診療費を計算をする時にギプスの考え方が担当者によって違うのは病院として問題です。
Aさんは半肢と考えていたのに、Bさんは一肢になる。なんてことが無いように医事課として共通認識をもっておくことは大事ですね。
そしてギプスは大きさによって点数が変わりますので患者さんの負担も大きく変わってきます。
なので、今日はレセプト点検中に発見したギプスの範囲について書いておきます。ギプスの半肢とは?上肢・下肢の範囲について復習してみました。四肢とは?
本日の要点。ギプスの半肢とは?上肢・下肢の範囲について。
最初に結論から書いておきます。
四肢とか半肢とか上肢とか下肢とかいろいろと難しい言葉が出てくるので混乱しそうですが、なれてしまえば大丈夫。怖くない。
- 半肢と上肢の違いは肘をこえているかで判断する
- 半肢と下肢の違いは膝をこえているがで判断する
ポイントは「肘」と「膝」です。
ここを超えてギプスをしていたら上肢・下肢の算定をしてOKです。
あれこれと考えてこんでしまうと難しく感じますが、大事なポイントとしては肘と膝をこえているかどうかになります。
まずはギプスの算定範囲について
医療事務ならみんな大好きな診療点数早見表で確認しましょう。
ギプスは処置の区分になります。第9部処置第1節の中にあります。
四肢ギプス包帯
J122 四肢ギプス包帯
1 鼻ギプス 310点
2 手指及び手、足(片側) 490点
3 半肢(片側) 780点
4 内反足矯正ギプス包帯(片側)950点→ 1140点
5 上肢、下肢(片側) 1,200点
6 体幹から四肢にわたるギプス包帯(片側)1,700点→ 1840点
※2018年診療報酬改定で内反足矯正ギプス包帯(片側)と体幹から四肢にわたるギプス包帯(片側)が増点になりました。
ぼくが医療事務の勉強を始めたときに、困ったのが半肢と上肢・下肢の境界線はどこにあるんだろうってことです。
この中で不明なのは
【2手指及び手、足(片側) 490点】と【3(半肢(片側) 780点)】
【3半肢(片側) 780点】 と【5(上肢、下肢(片側) 1,200点】
の境界線になります。どこで判断したらいいの?
イラストで分かりやすい説明をしてみるよ。
イラストが気持ち悪い!と言われたのでいつか変更しようと思いますw
骨折をした時や疼痛が激しい時にギプスをしますね。
ぼくは医療事務の勉強スタートした時には「肘までギプスをした時はどっちで算定するの?」なんてバカみたいに悩んでしましたが、ギプスは肘の真ん中で固めることはないです。
どんな患者さんでも肘下か肘上まで分かれてギプスをします。
また疾患別でよくあるパターンとしては
- 肘関節骨折や橈骨(尺骨)近位端骨折なら肘上までギプスを行います。上肢。骨折部の固定を行う必要があるため
- 手関節骨折や橈骨(尺骨)遠位端骨折なら肘下までのギプスになります。半肢。肘関節を固定する必要はないため
あくまでよくあるパターンです。患者さんによっては手関節骨折でも肘上までもギプスをすることもあります。
半肢 肘下から手指まで
この写真のように手首から肘以下なら半肢です。下肢でも同じこと言えます。膝で判断します。
これも半肢 肘上から肩関節下まで。(基本的にはあり得ません)
上腕だけギプスをしたら半肢です。肘を超えたら上肢で算定します。
※基本的に上腕だけにギプスをすることはありません。
上肢 手指から肘関節以上
前腕と肘や上腕と肘以上にギプスをしたら上肢を算定できます。
下肢 足指から膝関節で決定します。
これも膝を超えているかで判断します。
医療事務として覚えておきたいポイント。本日のまとめ。
ギプスは病名と同じ大きさだとは限りません。病名が「橈骨遠位端骨折」(手首の骨折)でも肘までギプスをしていたら上肢を算定してOKです。
カルテや伝票が見づらくて勝手に病名から判断すると間違えて算定する可能性があります。実際にギプスを巻いたところまで算定しましょう。
また、ギプスの巻き直しにかかる費用は3回以上で過剰となります。ぼくの働いている病院では。なので1月に2回までの費用はしっかり請求していますが、3回目の請求については症状詳記を書いてもダメだったので請求していません。かなしい。
半肢なのか上肢なのかしっかり見極めて正しい請求ができるようにしっかり医事課全体で共通認識になるといいですね。