リハビリテーションには「OT」「PT」「ST」などの種類があります。
医療事務として働くにはそれぞれの違いについて詳しくなる必要はありませんが、大まかな違いについては知っておいた方がいいでしょう。
受付で患者さんと会話する時に「OT・PT・ST」と専門用語を使用しても伝わらないので丁寧に説明できるとより良いですよね。
今日は医療事務でも知っておきたいリハビリテーションのOT・PT・STとは?と言うタイトルで書いておきたいと思います。
リハビリの算定や病名については以下の記事に書きましたので合わせどうぞ!!
OT PT ST の意味。リハビリテーションの略語です。
医療現場で働いているとよく耳にするOT PT ST の意味ですが、これはリハビリテーションの略語です。
- OT(Occupational therapist)作業療法士
- PT(Physical therapy)理学療法士
- ST(Speech-Language-Hearing Therapist)言語聴覚士
それぞれの頭文字を取ってOT PT STと言っているのですね。
それではOT PT STの違いはなんなのでしょうか?
リハビリテーションのスタッフであることは間違いないのですが行っていることはそれぞれ違います。
ひとつひとつ説明していきます。
OTとは作業療法の意味です。
OT:Occupational therapistの略になります。
日常生活の基本的な機能を回復するためのリハビリです。「手を動かす」「ご飯を食べる」「お風呂に入る」などです。
ぼくが働いている病院では脳卒中やパーキンソン病や認知症の患者さんが受診をしています。作業療法士は女性職員の比率が高いのも特徴ですね。ほかの病院も同じだと思います。
病院だけでなく介護老人保健施設でも大活躍です。患者さんと一緒に折り紙や塗り絵など細かい手を動かす作業を実施したりします。
PTとは理学療法の意味です。
PT:physical therapyの略になります。
骨折や筋肉系の疾患を回復させるためのリハビリです。患部を温めたり冷やしたり、電気刺激を与える物理療法も理学療法に含まれます。
ぼくが働いている病院ではスポーツリハビリの患者さんが多いです。骨折術後などですね。また理学療法士は男性職員が多いです。
理学療法士も病院だけでなく介護老人保健施設などでも大活躍です。多くのスタッフが働いています。
STとは言語聴覚療法の意味です。
ST:Speech-Language-Hearing Therapistの略になります。
こちらは名前の通りなので理解しやすいですね。言葉に関する疾患を回復させるためにおこなうリハビリになります。また食べる事に関する部分も含まれます。
ぼくが働いている病院ではあまり患者さんはおりません。STの人数もOT・PTと比べると半分以下です。
そもそもリハビリテーションとは?
リハビリテーションといってもいろいろな種類があります。病院で行うリハビリと介護施設で行うリハビリも同じリハビリです。脳梗塞後と骨折後の患者さんが行うのも同じリハビリです。
言葉は同じリハビリでが内容は違います。
当然ですね。患者さんの疾患が違うのに同じリハビリである必要はないです。
そもそもリハビリとはどんな意味なんでしょう?ウィキペディアによると以下の通りです。
リハビリテーション(英語: rehabilitation)とは、身体的、精神的、社会的に最も適した生活水準の達成を可能とすることによって、各人が自らの人生を変革していくことを目指し、且つ時間を限定した過程である
リハビリテーションの語源はラテン語で、re(再び)+ habilis(適した)、すなわち「再び適した状態になること」「本来あるべき状態への回復」などの意味を持つ。また、猿人と原人の中間に意味するホモ・ハビリス(homo habilis、「器用なヒト」)が、道具を使い人間にふさわしいという意味でも用いられ、適応、有能、役立つ、生きるなどの意味も含有し、リハビリテーションの語源ともいわれている。
なんかかっこいいですね。
リハビリテーションには本来の状態へ回復させると言う意味があるんです。
なので、疾患によって本来の状態に回復させる部位や方法などが異なりますので「OT・PT・ST」など多くの専門分野に細分化されて行きました。
また手術の前に状態を上げておく方法もあります。僕の働いている病院でもBKP(経皮的椎体形成術)などの手術前には術前リハビリテーションを実施しています。廃用予防。
医療事務なら知っておきたいリハビリの算定方法
リハビリテーションは多くの項目になっていてそれぞれ算定ルールも違うので注意が必要です。第7部 リハビリテーション第1節リハビリテーション料と言う項目です。
- H000 心大血管疾患リハビリテーション料
- H001 脳血管疾患等リハビリテーション料
- H001-2 廃用症候群リハビリテーション料
- H002 運動器リハビリテーション料
- H003 呼吸器リハビリテーション料
- H003-2 リハビリテーション総合計画評価料
- H003-3 リハビリテーション計画提供料
- H003-4 目標設定等支援・管理料
- H004 摂食機能療法(1日につき)
- H005 視能訓練(1日につき)
- H006 難病患者リハビリテーション料(1日につき)
- H007 障害児(者)リハビリテーション料(1単位)
- H007-2 がん患者リハビリテーション料(1単位)
- H007-3 認知症患者リハビリテーション料(1日につき)
- H007-4 リンパ浮腫複合的治療料
- H008 集団コミュニケーション療法料(1単位)
多いですね。全部を算定している病院はないでしょうね。ぼくが働いている病院では脳血管疾患等リハビリテーション・運動器リハビリテーションなど標準的?なものばかりです。
リハビリテーションには算定できる上限日数があったり、初期加算や早期加算なども加算もあります。そして要介護被保険者には対しては減算が必要だったりするのでしっかり勉強しましょう。
関連記事:運動器リハビリテーションの適応病名。消炎鎮痛処置は併算定不可!
そのほかのリハビリテーション職種について
どこまでをリハビリテーションと考えるかは定義よって違います。
WHO(世界保健機関)による定義から最近では地域包括ケアとリハビリテーションなんていうのもあります。
地域包括ケアとリハビリテーション:http://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-12601000-Seisakutoukatsukan-Sanjikanshitsu_Shakaihoshoutantou/0000059501.pdf
まぁ、ぼくは医療事務なので細かい話は専門家に任せるとして。ここでは広義になるリハビリテーションとして考えますと、医学的リハビリテーションはリハビリテーション専門医・リハビリテーション看護師・理学療法士・作業療法士・言語聴覚士・視能訓練士・臨床心理士・義肢装具士・臨床工学技士・柔道整復師・ソーシャルワーカーなど多数の職種になると考えられます。
リハビリテーションの意味「本来の状態へ回復」を考えると多くの職種がリハビリテーションと考えられますね。
関連記事:医療事務だけじゃない。未経験でもできる医療関連職業と仕事。
本日のまとめ
リハビリテーションには多くの職種がありとても深いものだと勉強になりました。医療事務のぼくにとっては全部を理解するには多くの時間が必要みたいです。きっと無理だな。
それでもリハビリテーションを行なっている医療機関で働いている身分としては自分の働いている病院で行われているリハビリの内容くらいは理解しておきたいですね。
今回勉強したことを踏まえてリハビリスタッフの作業内容を見学する事でリハビリの「OT・作業療法」「PT・理学療法」「ST・言語聴覚療法」について見分ける事ができるようになりました。
病院の中で働いているスタッフについてはまだまだ知らない事がたくさんあります。日々勉強していきます。