膝のオペの中でよく知られているのはTKA(人工膝関節形成術)でしょう。
整形外科の患者さんのカルテで「TKA」という文字はよく目にします。
高齢者になるの膝や肩や腰など間接部分に痛みを抱える患者さんは本当に多いですね。ぼくの母親も膝が痛いと言っていますのでいつかTKAを行うかもしれません。
しかし「UKA」は知りませんでした。整形外科のカルテで「UKA」と言う文字を見つけました。
この患者さんは膝に疾患を抱えており外来でフォローをしていた患者さんで手術前の検査も行っていました。
働いている病院で膝の手術は人工膝関節形成術(TKA)が圧倒的に多いです。今回も人工膝関節形成術(TKA)だろうと考えていたらカルテの中に記載が見つかりません。
人工膝関節形成術(TKA)の文字がカルテに無い。書いてあるのはUKAの文字です。
TKAとUKAで文字としては一文字だけ違うのですが手術の内容や算定方法などに大きな違いはあるのでしょうか?必要な病名はどんなものがあるのでしょうか?
今日はそんな膝の手術について書いておきます。
TKAやUKAで必要な病名
まずTKAやUKAで手術をした時に必要な病名は変形性膝関節症で問題ありません。
簡単に書くと膝が痛いから緩和するために人工関節にするためですので、膝痛でも通るかもしれません。要は膝が痛い!って病名であればOKです。
ぼくが働いている病院では8割以上が変形性膝関節症で算定していますが病名による返戻や査定になったことはありません。
手術を算定する時にやたら細かい病名をつける人がいますが、医療事務で必要なのではお金になるレセプトを作成することなので無駄なことは省いていったほうが効率アップしますね。
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TKAとUKAの違い。UKAとはどんな手術になるの?
インターネットで調べても確実な情報がなかったので整形外科担当の看護師に確認しました。
すると簡単に答えが出ました。
人工膝関節単顆(たんか)置換術=UKAだそうです。
以下、人工膝関節の広場からの抜粋です。
膝関節は、関節の内側と外側、そして前方にある膝蓋骨(膝のお皿)の3カ所で体重を支えています。関節のすり減りが「内側だけ」または「外側だけ」の場合に、「そこだけ」を人工関節で入れ替えをする方法が人工膝関単顆置換術UKAです。
ほとんどの場合、すり減りは「内側」に起こります。 それに対して人工膝関節全置換術TKAは、内側以外にも骨のすり減りや破壊が進んでいる場合に行われます。
たとえるなら「総入れ歯にするのがTKA、部分入れ歯がUKA」でしょうか。
関節の一部のみを手術するUKAは、膝への負担が非常に少なく(少侵襲)、回復も早く、自分の膝の感覚が生かせるため、優れた手術方法として世界的に拡大しています。
長い文章なので要約すると
- 最近増えている手術方法
- TKA(人工膝関節形成術)よりもメリットがある
となります。
働いている病院でも実施例が少なく知らなくても不思議ではありませんでした。
今回のようにカルテに新しい単語を発見した時は新しい手術や診察方法の可能性が高いですね。
算定方法はどうする?人工関節置換術で算定します。
UKA(人工膝関単顆置換術)とTKA(人工膝関節形成術)で算定する項目に違いはありません。どちらも人工関節置換術で算定が可能です。
人工関節置換術について診療点数早見表を確認しておきましょう。
K082 人工関節置換術
- 肩、股、膝 37,690点
- 胸鎖、肘、手 28,210点
- 肩鎖、指(手、足)15,970点
今回の場合は膝なので37690点が算定できます。
またこの手術にはK939画像等手術支援加算3が算定可能です。2000点の加算項目なので実施している場合は確実に算定したいですね。
また両膝を同日に手術した場合は2つ分の算定が可能です。
UKA(人工膝関単顆置換術)とTKA(人工膝関節形成術)では使用する材料が違ってきます。基本的には全部を交換するTKA(人工膝関節形成術)の方が高額になります。
材料については種類が多いので割愛しますが、告示1の材料価格基準058人工膝関節用材料の中から使用することになります。
まとめると
- K082 人工関節置換術
- K939画像等手術支援加算3
- 材料価格基準058人工膝関節用材料
これらが手術にかかる費用になります。
そのほか全身麻酔などもあります。
本日のまとめ
手術は難しいので書くことも複雑になりがちです。
なるべく簡単に書けるようにしていますがなかなか難しいです。
まとめておくと
- UKAは人工膝関単顆置換術
- TKAは人工膝関節形成術
- 最近はUKAが増えてきている。
- 必要な病名は変形性膝関節症
- 算定する術式は同じK082人工関節置換術
- K939画像等手術支援加算3が算定できる
- 手術材料は全部を交換するTKAが高額になる
こんな感じです。