事は約4分で読めます。

時間外緊急院内検査加算とは時間外に受診した患者さんに対して検体検査を行った場合に200点を算定できる加算です。

診療時間外に検査をしたのだから特別に多くの点数を算定していいよ。ってことです。

ほんの
ほんの

なので、時間外に検体検査を行った場合には必ず算定するようにしましょう。

でも一つだけ注意点があって、この時間外緊急院内検査加算はぼくの働いている地域では算定できない検査があります。それがインフルエンザ検査です。算定しても必ず査定になります。

他の県でも査定になると思っていたのですがどうやら違うみたいですね。算定が可能な地域もあるみたいです。ツイッターで教えてもらいました。

今日はそんな不条理な時間外緊急院内検査加算とインフルエンザ検査について書いておきます。2018年の診療報酬改定では文言の追加のみになりました。内容を追記しておきます。

スポンサーリンク

時間外緊急院内検査加算について

まずは時間外緊急院内検査加算について勉強しておきましょう。

これは簡単に言えば「時間外に検体検査をしたら所定点数にプラスして多くの点数を算定していいよ」ってものです。

時間外に急患を診察して検査まで実施したら大変ですからね。残業代の加算みたいなもんです。

診療点数早見表も確認しておきましょう。

検体検査実施料 通則

1 入院中の患者以外の患者について、緊急のために、保険医療機関が表示する診療時間以外の時間、休日又は深夜において、当該保険医療機関内において検体検査を行った場合は、時間外緊急院内検査加算として第1款の各区分の所定点数に1日につき200点を所定点数に加算する。ただし、この場合において、同一日に第3号の加算は別に算定できない。

アンダーラインの部分が2018年の診療報酬改定で追加された部分です。

あくまで、「緊急のため」に「時間外」に「医療機関内」で検体検査を実施した場合に算定できるものです。生体検査では算定できません。

少し長いですが、通知も載せておきます。

通知

時間外緊急院内検査加算

(1) 時間外緊急院内検査加算については、保険医療機関において、当該保険医療機関が表示する診療時間以外の時間、休日又は深夜に入院中の患者以外の患者に対して診療を行った際、医師が緊急に検体検査の必要性を認め、当該保険医療機関において、当該保険医療機関の従事者が当該保険医療機関内に具備されている検査機器等を用いて当該検体検査を実施した場合に限り算定できる。

なお、当該加算の算定に当たっては、当該加算の対象たる検査の開始時間をもって算定する。

(2) 検査の開始時間が診療時間以外の時間、休日又は深夜に該当する場合に当該加算を算定する。なお時間外等の定義については、区分番号「A000」初診料の注7に規定する時間外加算等における定義と同様であること。

(3) 同一患者に対して、同一日に2回以上、時間外、休日又は深夜の診療を行い、その都度緊急の検体検査を行った場合(複数の区分にまたがる場合を含む。)も、1日につき1回のみ算定する。

(4) 現に入院中の患者については算定できない。ただし、時間外、休日又は深夜に外来を受診した患者に対し、検体検査の結果、入院の必要性を認めて、引き続き入院となった場合は、この限りではない。

(5) 時間外緊急院内検査加算を算定する場合においては、区分番号「A000」初診料の注9並びに区分番号「A001」再診料の注7に規定する夜間・早朝等加算は算定できない。

(6) 緊急の場合とは、直ちに何らかの処置・手術等が必要である重篤な患者について、通常の診察のみでは的確な診断が困難であり、かつ、通常の検査体制が整うまで検査の実施を見合わせることができないような場合をいう。

時間外緊急院内検査加算はインフルエンザ検査で算定できない理由

インフルエンザ検査はD012-25(147点)という検査コードです。

この検査の区分は検体検査なので通常であれば算定可能です。しかし通知1があるので時間外にインフルエンザ検査を実施していても算定できないのです。

(1) 時間外緊急院内検査加算については、保険医療機関において、当該保険医療機関が表示する診療時間以外の時間、休日又は深夜に入院中の患者以外の患者に対して診療を行った際、医師が緊急に検体検査の必要性を認め、当該保険医療機関において、当該保険医療機関の従事者が当該保険医療機関内に具備されている検査機器等を用いて当該検体検査を実施した場合に限り算定できる。

ここらしいです…。

インフルエンザ検査は検査機器等を用いて検査しない

ここは他県なら算定できるらしいので解釈の違いなんでしょうねぇ。厳しいぜ。

インフルエンザ検査は綿棒みたいのでグリグリって鼻にぶっさすだけです。僕は毎年インフルエンザになるので慣れっこですw

これは「検査機器等」に該当しないという解釈です。

算定できる病院があるなら教えてほしい。本日のまとめ

200点って大きいです。算定できるなら算定したいです。

この時期の急患ってとりあえずインフルエンザ検査だけする事多いです。それで陽性ならタミフルなどを処方するってパターンです。

インフルエンザ検査で時間外緊急院内検査加算が算定できない理由は検査機器を用いて検査をしていないから。悔しいですがこれが現状の答えになります。

算定ができる地域はいいですね!!

鼻腔・咽頭拭い液採取を複数回実施。月2回算定は?病名はどうする?インフルエンザの検査では算定できます。
2016年の診療報酬改定で新設された鼻腔・咽頭拭い液採取について勉強しました。新設された項目だけあって色々と情報が揃っていない状態でしたね。今日は鼻腔・咽頭拭い液採取について書いておきたいと思います。
【病院でマスクは禁止】医療事務や受付スタッフの場合はどうするの?
病院でマスクをする医師や看護師は多いですね。これは患者さんの顔を見ないようにしているものではなくて、感染予防の観点からマスクを着用している人がほとんどです。11月くらいからは寒い日が続くとインフルエンザやノロウイルスの患者さんも増えてきます。普通の風邪の患者さんもいるなかで「マスク」の着用についてど...
医療事務や病院職員のインフルエンザ予防接種。個人的には必須だと考えています。
ぼくの働いている病院では職員のインフルエンザ予防接種の費用は個人負担がありません。ありがたい。病院によっては全額自己負担もあれば一部補助の場合もあるでしょう。一般企業でも会社で予防接種費用を負担や補助している会社も多いです。それくらいインフルエンザの予防接種は一般的なものになっていますね。中にはイン...