レセプト点検の最中に外来診察室で実施された処置内容についてみんなで議論しました。
タイトルにもある通り「kワイヤー抜去・キルシュナー鋼線などの抜去」は何で算定すればいいのか?についてです。
Kワイヤーやキルシュナー鋼線を使用する算定方法は病院独自で算定していることが多いのではないでしょうか。場合によっては医療事務の裁量に任されていたりする可能性もありますね。
病院が変われば算定ルールが変わる不思議な部分でもあります。
で、出てきた内容については
- 外来診察で実施したのであれば創傷処置?
- 手術後のKワイヤー抜去なら創傷処理?
- 場合によっては骨内異物除去術が算定可能?
なんて具合です。
このあたりの解釈は診療点数早見表にも書かれていないこともある難しい部分ですね。
今日はそんな、Kワイヤーやキルシュナー鋼線などの抜去について考えてみたいと思います。
Kワイヤーやキルシュナー鋼線などの抜去は病院内のマニュアルとして統一する必要があります。
診療報酬の算定は「どちらでもいい」という曖昧なケースが多々あります。
Kワイヤーやキルシュナー鋼線などの抜去も診療点数早見表にも明確な記載はありません。何が正解か明確に書いていないのです。
なので、レセプト請求が可能な範囲で病院としての明確なルールが必要になってきます。ここは大事ですね。
大事なのは病院として医事課としてルールを作るということ
そうしないと、
- Aさんが算定した時は創傷処理
- Bさんが算定した時は骨内異物除去術
みたいなことが起こりうるわけです。算定するスタッフによってお会計が変わってくるようでは病院として大きな問題になります。
右手のKワイヤー抜去で「創傷処理」を算定した患者さんに対し、左手のKワイヤー抜去は「創傷処置」だった。なんてことにもなりかねないです。
説明を求められたらなんて言えばいいのでしょうか。
Kワイヤー抜去は「創傷処理」で算定することが多いです。
ぼくの働いている病院ではKワイヤー抜去を創傷処理で算定することが多いです。
もう少し詳しく確認して見ましょう。
まず、kワイヤー抜去をするために算定可能な点数は
- K048 骨内異物(挿入物を含む。)除去術
- K000 創傷処理
- J000 創傷処置
こんな感じですね。
医学的に考える必要もありますがぼくらは医療事務なので算定漏れや査定返戻を発生させないことを第一に考える必要があります。
なので、特別な記載や情報がない限り入院手術後の患者さんのKワイヤーの抜去は創傷処理で算定するように医事課全体に指導しています。
総称処理以外の算定方法の違いについて。
Kワイヤーを抜去するにあたりK048骨内異物(挿入物を含む。)除去術の算定は難しいです。
これは診療点数早見表にも書いてあります。
(3) 鋼線、銀線等で簡単に除去し得る場合には、区分番号「J000」創傷処置、区分番号「K000」創傷処理又は区分番号「K000-2」小児創傷処理の各区分により算定する。
Kワイヤーは「鋼線」になるので、区分番号J000創傷処置、区分番号K000創傷処理又は区分番号K000-2小児創傷処理の各区分により算定する必要があります。
上記に書いた通り、ぼくの働いている病院では創傷処理で算定していますが創傷処置で算定する可能性もあります。
J000創傷処置とK000創傷処理の算定する判断基準についてはどうなんでしょうか?
ぼくの働いている病院では
- 外来オペとして手術室で実施
- キシロカインなどの麻酔を使用
→K000創傷処理で算定
- 外来診察の範囲で実施(診察室で実施する場合)
- キシロカインなどの麻酔を使用していない
→J000創傷処置で算定
このようにルールを作成しています。
病院としてルールを明確にしておくことで誰がどのようなタイミングで計算業務を行っても同じようにすることができます。
本日のまとめ
細かいルールを作成することは診療報酬を考える上では正解とは言えないのかもしれませんが、病院の医事課という組織の中で経験の浅い新人でも算定業務が可能になるようにマニュアルやルールを整備していくことは必要なことですね。
いつまでも経験者だけが算定業務を行っていくことは難しいです。
医事課の勉強会で議題に上がったのは外来診察室でキシロカインを多用していたからです。そして、Kワイヤー抜去なのに皮膚の表面にピンが露出していなかったのです。
外来で行われるKワイヤー抜去ではピンが露出していることが多いんですよね。なので抜去するのも比較的簡単に実施できるようです。
皮膚や筋肉内に埋め込まれたKワイヤー抜去する場合は外来オペや入院して実施しています。
今回は診療内容からJ000創傷処置で算定で算定しました。
イレギュラーにも個人としても考えでなく「病院(組織)として」迅速に対応できるようにしていけるといいですね。