今年に入ってから審査機関である国保連合会と社会保険支払基金の審査ドクターが変更になったのか査定傾向が変更になりました。
ぼくは審査機関の医師が変更になり査定傾向が変わることが嫌いです。なんじゃそりゃ?って本気で思っています。
そして多くの場合は「医学的判断」なんてさらによくわからない理由がつけられます。
一例を書いておくと、痛み止め薬(ロキソニンなど)と同時に胃薬(ネキシウムなど)が処方されます。ここまでは普通の処方内容。
その胃薬に対して「胃炎」や「逆流性食道炎」の病名が無くても今まではレセプトで査定されませんでしたが急に査定になるようなことです。
先月までOKだったことが今月はNGになるのはレセプト担当としては困ってしまいます。
どのタイミングで変更になるのかコンピューターによる統一のチェック体制が構築できるのはいつになるのか楽しみですね。
今日はそんな胃保護剤のレセプト病名について書いておきます。
痛み止め薬(ロキソニンなど)と同時に胃薬(ネキシウムなど)の病名について
他の病院は知りませんが、ぼくの働いている病院では痛み止め薬(ロキソニンなど)と同時に処方される胃薬(ネキシウムなど)については病名を入れていませんでした。
それでも査定になりませんでした。
しかし!
ここ数ヶ月の査定傾向を確認するとネキシウムやタケプロンなどPPIを処方していると病名無しのレセプト査定が増えてきました。
無駄なレセプト査定は意味が無いのですべての患者さんに逆流性食道炎や胃炎などの病名を入れてレセプト請求するようにしました。
意外と細かな労力です。
病名欄に
- 腰痛症
- 逆流性食道炎
みたいな感じで明らかなレセプト病名をつける必要が出てきました。
NSAIDS胃潰瘍でも良いですね。
レセプト査定の対象になった胃薬について確認しておこう
ロキソニンなどの鎮痛剤と一緒に処方される胃薬は大きく分けて3種類あります。
この中で査定対象なのは以下の赤字のプロトンポンプ阻害薬(PPI)とH2ブロッカー(ヒスタミンH2受容体拮抗薬)です。
代表的な名称を書いておきます。
- プロトンポンプ阻害薬(PPI):オメプラール、タケプロン、パリエット、ネキシウム、タケキャブ
- H2ブロッカー(ヒスタミンH2受容体拮抗薬):タガメット、ザンタック、ガスター、アルタット
- 胃粘膜保護薬:セルベックス、ムコスタ、ガストローム、ガスロンN
胃粘膜保護薬については引き続き病名無しでもOKみたいです。
審査機関(国保連合会と支払基金)の解釈について
とりあえず急に査定になったので国保連合会と社会保険支払基金に電話問い合わせしました。
結論としては、審査機関はロキソニンなどに対しての処方は胃粘膜保護薬(セルベックス、ムコスタ等)にして欲しい。プロトンポンプ阻害薬(PPI)やH2ブロッカー(ヒスタミンH2受容体拮抗薬)を処方するのであればそれだけの理由(逆流性食道炎などの病名)が欲しい。だそうです。
言っていることはわかるけれども、ロキソニンやボルタレンのようなNSAIDを長期に使用する場合、レバミピド(ムコスタ)のような胃粘膜保護薬よりPPI選択したい医師も多いです。
そして審査機関(国保連合会と支払基金)でもその必要性は十分に理解しているでしょう。
増え続ける医療費削減に向けて少しでも安い薬を使いなさい!とさらに上からの圧力もあるのかもしれませんね。知らんけど。
本日のまとめ
いままでOKだったのに急にNGになる理由はわかりません。
それが許されるならその逆も教えてほしいです。査定は困るので対応していますけど。
本日のまとめは以下のようになります。
- 痛み止め薬(ロキソニンなど)と同時に胃薬(ネキシウムなど)が処方された時は病名が必要。
- 病名は逆流性食道炎や胃潰瘍でOK。
- レバミピド(ムコスタ)のような胃粘膜保護薬には不要。
- プロトンポンプ阻害薬(PPI)やH2ブロッカー(ヒスタミンH2受容体拮抗薬)では病名が必要。
- PPIでの逆流性食道炎には処方制限があるので注意
- 審査機関(国保連合会と支払基金)は急に査定傾向を変えてくることがある
少しでも査定が減るといいですね。お互いに頑張りましょう。