エコー検査は病院で多く行われている検査ですよね。
ぼくの働いている病院でも多く患者さんが超音波検査を実施します。なので必然的にパルスドプラ法の検査も多くなります。
でも医療事務のレセプト担当者にとってパルスドプラ法加算は曲者なんですよね。
レセプト請求するためには多くのルールがあります。血流を調べるための検査なんですけど疑い病名ではダメとかいろいろ条件があります。他にも乳がんには認められないとかあります。
簡単に言えば査定が多い検査の一つになります。
なので今日はそんなパルスドプラ法加算について現段階で出ている情報を公開したいと思います。
まずは審査機関である社会保険支払基金と国保連合会を確認。
難しい検査である理由は審査機関や診療点数早見表をにいろいろと条件が書かれているのが原因ですね。詳しくは社会保険支払基金と国保連合のHPに掲載されています。
まずはそこから確認していきましょう。最初は社会保険支払基金のHPから。
パルスドプラ法が認められる病名 腎悪性腫瘍
○ 取扱い:原則として、腎悪性腫瘍に対して超音波検査(断層撮影法)を施行する場合にパルスドプラ法加算は認められる。
○ 取扱いを定めた理由:腎癌の大半は血管の豊富な腫瘍であり診断的価値は大きい。また腎静脈、下大静脈などへの腫瘍浸潤の診断にも有用である。
○ 留意事項:原則として良性腫瘍では有用性は低いが、腎血管筋脂肪腫などの血管の豊富な腫瘍では、パルスドプラ法が必要である場合がある。
パルスドプラ法が認められる病名 精索静脈瘤
○ 取扱い:原則として、精索静脈瘤に対して超音波検査(断層撮影法)を施行する場合にパルスドプラ法加算は認められる。
○ 取扱いを定めた理由:手術適応の決定の際に、精索静脈の血流状態の診断が必要である。
パルスドプラ法が認められる病名 精巣捻転症
○ 取扱い:精索及び精巣捻転症に対して超音波検査(断層撮影法)を施行する場合にパルスドプラ法加算は認められる。
○ 取扱いを定めた理由:精巣温存のためには緊急手術を要する疾患であり、その手術適応の決定の際に、精巣の血行障害の診断が必要である。
パルスドプラ法が認められない病名 尿管腫瘍
○ 取扱い:原則として、尿管腫瘍に対して超音波検査(断層撮影法)を施行する場合にパルスドプラ法加算は認められない。
○ 取扱いを定めた理由:尿管腫瘍は血流がほとんど存在せず、小さいので診断的価値が少ない。
○ 留意事項:原則として良性腫瘍では有用性は低いが、進行病変では診断的価値が高いことから、悪性腫瘍、血管病変では必要である場合がある。
パルスドプラ法が認められない病名 乳癌
○ 取扱い:原則として、乳癌が疑われる患者に対するスクリーニング検査として、超音波検査の断層撮影法におけるパルスドプラ法加算は認められない。
○ 取扱いを定めた理由:乳癌自体の血流量が少ないので、パルスドプラ法は意味がない。また、スクリーニング検査では、早期症例又は他の良性腫瘍も多く含まれる。
ここまでは支払基金のHPに掲載されているよ
支払基金のHPを参照しましたので間違いはありません。詳しく確認したい場合は支払基金のHPを参照してください。
まとめておくと
■社会保険支払基金でパルスドプラ法検査が認められている病名
- 腎悪性腫瘍
- 精索静脈瘤
- 精巣捻転症
この3つになります。
■社会保険支払基金でパルスドプラ法検査が認められない病名
- 乳癌
- 尿管腫瘍
この2つになります。
社保では乳がんの患者さんには査定対象です。そのほかぼくの働いている地域だと動脈硬化なども査定対象です。狭窄症などはOKです。
続いて国保です。パルスドプラ法が認められる病名 肝癌
○ 取扱いの方向性:原則として、肝癌患者に対する超音波検査(断層撮影法)を施行する場合、パルスドプラ法加算の算定は認められる。
社保の5つに加えて肝がんが加わりました。PDFもつけておきます。
本日のまとめ
基本的にパルスドプラ法は血流診断のために実施されます。
疑い病名では査定されることが多いです。
なのでレセプト病名として確定診断をさせないといけない場面もあるでしょうね。医師によっては理由もなくパルスドプラ法を行ったりしますので注意が必要です。
今日の情報は社会保険支払基金と国保連合会のホームページに掲載されている情報なので確実な情報です。
他にも病院や地域ごとに認めらているものもあるでしょうからそれぞれで判断してください。だいたい地域や担当医によって算定の条件が変わるっておかしな話なんですけどね…。
もう一度まとめておくと
■OKな病名
- 腎悪性腫瘍
- 精索静脈瘤
- 精巣捻転症
- 肝がん
- 狭窄症 など
■NGな検査
- 乳がん
- 尿管腫瘍
- 動脈硬化症 など
とりあえずはNGである乳がんなどは入力しないようにしましょう。
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