大腸検査に新しい方法が可能になりました。大腸CT撮影です。
大腸CTは3DCTなんて言われています。ぼくの働いている法人にCTの新機種が導入されました。大腸CT撮影検査(3D-CT)可能なりました。最新機種です。
医療事務として医師が変更になったり新しい検査がスタートするタイミングで注意しなければならないのは算定方法です。
新しい機械が導入されれば新しい算定方法になります。
査定や返戻は医療事務にとって防がなくてはなりませんからね。なので、算定やレセプト点検の注意事項について勉強しましたので書いておきます。
大腸CT撮影検査(3D-CT)。大腸CT撮影加算。最初に本日の要点。
最近は最初に結論を書いています。時間がない人は結論だけどうぞ。
- 大腸CT撮影加算はCT検査の加算項目
- イ又はロの施設でないと算定できません。
- 1.5次検診的な扱い。
- それでも内視鏡が必要。
- 他の検査で大腸がんが疑われる患者が対象なので確定患者には算定不可
これだけ覚えておけば大丈夫です。
では以下は細かく書いて行きます。
そもそも大腸CT撮影検査(3D-CT)なんだ?
大腸CT検査とは、内視鏡を使わない新しい大腸検査です。大腸を炭酸ガスによって拡張させ、新型のマルチスライスCT装置を用いて撮影することで大腸3次元画像を簡単に得ることができます。内視鏡検査と比較して苦痛が少ないと言われ、短時間で検査することが可能です。
大腸内視鏡でお尻を見せる必要もありません。恥ずかしくないですね。
ぼくは大腸内視鏡検査を行なったことがあります。お尻を看護師さんに見せるので恥ずかしいです。
医療事務として知っておくべきこと。算定要件。イ又はロの施設でないと算定できません。
これ大事なポイントです。大腸CT撮影検査(3D-CT)はCT検査の加算項目になります。調べるにはCTの項目を確認する必要があります。
CTは算定するために導入している機械で点数が違います。いい機械を導入している病院ほど高得点を算定できます。
この大腸CT撮影検査(3D-CT)も「イ」又は「ロ」の施設でないと算定できません。
- 「イ」64列以上のマルチスライス型の機器による場合
- 「ロ」16列以上64列未満のマルチスライス型の機器による場合
つまり16列未満の機械を導入している病院では算定ができません。16列以下のCT機械では算定がでいません。
CTがある病院なら全部の病院で大腸CTの検査ができるわけじゃないので要注意ですね。
メリットもたくさんあるけどまだまだ1.5次検診的な扱い。
内視鏡をしないので大量の下剤が不要だったり、内視鏡に比べ短時間でOKなどメリットもありますが、「撮影なので病変の色や固さが不明」「組織の採取ができないため、異常時は大腸内視鏡を受けることが必要」などデメリットもあります。
なので、大腸CT撮影検査(3D-CT)の精度については直接確認する内視鏡検査の方がまだまだ軍配があります。
今後は画像診断のAIがどんどん優れて行くのでわからないですけどね。今のところは直視できる内視鏡検査が優っています。
NHKでは盛り上がって過大に書いているような気もしますけど
大腸がんの新しい検査 大腸内視鏡を使わずに腫瘍を発見! NHK健康ch
他の検査で大腸がんが疑われる患者が対象なので確定患者には算定不可
病名が確定している患者さんには算定できません。算定時は必ず病名を確認しましょう。必ず「大腸がんの疑い」病名が必要です。
最後に診療点数早見表を確認しておきましょう。CT撮影の加算項目になります。
7 CT撮影のイ又はロについて、別に厚生労働大臣が定める施設基準を満たす保険医療機関において、大腸のCT撮影(炭酸ガス等の注入を含む。)を行った場合は、大腸CT撮影加算として、それぞれ620点又は500点を所定点数に加算する。 この場合において、造影剤注入手技料及び麻酔料(区分番号L008に掲げるマスク又は気管内挿管による閉鎖循環式全身麻酔を除く。)は、所定点数に含まれるものとする。
次は詳細部分です。
(10) 「注7」に規定する大腸CT撮影加算
ア 他の検査で大腸悪性腫瘍が疑われる患者に対して、「1」の「イ」又は「ロ」として届出を行っている機器を使用し、大腸のCT撮影を行った場合に算定する。
なお、当該撮影は、直腸用チューブを用いて、二酸化炭素を注入し下部消化管をCT 撮影した上で三次元画像処理を行うものであり、大腸CT撮影に係る「注3」の加算、 造影剤注入手技料及び麻酔料(区分番号「L008」に掲げるマスク又は気管内挿管に よる閉鎖循環式全身麻酔を除く。)は、所定点数に含まれるものとする。
イ アとは別に、転移巣の検索や他の部位の検査等の目的で、静脈内注射、点滴注射等に より造影剤使用撮影を同時に行った場合には、「注3」の加算を別に算定できる。
本日のまとめ
いろいろ難しく書いてありますが、大事なポイントは
- 大腸CT撮影加算はCT撮影検査の加算
- CT撮影のイ又はロの施設でないと算定できません
- まだまだ1.5次検診的な扱いで詳細は大腸内視鏡が必要。
- 他の検査で大腸がんが疑われる患者が対象なので確定患者には算定不可
こんな感じです。
他の検査で大腸癌が疑われる患者に対し使用できるものなのでいきなり検査をすることはできません。
健康診断や通常のCT検査を行なった患者さんが使用することになります。