比較的大きな病院は営業(受付)時間以外も診療を行なっています。これは病院で働いている人あるあるですね。夕方5時で締め切りなのに夜10時にも患者さんが受診する可能性があります。
救急車で搬送されてくる可能性もあれば直接来院してくる可能性があります。そのために事務員も当直をして患者さん対応や電話対応をします。
しかし、病院にとっては職員が24時間対応するのは負担です。そのため時間外の診療時には多くの加算を算定してもいいよ。というルールがいくつかあります。
その中の一つが時間外緊急院内画像診断加算です。
時間外緊急院内画像診断加算は時間外(休日や夜間)診療時間帯に緊急でレントゲンなどの画像診断を実施した時に110点を算定できるものです。
最近の病院は電子カルテからレセプトコンピューター(医事コン)に取り込みがあり自動的に加算をするので知らないかもしれませんね。
ぼくの働いている病院でも時間外診療の算定は自動的に加算されます。
時間外に診療を行なった時は多くの算定ができるのでしっかりチェックをしておきましょう。
時間外緊急院内画像診断加算のおさらい。レセプトの算定方法
診療点数早見表を確認しておきましょう。第4部画像診断の通則となります。
通則
3 入院中の患者以外の患者について、緊急のために、保険医療機関が表示する診療時間以外の時間、休日又は深夜において、当該保険医療機関内において撮影及び画像診断を行った場合は、時間外緊急院内画像診断加算として、1日につき110点を所定点数に加算する。
ここに書いてありますね。
そのほかのレセプト時の算定するポイントは
- 時間外とは「初再診の算定と同じ時間」
- 2回以上のレントゲンでも1回110点の算定
- 外来患者さんのみ。入院では算定不可
- レントゲンで使用する衣類代は算定できない
こんな感じになります。
時間外緊急院内画像診断加算と他の医療機関で撮影したフィルム等についての診断料
他の医療機関で撮影したフィルム等についての診断料についてもおさらいしましょう。診療コードではE001になります。写真診断。
写真診断とは、他の病院で実施したレントゲンのフィルムなどを自院で読影したら点数を算定していいよ!!というものです。
患者さんが紹介状と一緒にフィルム等を持ってくることがありますね。そんな時は「他の医療機関で撮影したフィルム等についての診断料」を算定しましょう。
E001写真診断
- 単純撮影
イ 頭部、胸部、腹部又は脊椎 85点
ロ その他 43点- 特殊撮影(一連につき) 96点
- 造影剤使用撮影 72点
- 乳房撮影(一連につき) 306点
診療点数早見表ではE001写真診断に掲載されています。
時間外緊急院内画像診断加算と写真診断の算定
さて、今日の本題です。時間外緊急院内画像診断加算というのは時間外にレントゲンを実施した時に算定できるものです。
では、時間外に他院より紹介されてきた患者さんがレントゲンのフィルムを持参してきたときはどうしたらいいのでしょうか?
両方算定していいのでしょうか?
正解は併算定できません。
審査機関である社会保険支払基金や国保連合会などにも確認しました。そもそも時間外に紹介するようなことはあってはならないそうです…。確かにそうですよね。
フィルムを渡して来院させるくらいなら時間外に患者を紹介しないで翌日にまわしてほしいですね。救急搬送患者さんとは違いますから。救急車なら別の加算が取れますのでそっちを算定できます。
もちろん診療点数早見表にも算定できないとしっかり書いてあります。
(6) 時間外緊急院内画像診断加算は他の医療機関で撮影されたフィルムを診断した場合は算定できない。
なので、時間外緊急院内画像診断加算と他の医療機関で撮影したフィルム等についての診断料は算定できません。
本日のまとめ
診療点数早見表にしっかりと書いてありました。
時間外緊急院内画像診断加算と写真診断の算定を一緒に算定することはできません。
レセプトの算定方法は通則の部分が絡んでくると難しいですね。知らない事ってまだまだたくさんあります。日々勉強していきます。