アテロームの処理。皮膚、皮下腫瘍摘出術と皮膚切開術の違いについて

アテローム K第10部 手術
この記事は約3分で読めます。

手術の術式ってなんでこんなに種類があるんでしょうね?

同じ手術で同じように算定したのに患者さんによって査定や返戻になる事もあります。

毎月のように社会保険支払基金から依頼される「手術記録」と「術後のX-P」と「症状詳記」は正直よくわかりません。

今日は皮膚、皮下腫瘍摘出術と皮膚切開術の違いについても理解できていなかったのでまとめてみました。

スポンサーリンク

前提条件。アテロームの処理をした患者さんの算定についてです。

コスト伝票にはアテローム処理と書いてありました。これはいったい何で算定するのが正しいのでしょうか?考えられるのは以下の4つです。

  1. K000 創傷処理
  2. K001 皮膚切開術
  3. K005 皮膚、皮下腫瘍摘出術(露出部)・K006 皮膚、皮下腫瘍摘出術(露出部以外)
  4. J000 創傷処置

他にも可能性はありますがこの辺が算定する可能性が多いです。

そもそも、アテロームってなんだ?

ではもう一つの条件としてある「アテローム」とはなんでしょうか?これは素直にググってみました。

アテローム(粉瘤・ふんりゅう、アテローマ)とは、一般的に“しぼうのかたまり”と呼ばれることがありますが、実は本当の脂肪の塊ではありません。 皮膚の下に袋状の構造物ができ、本来皮膚から剥げ落ちるはずの垢(角質)と皮膚の脂(皮脂)が、剥げ落ちずに袋の中にたまってしまってできた腫瘍の総称です。
アテローム(粉瘤) – 皮膚科Q&A(公益社団法人日本皮膚科学会)
https://www.dermatol.or.jp/qa/qa17/

皮膚、皮下腫瘍摘出術か皮膚切開術で算定しています。

アテロームだからと言って決まった術式があるのではないです。

日本皮膚科学会のHPにあるように「腫瘍の総称」なので算定するにも様々な術式が適応になる可能性があります。

僕の働いている病院では算定する院内ルールとして、アテロームに関するコスト伝票が入ってきたときは「皮膚、皮下腫瘍摘出術」か「皮膚切開術」で算定することになっています。

これの使い分けとしては以下の通りです。

皮膚、皮下腫瘍摘出術(露出部・露出部外)

アテローム自体を摘出した場合は皮膚、皮下腫瘍摘出術を算定しています。露出部と露出部外では点数に大きな違いがありますので注意してください。

皮膚切開術

反対にこっちは、アテローム自身は削除しないで腫瘍にメスを入れて「排膿」した場合に算定します。

病院ごとに算定ルールを作り込んでおくことは大事

算定って結構曖昧な部分が多々あります。

国保連合会と社会保険支払基金でも違います。場合によっては医師によって違うなんてこともあります。

病院としても共通のルールを作っておけば、経験の浅い新人さんでも計算業務ができるようになりますし、病院で統一した請求が可能になります。

一度ルールを決めちゃえばあとはそんなに難しいことではありません。

査定返戻が減ると良いですね。

創傷処理における真皮縫合加算について。算定部位や算定要件など。
創傷処理における真皮縫合加算って理解しているようで難しかったりします。真皮縫合加算はベテランでもミスしてしまう事があります。基本的な部分ですが大事なのでしっかり覚えておきましょう。なので今日は創傷処理における真皮縫合加算について書いておきます。
皮膚皮下腫瘍摘出術は病理組織標本作製が必須です。皮膚切開術との違い
「皮膚皮下腫瘍摘出術」と「皮膚切開術」との違いについて判断する方法について書いておきます。医療事務を始めたばかりの頃はどっちで算定したらいいのか悩むことが多かったです。解決策の一つとして医療事務的(レセプト診療報酬上は)には病理組織標本作製の有無で判断ができます。K006皮膚、皮下腫瘍摘出術を算定す...
外来管理加算の算定できない項目一覧。今月の査定。
外来管理加算は診療報酬の中でも基本的な項目の一つです。しかし基本であるが故に多くのルールがあります。外来管理「加算」なので再診料にかかる加算になります。初診料では算定できません。その他にも処置や手術を算定していたら算定ができません。なので、医療事務を始めたばかりの頃はよく混乱していました。外来管理加...