ORIF骨折観血的整復術後の超音波骨折治療法(セーフス・アクセラス)が査定。症状詳記が必要。

ORIF骨折観血的整復術後の超音波骨折治療法 K第10部 手術
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骨折超音波治療法の査定がありました。異議あり!くやしい!!

ということで、骨折超音波治療法について勉強です。

勤務している病院によっては骨折超音波治療法なんて堅苦しい言葉ではなくセーフスやアクセラスと言っているかもしれません。

最初に簡単に書いておくと骨折超音波治療法(セーフスやアクセラス)というのは骨折した場所に超音波をあてて回復を早める魔法のような治療法です

そして、骨折超音波治療法には難治性骨折超音波治療法というより高得点が算定できるものもあります。

レセプトに必要な病名や書いておいた方がいい症状詳記なんかもありますね。

  1. 骨折超音波治療法
  2. 難治性骨折超音波治療法 ← 高得点
ほんの
ほんの

知っているようで知らないことも多かったです。

今日はそんな骨折超音波治療法についてレセプトの注意事項や算定方法についてまとめておきました。

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超音波骨折骨折治療法(一連につき)とは?

超音波骨折骨折治療法とは簡単に言ってしまえば骨折や偽関節の術後の回復を超音波で早める方法です。なんか未来ですよね。

超音波で骨折の治癒期間が大幅に短縮するそうです。すごい!

ただし!誰でも使用できるわけではなく保険算定するにはルールがあります。

医療事務員必須の診療点数早見表を確認しておきましょう。

K047が診療コードになります。

注 骨折観血的手術等が行われた後に本区分が行われた場合に限り算定する。

(1) 超音波骨折治療法は、四肢(手足を含む。)の観血的手術、骨切り術又は偽関節手術を実施した後に、骨折治癒期間を短縮する目的で、当該骨折から3週間以内に超音波骨折治療法を開始した場合に算定する。

(2) 当該治療を開始してから3か月間又は骨癒合するまでの間、原則として連日、継続して実施する場合に、一連のものとして1回のみ所定点数を算定する。なお、算定に際しては、当該治療の実施予定期間及び頻度について患者に対して指導した上で、当該指導内容を診療報酬明細書の摘要欄に記載すること。

ほんの
ほんの

うーん。難しいですね。ひとつひとつ確認しましょう。

難治性超音波骨折治療法と超音波骨折治療法の違いについて

超音波骨折治療法には2種類あります。

  • K047-3    超音波骨折治療法(一連につき)4,620点
  • K047-2 難治性骨折超音波治療法(一連につき)12,500点

違いは文字通り難治性の骨折に対し算定するかどうかになります。

使用する期間についても違いがあります。難治性骨折超音波治療法を算定する場合、対象は四肢(手足を含む。)の遷延治癒骨折や偽関節となります。

使用期間は6か月間又は骨癒合するまでの間、原則として連日、継続して実施することができます。

病名は「骨折」が基本になります。症状詳記も書いています。

基本的には入院手術を行った患者さんに対し算定します。

診療点数早見表にも「観血的手術、骨切り術又は偽関節手術を実施した後」と書いてあります。外来で観血的手術、骨切り術などの手術は実施しません。

病名は骨折が多いですが偽関節でもOKです。

症状詳記なしだと査定がありましたので症状詳記を書くようにしています。

病名は骨折又は偽関節で症状詳記があれば査定にはなりません。

症状詳記の内容としては以下の2つです。

  1. 3か月間(6か月)毎日使用するように指示をした。
  2. 3週間以内に開始した。(受傷日:〇月〇日転倒にて骨折)

これだけを書いておけば査定はないでしょう。

また、やむを得ない理由により3週間を超えて使用を開始した場合もその理由は書いておいた方がいいですね。

患者さんが自己判断(骨折だとは思わなかった)で様子をみていたが疼痛継続のため受診し骨折が発覚した。みたいな感じで大丈夫でした。

アクセラスとセーフスって何が違うの?

そもそもアクセラスとセーフスって何が違うんでしょうか?

どちらも骨折超音波治療法の時に使用する名称になります。医療事務としてレセプト請求するにあたって注意しておいたほうがいい点はあるのでしょうか。

アクセラスとセーフスの違いは機器を発売している会社の違いになります。

アクセラス:日本シグマックス株式会社
セーフス :帝人ファーマ株式会社

効果は多少の違いはあるのかもしれませんが基本的には同じものになります。取り扱ってる会社が違うだけなので安心してください。

ぼくが働いている病院ではなぜか両方のメーカーから仕入れています。

ほんの
ほんの

医師によって使用する(ご贔屓)の会社が違うからです…。

本日のまとめ

超音波骨折治療法ってORIF(骨折観血的手術)後の患者さんには多く実施しています。特に手関節の周囲の骨折に対しては使わない患者さんの方が少ないくらいです。

手関節の骨折なら自分で超音波を当てることができるからでしょうね。自動的に4620点が加算されるようなイメージです。

病院側にとっても大きな点数になりますのでしっかり算定していきたいと思います。

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