生化学検査1などスクリーニング検査のレセプト病名はどうしていますか?
先日、外来レセプトのチェックしていたら生化学的検査(Ⅰ)などのスクリーニング検査に対し「肝機能障害の疑い」の病名をつけていました。
それなりに多くのレセプトに「肝機能障害の疑い」と病名をつけるので多くの時間必要となっていました。
それにレセプトも意味不明な病名が多くなります。(いわゆるレセプト病名)
病院やクリニックによっては、スクリーニング検査にレセプト病名をつけるように指導しているかもしれませんが、基本的にスクリーニング検査に対してレセプト病名は不要です。
だってスクリーニング検査ですから。
今日はそんなスクリーニング検査のレセプト病名について書いてみたいと思います。
生化学的検査(Ⅰ)などのスクリーニングで病名は不要です。
まずは本日の結論から。
生化学的検査1などのスクリーニングでは特別な場合を除きレセプト病名は不要です。少なくともぼくの働いている病院ではレセプト病名をつけていません。
だってスクリーニング検査ですからね。
医師だって特別何かを疑って検査をしているわけじゃありません。
もちろん査定や返戻もありません。
今回、スクリーニング検査に「肝機能障害の疑い」とレセプト病名をつけた担当者は、何事もしっかりとやるタイプなので仕事も任せれば問題なくやってくれるのですが、悪く言えば「生産性」が低いと判断されてしまいます。
スクリーニング検査でレセプト病名が必要な場合もあります。
スクリーニング検査に病名が不要ならレセプト時間も短縮できます。
病名なんで主病だけでいいよね。なんて考えてしまう可能性があるので一応注意喚起です。
個人的にはすべてのスクリーニング検査に対して病名不要と考えていますが、現状の審査機関では認められていません。以下の検査については病名が必要になります。
- ヘモグロビンA1c:糖尿病
- 尿沈渣(鏡検法):尿路感染症
このふたつに対してはレセプト病名をつけないと査定対象なので面倒でも「糖尿病の疑い」とか「尿路感染症の疑い」などをつけています。
入院になるともう少し増えます。
- 手術 :手術後疼痛
- 全身麻酔:呼吸困難
などになります。
1分の短縮を続けて行けば相当な時間になります。
生化学検査1などのスクリーニング検査で「肝機能障害の疑い」と全員の患者さんにレセプト病名をつけると生産性は上がりません。
多くの患者さんが実施している検査に対して意味のないレセプト病名をつける必要はありません。時間がもったいないです。
長時間労働反対派なので仕事は短時間で終わらせたいです。残業はしたいくない。
なので、「仕事」をしている気分になっているだけで、実際は「作業」しているだけ。みたいなのは減らしていきたいです。
付加価値の低い仕事にどれだけの時間を使うのか考えてみると短縮できる仕事は多くあります。
今行っているレセプト点検方法は適切なのか、レセプト病名の付け方はこれでいいのか、一度考えて見ると新しい発見があるかもしれませんね。
レセプトに病名を入れるのは1件あたり1分もかからないかもしれませんが、何件分のレセプト点検をしているのか考えましょう。
全部になると相当な時間になります。先月分を削除する時間もあります。
本日のまとめ。残業してレセプト点検をするとどのくらい査定が減るの?
審査機関である社会保険支払基金や国保連合会にも査定や返戻のノルマがありますので完全に査定や返戻がなくなる事はありません。
一定以上の規模の病院で今月は査定なし!なんてすばらしい病院はあるのでしょうか?少なくともぼくは知りません。
コンピューターチェックを最大限に活用しても細かな査定は出てきます。むしろレセプト点検を頑張れば頑張るほど重箱の隅をつつくような査定がやってきます。
なので、ある程度の査定は諦めて落としどころをあらかじめ用意しておくくらいの余裕があるとレセプト点検も楽になりますね。