手術を行う患者さんは手術後も手術部の疼痛管理として硬膜外麻酔を実施することが多くあります。急性期病棟など手術を多く算定する病院は多く算定しているでしょう。
そんな中、硬膜外麻酔後における局所麻酔剤の持続的注入の査定がありました。
調べてみると他の病院(都道府県)でも同じような査定があるみたいですね。診療報酬早見表には書いていない各審査会のオリジナル査定のようですね。
コンピューターチェックが進んでいけばオリジナル査定は減っていく流れですが、依然として残っています。
今日はそんなL003硬膜外麻酔後における局所麻酔剤の持続的注入(1日につき)の算定の注意事項について書いておきます。
医療事務として知っておきたい硬膜外麻酔。算定のポイント
L003硬膜外麻酔を算定するにあたり、医療事務として知っておきたいのは以下です。
- 手術当日は算定はできない。
- 1日につき80点の算定ができる。
- 4日目からは査定対象になる。
- 病院では「エピ」と略される。
- 精密持続注入を行なった場合はさらに80点の加算が算定できる。
- 手術後の疼痛コントロール目的で使用される。
これくらいになります。
医療事務として覚えておく必要があるのは4日目からは査定対象になる!ってところです。
実際ぼくが働いている都道府県でも査定対象になりますので、実際に患者さんが使用していても算定はしていません。
悲しいですがその分のコストは病院が負担しています。
それではひとつひとつ書いてみたいと思います。
硬膜外麻酔後における局所麻酔剤の持続的注入について
医療事務必須の診療点数早見表も確認しておきましょう。
L003
硬膜外麻酔後における局所麻酔剤の持続的注入(1日につき)(麻酔当日を除く) 80点注
精密持続注入を行った場合は、1日につき80点を所定点数に加算する。通知
精密持続注入とは、自動注入ポンプを用いて1時間に10mL以下の速度で局所麻酔剤を注入するものをいう。
ここに書いてある通り麻酔当日は算定ができません。項目名も「硬膜外麻酔後に」と書いてあります。
そして1日につき80点が算定できます。
上限は特に定められていませんが4日以降算定すると査定対象となる可能性が高いです。
査定情報。4日目以降の算定は査定対象になるので要注意
ネットでも同じような情報がありましたので、多くの都道府県で4日目以降の硬膜外麻酔後における局所麻酔剤の持続的注入は査定対象になっているんでしょう。
診療点数早見表のどこにも「3日間に限り算定できる」なんて書いていないんですけどね。
審査機関が得意の医学的判断です。
もちろん医師が必要と判断して実施しているので症状詳記を書きましたが査定対象です。つまりどんなに足掻いても踠いても査定となります。
ぼくの働いている病院では4日目以降の硬膜外麻酔後における局所麻酔剤の持続的注入は算定していません。
病院負担!意味不明!!くやしい!!!
看護師さんなどは略称「エピ:epidural anesthesia」と言っているよ
医療事務では覚える必要はありませんがひとつの豆知識として書いておきます。
病院で「エピ」って聞こえたら硬膜外麻酔のことになります。これは英語で「epidural anesthesia」と言うので「エピ」と略して呼ばれます。
病院って専門用語が多いのにさらにそれを略して言ったりするので意味不明なときも多いですよね。
ぼくはウロ(泌尿器科)も意味がわかりませんでしたw
そもそも、なんで手術後にまで硬膜外麻酔を続けるの?
手術中に全身麻酔などで疼痛管理されていた患者さんは手術が終わったからといって痛みが消えることはありません。
やっぱり手術をしたのですからとても痛いわけです。
ぼくは親知らずを抜いた時でも痛かったです。
手術後の疼痛コントロール目的で実施することで手術後の患者さんを助けています。
手術した患者さん全員に行うわけではなく必要に応じて実施されます。
イメージでは整形外科の手術ではあまり使用されません。外科の手術では多く使用されます。
最後にレセプト病名はどうしたらいい?
これは手術後の疼痛なので「術創部痛」や「術後疼痛」などの病名を使用しています。
こんなもの必要ないと思いたいのですが、過去に査定があったらしく査定を恐れて手術をした患者さんはそれなりに術後に痛い!って病名を使用しています。
ぼくに言わせれば手術をした患者さんは手術部は痛いに決まっている。となります。
まぁ、無意味な査定をもらうよりは大人しく入力をしていますがこのような当たり前の病名は減っていくといいんですよね。
無駄なレセプト病名が撲滅委員会。未来に期待しましょう。