今回は医療事務員最大の見せ所「レセプト点検」について書きます。
レセプト点検時期(毎月25日くらい~翌月10日までを想定しています。)は残業が多くなるので忙しくて大変だとか、深夜まで点検してたとか、ネットにはいろいろ書いてありますね。
ぼくも医療事務に転職が決まった時は数少ない友人に医療事務の事を聞きましたが、決まって同じような事を言っていました。
実際に最初の頃は残業多かったです(月に40時間くらいですけど)。
今思えば、「何やってんの?」「社畜!」「うつになっちゃうよ」とかそんな感じです。
なので、今日はぼくが実践している残業無しのレセプト点検について書いておきます。
そもそもレセプト点検の目的ってなんだっけ?
最初に正解を書くとお金を請求して病院の収益につなげる事です。
レセプトって日本語で正式名称は「診療報酬明細書」といいます。
レセプト点検に対するいろいろなマニュアル本やテクニック本がありますが、そのテクニックにこだわりすぎて大事な部分が欠落している病院があります。
正しいレセプトを作成して請求するのが医療事務の仕事ではありません。お金になるレセプトを作成して請求するのが医療事務の仕事です。
不正請求しなさいとは言ってません。
レセプト点検に医学的知識なんて必要なし
マニュアル本やテクニック本が多数あり、インターネット上でも情報が溢れています。中には大事なものもありますし、知っておくと良い事もあります。
でもそんなのは慣れてからで良いです。知らないものは知らないんだからしょうがない。って言う精神が非常に大事です。
レセプト点検の目的はお金になるレセプトを作成して請求する事です。正しいレセプトを作成しようとするから時間がかかります。
こっちは医者でもなければ看護師でもありません。医療事務員です。
注射薬の注意事項や処置における医学的知識なんて不要です。レセプト点検において大事な事ではありません。治療上必要な事とレセプト上で大事な事は別物です。
処方に対する病名だけは要チェック
これはぼくの働いている病院のスタイルなんですが、月末25日くらいから当月分のカルテをピックアップして病名のみ点検をしています。院外処方なのでレセプト点検の時に処方の確認が出来ないためです。
毎日毎日、点検して病名をつけている病院もあるみたいですがぼくの働いている病院は毎日400名前後の外来患者さんが来院しますし、その日ごとに病名をつけるのは月間の流れ(今後の流れ)が把握できないので効率が悪くなります。
なので、月末は病名点検だけです。
検査や採血や処置に対する病名は最小限に留めています。これはカルテベースで点検していると見落としがあるからです。レセプトで点検した方が絶対に効率が良いです。
病名は医学的に不正解でもレセプト的に問題なければOK
カルテを見るとドクターはやたら詳細な病名を書いている事があります。またはどこにも病名なんて書いていません。こっちの方が多いですね。
例えば、腹部にエコーとレントゲンとCTを実施している患者さんがいたとします。カルテにはたくさんの記載がありますが英語やドイツ語(しかも汚い字)で、しかも肝心の病名の記載がありません。こんなのは読解するだけ時間の無駄です。
自分だったら「腹部腫瘍の疑い」で完了です。
これが医学的に正解かどうかは知りません。でもレセプト請求的には正解です。なんの問題もありません。「腹部腫瘍の疑い」でお金になります。
本日のまとめ
大事なのはプロセスではありません。
ビジネスの世界だから結果です。結果が大事。ぼくはこの方法で進めていますので、経験が5年と言う部分は差し引いても。テクニックの部分だったり知識の部分だったりで不足はたくさんあります。
今だにわからないことの方が多いです。医師や看護師に何度も質問して教えてもらっています。
同じ年の経験10年以上の人がいるのですが、知識あるしテクニックもあるのですごいと思います。
でもね、ビジネスとしては負けない自信があります。実際に立場も給料もぼくの方が上です。レセプト点検方法の改善による残業時間の低減と査定率の維持です。
もちろん最終的には医学的にも正しいレセプトを作成できる方がいいに決まっています。
まぁ、ぼくが医学的に正しいセレプトを作成することができるようになるより、AIの進化の方が早そうですけどね。
この方法に加えてレセプトチェックシステムを導入して残業ゼロの医事課になりました。みんな残業なしでハッピー!
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