後輩から保存的輸血が1回目なのに800点になる理由がわからないので教えてください。と質問がありました。
ぼくも最初のころに疑問を感じた部分でした!
診療点数早見表は読解するのに少々癖があります。慣れていないと何が書いてあるのかサッパリわかりません。
今日は輸血や輸血管理料などの算定方法について書いてみたいと思います。K920輸血の1回目と2回目。保存血液輸血などです。
K920輸血の算定方法。1回目と2回目では点数が違うので注意。
まずは難しい診療点数早見表を確認しておきましょう。
医療事務たるもの診療点数早見表とは仲良くしておかないといけません。
輸血のポイントは診療区分が「K」になることです。
Kコードは手術と同じですね。
K920 輸血
1 自家採血輸血(200mlごとに)
イ 1回目 750点
ロ 2回目以降 650点2 保存血液輸血(200mlごとに)
イ 1回目 450点
ロ 2回目以降350点
後輩がわからなかったのは保存血液輸血の1回目の考え方です。
レセプトには保存血液輸血1回目800点と記載されていました。
でも診療点数早見表には保存血液輸血の1回目は450点と記載されています。
そして「200mlごとに」と書いてあります。
2 保存血液輸血(200mlごとに)
イ 1回目 450点
なので後輩は400mlを使用したのであれば900点になるのではないか?と考えたようです。
450点 × 2 = 900点
ぼくも最初はこのように考えていました。
保存血液輸血の1回目(400ml)が900点にならない理由
医療事務をはじめた当初、ぼくも疑問に思ったことがあります。懐かしい!
診療点数早見表には保存血液輸血(200mlごとに)なんて書いてあるので(400ml)使用したら900点になるじゃん。なんて考えるもの普通です。
でも正解は800点なんです
これもしっかりと書いてあります。通則まで読めばよかったですね。
(1) 自家採血輸血、保存血液輸血及び自己血輸血の算定に当たっては、200mlを単位とし、200ml又はその端数を増すごとに所定点数を算定する。ただし、6歳未満の患者に対して自己血輸血を行った場合は、体重1㎏につき4mlを単位とし、当該単位又はその端数を増すごとに所定点数を算定する。
(2) 自家採血輸血及び保存血液輸血における1回目とは、一連の輸血における最初の200mlの輸血をいい、2回目とはそれ以外の輸血をいう。
ね!
初日に(400ml)を使用しても最初の(200ml)に対し450点を算定して、次の(200ml)に対しては350点を算定することになります。
つまりまとめると
2回目とは:それ以外の輸血
K920輸血の1回目はどのくらいの間隔があれば再算定していい?
1回目の算定の方が高い点数を算定できるので、できるなら1回目で算定したいですよね。
この算定間隔ですが、病院によっても違うと思いますがぼくの働いている病院では1週間です。
1週間を超えて再度輸血を実施する場合は1回目で算定します。逆に1回目の再輸血であっても3日後とかだと査定の可能性もあるので2回目で算定します。
アの説明は、当該患者に対する一連の輸血につき1回行うものとする。なお、この場合、「一連」とは、概ね1週間とする。
自家採血輸血と保存血液輸血の違い。
自家採血輸血と保存血液輸血の違いについても書いておきます。
- 自家採決輸血:輸血を行なった量ではなくて実際に輸血を行なった量で算定します。
- 保存血液輸血:原材料として用いた血液量と実際に使用した総量のうち少ない方の量で算定します。
輸血に伴って算定できる加算一覧
ここまで書いてもわかる通り輸血は難しいです。本当に大変!!
それにプラスして多くの加算があります。
以下は輸血に伴って算定できる加算の一覧です。
- 血液型検査 54 点
- 不規則抗体検査 197点
- HLA型クラスⅠ 1,000点
- HLA型クラスⅡ 1,400点
- 血液交叉試験 30点
- 間接クームス検査 47点
- コンピュータクロスマッチ30点
- 6歳未満乳幼児加算 26点
- 血小板洗浄術加算 580点
全部を算定することはないですが、血液交叉試験や間接クームス検査あたりは多くを算定しますね。
本日のまとめ
輸血の算定は急性期病棟で手術を行う場合や血液内科などで多くを算定します。
外来ではあまり算定することはないでしょう。
これからも日々勉強していきます。