リウマチ科の医師が交代になりました。
新しい医師が着任すると医療事務は病院内のルール(電子カルテなどの入力方法・外来診療の流れなど)を説明する必要があります。
医師が変わると診療内容も変更になります。
処方する薬剤もパターンが変更になるので医事会計システムのマスタを修正したりする必要もあります。
前任のリウマチ科医師は年配の方で治療方法も基本的にはみんな同じでした。
それで良いのかどうかはおいといて、医療事務的には外来診療費の計算もレセプト算定も最初さえ覚えてしまえば比較的簡単でした。
しかし、今回やってきた医師は大学病院でもバリバリの現役です。最新の医療を身につけています。
そんなリウマチ科の医師が変更になって在宅自己注射指導管理料のエンブレルで失敗してしまったことを書いておきたいと思います。
エンブレルの算定方法。外来診療での皮下注射+投薬。在宅自己注射指導管理料について
起こった出来事を紹介します。
働いている病院では在宅自己注射指導管理料の算定をしている患者さんのほとんどが
- 骨粗鬆症の患者さんに対するフォルテオ注射
- 糖尿病の患者さんへのランタス等のインスリン注射
でした。
在宅自己注射管理料を算定する患者さんが院内で皮下注射を実施することはありませんでした。ここが驕りとなって失敗してしまいました。
新任のリウマチ科医師は最初に院内で皮下注射を実施していました。そうすると在宅自己注射指導管理料の算定はできませんね。
漏れてしまいました。
医事課スタッフも看護師もいつも通りの慣れたやり方でOKと思ってしまいました。
なので、エンブレルを算定するには2つの方法があります。
- 注射料(皮下)+薬剤料(エンブレル)
- 在宅自己注射指導管理料
エンブレルは院内で実施すると3割負担だとそれなりに高額になります。
同月内に併算定はできないので患者さんに間違いをお詫びして返金しました。
医療事務のスタッフには算定の知識にも差があるのは仕方ないことです。
今回の場合は
- 10日:注射料(皮下)+薬剤料(エンブレル)
- 30日:在宅自己注射スタート
となっていました。
診療費を計算したスタッフは外来から届いたコスト通りにお会計を出してしまったのです。
医事会計システムでも同月内にエンブレルと在宅自己注射指導管理料は一緒に算定することができてしまうんですよね。
こればっかりはシステムでエラー対応するのではなく医事課スタッフの腕の見せ所でした。
患者さんには翌月になってお詫びと多くいただいた金額の精算を行いました。
医師が変更になると医療事務員は大変です。
リウマチ科に限らず医師が変更になると外来診療費を計算する医療事務員は大変ですね。
ぼくの働いている病院ではリウマチ科や皮膚科や糖尿病科は専門外来として週1回〜2回の診療になります。
患者数も少ないので必然的に外来診療費を計算する回数も少なくなります。=つまり医事課スタッフが慣れるのに時間が必要になります。
治療方針は同じでも治療方法は違いますからね。
そこに新しい医師がくると検査方法も違うし処方の種類も違うしと、診療方法が全然違うのです。リウマチを治療していくと言う目的はもちろん同じです。
でも、医師によってアプローチが全然違うので勉強が必要となってきます。
新しい医師がくるのは良いことなんですけどね。
本日のまとめ
今回の間違いは診療点数早見表を読み込んで在宅自己注と院内注射+投薬を同月内に行うのはおかしい!間違いだ!!と気がつけばよかったです。
しかし外来診療費の計算を行ったスタッフも気がつかないし、レセプト点検したスタッフも気がつかないダブルパンチでした。悲しい。
患者さんにも迷惑をかけて後日精算をする事になってしまいました。
間違えるという事は良い事が無いですね。何か新しい方法が導入されるときは慎重になりすぎるくらいで丁度良いと実感しました。
在宅自己注射指導管理料を算定している患者さんに対しての投薬に注意してくださいね。