医療事務で受付対応を行う人なら一度は経験する「処方箋の紛失」や「処方箋の期限切れ」です。
ぼくも多くの事例を目にしました。
高齢者が増えるに従ってこのような相談も増えてきます。これからの超高齢化社会を考えると、今後も増えていくでしょう。
門前薬局や残薬管理など調剤薬局の業務も増える一方です。それに伴う費用も考えていかないといけないんですけどね。診療報酬改定の効果が出てくるのは時間が必要です。
今日は患者さんから「処方箋を無くした」とか「期限が切れた」など連絡があった時の医療機関の対応方法について書いておきます。
患者さんから処方の相談は主に3つの可能性があります。
患者さんにとっては処方箋に関する問い合わせは大きく分けて3つあります。
- 処方箋の期限が切れた
- 処方箋を紛失した
- 処方薬を紛失した
他にも処方された薬が違っていた。とか、足りない。なんてこともありますが…。
それは別に機会に書きます。
ぼくの個人的な感覚だと「薬がない!困った!!」と言ってくる患者さんは混乱していますので、まずは冷静になってもらうことが大事です。
そして処方箋を紛失したのか、処方薬を紛失したのか確認する必要があります。
なんにせよ、患者さんは困っているので優しく対応してあげましょう。
それぞれのパターンを書いておきます。
処方箋には使用期限があります。発行日から4日です。
処方箋の有効期限が切れた場合はそんなに難しい問題ではありません。
毎日をバタバタ忙しくしていると気がついたら失効していた!なんてことはあります。
まずは大前提。
医療機関から発行される処方箋には使用期限があります。交付日を含めて4日間になります。月曜日に発行されたら木曜日まで。金曜日に発行されたら月曜日まで。
大事なことなのでもう一度書いておきます。
医療機関から発行される処方箋の使用期限は4日間です。
なので、患者さんは医療機関から処方箋を発行されたら4日以内に調剤薬局へ行って処方してもらう必要があります。
厚労省のサイトにもしっかりと書いてあります。
患者さんが4日を過ぎた処方箋を持っていると相談があったら
患者さんの中には4日間の使用期限を過ぎてしまう人もいます。
そんな時はどうしたらいいのでしょうか?
交付日から4日を過ぎた処方箋を調剤薬局に持っていってもそのままでは処方をすることはできません。ルールですからね。
でもこの場合は大丈夫。
有効期限が切れても医師が認めれば期限延長が可能です。
なんにせよ。
患者さんからどうしよう!!困った!!と相談があるときは回答してあげましょう。
場合によっては病院に相談するよりも調剤薬局へ行ったほうスムーズに行く場合もあります。調剤薬局の手間は増えますが調剤薬局から延長の依頼があれば基本的にはOKとなります。
処方箋を紛失してしまった時の対応方法
処方箋を紛失したときは病院で再発行をする必要がありますが、医療事務としては保険分として処方箋料をいただくことは難しいですよね。
レセプトで説明ができなくなります。
病院では2回の処方箋を算定しているのに調剤では1回分の処方しかしていない。病院は不正請求をしている。なんて思われる可能性も否定できません。
なので、再発行は自費にて患者さんから処方箋料をいただく必要があります。
自費なので病院によって金額はまちまちなので、働いている病院でどんな対応をしているか確認しておく必要がありますね。
ぼくが働いている病院では処方箋料の10円倍にしています。約700円!高い!!
処方箋の料金は自費になりますが、処方薬については薬が手元にくる前なので保険請求でOKとなります。
処方薬を紛失してしまった
これは患者さんの負担分も大きな負担になります。
処方薬をもらってから紛失した場合。薬剤の金額も支払済なので再度保険を使うことは難しいです。
処方箋料+薬剤料の両方が自費となります。高い!!
調剤薬局でも同じ薬を何回も処方していたらレセプトで説明ができませんので、自費での対応となります。残薬管理の側面から見ても難しいところ。
定期的な薬を自己判断で中止するのは医療の観点からも望ましくないので、紛失には注意していきたいですね。
本日のまとめ。
高齢化社会になるに連れて年々増える処方箋や処方薬の紛失ですが解決策はあまりありません。気をつけて!!なんて言っても紛失してしまいますからね。
診療報酬がもっと進化して処方せんの電子化が進めばいいのかもしれません。
厚労省もガイドラインなんて出していますが普及する様子はありません。
医療機関で働いている僕らなら普及しない理由ははっきりしていますね。導入するまでのハードの整備が面倒だし、運用に対するメリットが少ないからです。
電子処方せんが普及すれば処方箋の延長問題と紛失問題は解決します。
患者さんにも医療機関にもいい方法が見つかるといいですね。