基本中の基本なのに創傷処置って査定が多くないですか?ぼくの働いている病院だけ?初診時の病名接触性皮膚炎における創傷処置が査定になりました。
診療点数早見表をちゃんと読んでいれば防げた内容でしたけどね。
医療事務の新人教育を行っても創傷処置の算定方法は基本であるため、なかなか深くマニュアルを作成していなかったりします。みんなバラバラ。難しいですね。
今日は創傷処置について勉強したのでまとめておきます。
創傷処置は基本だけど奥が深いですね。
まずは診療点数早見表を見ておきましょう。
創傷処置は「処置」の項目になります。
J000 創傷処置
1 100平方cm未満 52点
2 100平方cm以上500平方cm未満 60点
3 500平方cm以上3,000平方cm未満 90点
4 3,000平方cm以上6,000平方cm未満 160点
5 6,000平方cm以上 275点
6,000平方センチメートル以上の創傷処置を算定したことはありません。
ぼくの働いている病院では「100平方センチメートル未満 52点」か「100平方センチメートル以上500平方センチメートル未満 60点」の算定が多いです。
それ以上の500平方cmなどはほとんど算定することはありません。
続いて注釈も確認しましょう。
通知まで掲載すると長くなるので必要な場合は診療点数早見表を各自で参照してください。
注
1 1については、入院中の患者以外の患者及び手術後の患者についてのみ算定する。ただし、手術後の患者については手術日から起算して14日を限度として算定する。
2 区分番号C109に掲げる在宅寝たきり患者処置指導管理料又は区分番号C112に掲げる在宅気管切開患者指導管理料を算定している患者に対して行った創傷処置の費用は算定しない。
3 5については、6歳未満の乳幼児の場合は、55点を加算する。
相変わらず難しく書いてありますね。
なので必要な部分をまとめておきます。全部読む必要はありません!!
創傷処置の算定方法のまとめ。
創傷処置について基本的に抑えていきたいポイントは以下の通りです。
- 創傷の大きさによって算定できる点数が1〜5まで分かれている。
- 外来受診の患者さんに算定できる
- 1の52点について入院中は手術後14日を限度に算定できる
- 1と2は外来診療料に含まれる200床以上では算定不可
- 複数部位に創傷処置を行った場合は処置面積を合算する。×2はありえない
- 軟膏の塗布又は湿布の貼付のみの処置では算定できない
- 包帯、ガーゼ等衛生材料、患者の衣類及び保険医療材料は別に算定できない
これくらいです。
あとは処置の項目になるので時間外加算、休日加算、幼児加算などに注意しましょう。
接触性皮膚炎における創傷処置について
今日の本題。査定となった接触性皮膚炎での創傷処置ですが、これは結論から言えば算定不可です。
病名「接触性皮膚炎」における創傷処置については基本的には算定不可能です。今回の査定に関しては審査機関もコンピューターチェックにより細かい所まで点検するようになったと感じました。
診療点数早見表の通知8番に書いてあります。
(8) 軟膏の塗布又は湿布の貼付のみの処置では算定できない。
しかも今回の場合は初診の患者さんでしたので病名が接触性皮膚炎のみでした。これでは査定になりますね。詳記も書きようがありません。しかも丁寧に処置薬剤も算定していましたの。
再診なら外来管理加算の方が高くなるので査定は無いと思うんですけど今回は初診でしたので査定になりました。くやしい。
支払基金のコンピューターチェックの精度が毎月のように上がっているので細かいところまでしっかりレセプト点検する必要がありますね。
処置を算定するための加算項目のまとめ。時間外加算と乳幼児加算
創傷処置は処置の項目なので時間外加算については一律で定められています。一番最初に書いてある通則の部分です。
全部を書いていると長いのでまとめると
イ 施設基準を届けていて所定点数が1,000点以上の場合
- (休) 休日加算1 所定点数の100分の160に相当する点数
- (外) 時間外加算1 所定点数の100分の80に相当する点数(外来のみ)
- (深) 深夜加算1 所定点数の100分の160に相当する点数
- (特外) 所定点数の100分の80に相当する点数(外来のみ)
ロ 外来のみ 所定点数が150点以上の場合 (イに該当する場合を除く。)
- (休) 休日加算2 所定点数の100分の80に相当する点数
- (外) 時間外加算2 所定点数の100分の40に相当する点数
- (深) 深夜加算2 所定点数の100分の80に相当する点数
- (特外) 所定点数の100分の40に相当する点数
また乳幼児加算は
5については、6歳未満の乳幼児の場合は、乳幼児加算として、55点を加算する
となっているので創傷処置に関しては新生児加算や乳児加算はありませんね。
基本中の基本である創傷処置ですが読み込んでいくと奥が深いです。自分の働いている病院ではどのような算定方法なのか医事課で確認しておくと良いですね。