入院レセプト担当をしていると入院期間の計算に必要な「初回」について疑問が出てきます。
入院期間の計算における「初回」という言葉は医療事務にとって、非常に大事なキーワードになります。
急性期病棟では同じ症状で再入院してくる患者さんは少ないですが、地域包括ケア病棟や回復期リハビリ病棟では同じ疾患で再入院してくる患者さんが多くいます。
初回は算定できる加算が多くあります。
そこで問題になるのが、「初回」や「再入院」を病院が勝手に判断していいのか?ってことになります。
もちろん、しっかりとルールが定められています。
今日はそんな入院における初回について書いてみたいと思います。
入院は再入院でも「初回」で算定したほうがいい理由
まずは医療事務ならみんな大好き診療点数早見表を確認しましょう。
診療点数早見表には「入院した日から起算して」とか「初日に限り」みたいな文言がたくさん出てきます。
これは言葉の通り「初回」入院でしか算定できない項目になります。
「再入院」では加算の算定はできません。
なので、医療事務としては出来るだけ「初回」で算定したいですね。
その方が高得点になるので。
病院としても同じ入院治療を行うのであれば点数は高い方がいいに決まっています。
ここで今日の疑問!!入退院を繰り返している患者さんも多くいます。そんな時はどうしたらいいのでしょうか?
高齢者なんて肺炎を繰り返している場合も多々ありますからね。
入院期間の計算に書いてあること。
診療点数早見表を確認すると難しいことがズラズラと書いてあります。
引用しておきます。ちょっと長いので端折ります。
7 入院期間の計算
(2) (1)にかかわらず、保険医療機関を退院後、同一傷病により当該保険医療機関又は当該 保険医療機関と特別の関係にある保険医療機関に入院した場合の入院期間は、当該保険医療機関の初回入院日を起算日として計算する。
ただし、次のいずれかに該当する場合は、新たな入院日を起算日とする。
ア 1傷病により入院した患者が退院後、一旦治癒し若しくは治癒に近い状態までになり、その後再発し入院した場合
イ 退院の日から起算して3月以上(悪性腫瘍、難病の患者に対する医療等に関する法律(平成26年法律第50号)第5条に規定する指定難病(同法第7条第4項に規定する医療 受給者証を交付されている患者(同条第一項各号に規定する特定医療費の支給認定に係る基準を満たすものとして診断を受けたものを含む。)に係るものに限る。)又は「特定疾患治療研究事業について」(昭和48年4月17日衛発第242号)に掲げる疾患(当該疾患に罹患しているものとして都道府県知事から受給者証の交付を受けているものに限る。ただし、スモンについては過去に公的な認定を受けたことが確認できる場合等を含む。)に罹患している患者については1月以上)の期間、同一傷病について、いずれの保険医療機関に入院又は介護老人保健施設に入所(短期入所療養介護費を算定すべき入所を除く。)することなく経過した後に入院した場合、
※通則5 ただし、保険医療機関を退院した後、同一の疾病又は負傷により、当該保険医療機関又は当該保険医療機関と特別の関係にある保険医療機関に入院した場合には、急性増悪その他やむを得ない場合を除き、最初の保険医療機関に入院した日から起算して計算する。
赤字で大事な部分は書いておきましたが、なんでこう難しく書くんでしょうかね?
ゆっくり確認していきましょう。
入院の初回と再入院についてのまとめ
漢字がたくさん書いてあるので難しいですね。読んでいるだけでイヤになります。
ぼくなりに要約しておきます。
以下のルールさえ知っておけば大丈夫。
再入院の患者さんでも「初回」になる場合。
- 前回と異なる病名で入院する場合
- 同じ病名でも、急性増悪などやむを得ない場合(高齢者の肺炎など)
- 同じ病名でも、前回退院時に治癒したが再発した場合
- 同じ病名でも、3ヶ月(悪性腫瘍や難病などは1ヵ月)経過した場合
こうやって書けば簡単ですね。
このルールで考えると「初回」の場合は多くなります
今までよくわからないので誤嚥性肺炎などを繰り返している高齢者なんかは「再入院」で算定していました。もったいない!
知らない事ってたくさんありますのでこれからも日々勉強していきます。
本日のまとめ。多くの場合で意外と初回にできる。
こうやってひとつひとつ読み込んでいくと多くの場合で初回を算定できる可能性があります。
高齢者の肺炎なんて地域包括ケア病棟などでは多くの患者さんが入院してきます。急性増悪などやむを得ない場合に絶対に当てはまりますからね。
これを知らないで再入院にしてしまったら多くの初回加算が算定できず大幅な減収になってしまいます。
急性期病棟でもがん患者さんなどは1ヶ月おきに入院してくることも多いですよね。化学療法は3ヶ月だけとそれ以外では初回を算定できます。
しっかりと勉強して病院の利益に貢献して聞きましょう。