外科系手術を行う病院であれば自動縫合器加算は多く算定している項目ですね。ぼくの働いている病院でも多く算定しています。
この自動縫合器加算は点数も2500点と大きいです。
レセプト点検で見誤ってしまい2500点が査定になるとインパクトがあります。査定はイヤですよね。
確実に確認して算定やレセプト点検をする必要があります。
しかし自動縫合器加算が査定になったことがあります。悲しい。しかも!!3個分を算定していたので7500点です。75000円!!大きい!!!
なので、今日はそんな自動縫合器加算について勉強しました。
査定になるポイントをわかりやすいくまとめておきました。
間違えてしまうのは仕方ない。人間なので誰にだってミスはあります。大事なのはミスを繰り返さない方法を考えること。
これで2度と同じ査定はなくなるはずです。
自動縫合器加算が査定になる。算定方法についてまとめ。
まずは自動縫合器加算について勉強しておきましょう。みんな大好き診療点数早見表で確認しておきましょう。
KコードはK936です。点数は2,500点。高得点!!
K936 自動縫合器加算 2,500点
- 区分番号K488-4、K511、K513、K514からK514-6まで、K517、K522-3、K524-2、K524-3、K525、K529からK529-3まで、K531からK532-2まで、K552、K552-2、K645、K654-3、K655、K655-2、K655-4、K655-5、K656-2、K657、K657-2、K662、K662-2、K674、K674-2、K675の2からK675の5まで、K677、K677-2、K680、K684-2、K695の4からK695の7まで、K695-2の4からK695-2の6まで、K696、K697-4、K700からK700-3まで、K702からK703-2まで、K704、K705の2、K706、K709-2からK709-5まで、K711-2、K716からK716-6まで、K719からK719-3まで、K719-5、K732の2、K735、K735-3、K735-5、K739、K739-3、K740、K740-2、K779-3、K803からK803-3まで及びK817の3に掲げる手術に当たって、自動縫合器を使用した場合に算定する。
- 区分番号K552、K552-2、K554、K555、K557からK557-3まで、K560、K594の3及びK594の4のロに掲げる手術に当たって左心耳閉塞用クリップを使用した場合に算定する。
長すぎますね。全然わからないです。
でも大丈夫。簡単にわかるようにまとめておきます!
自動縫合器加算とは文字通り手術時における切創部の縫合を自動で行ってくれるものです。
細かい部分は医療事務なので割愛しますが、大事なのは手術時に縫合を自動で行うと算定できる項目ということになります。
使わない医師もいるのかもしれませんが、ぼくが知る限りではほとんどの医師が使用しています。
なので、
- 手術A 3個算定 7500点
- 手術B 1つも算定できない。
- 手術C 5個算定 12,500点
ということも多々あります。
今回もこの間違いをしてしまって7500点の査定になりました…。
まぁ単純な間違いです…。
自動縫合器加算は術式によって算定できる個数が違います。まとめておきます。手術一覧。
こうやってまとめておけばバッチリですね。これで同じ間違いはなくなるでしょう。
本当はレセプトチェックシステムに登録しました。そもそも最初から登録してあればこんな単純ミスなんかなくなるのにー!!くやしい。
自動縫合器加算が2個算定できる手術
以下の手術を算定した時には2個が算定可能です。
- K514-3 移植用肺採取術(死体)(両側)
- K514-5 移植用部分肺採取術(生体)
- K552 冠動脈、大動脈バイパス移植術
- K552-2 冠動脈、大動脈バイパス移植術(人工心肺を使用しないもの)
- K674 総胆管拡張症手術
- K674-2 腹腔鏡下総胆管拡張症手術
- K675の「2」 胆嚢悪性腫瘍手術 肝切除(亜区域切除以上)を伴うもの
- K675の「3」 胆嚢悪性腫瘍手術 肝切除(葉以上)を伴うもの
- K675の「4」 胆嚢悪性腫瘍手術 膵頭十二指腸切除を伴うもの
- K675の「5」 胆嚢悪性腫瘍手術 膵頭十二指腸切除及び肝切除(葉以上)を伴うもの
- K677 胆管悪性腫瘍手術
- K677-2 肝門部胆管悪性腫瘍手術
- K680 総胆管胃(腸)吻合術
- K684-2 腹腔鏡下胆道閉鎖症手術
- K696 肝内胆管(肝管)胃(腸)吻合術
- K705 膵嚢胞胃(腸)吻合術
- K706 膵管空腸吻合術
- K716-3 移植用部分小腸採取術
- K716-5 移植用部分小腸採取術(死体)
- K779-3 腹腔鏡下移植用腎採取術(生体)
自動縫合器加算が3個算定できる手術
以下の手術を算定した時には3個が算定可能です。
- K524-2 胸腔鏡下食道憩室切除術
- K654-3 腹腔鏡下胃局所切除術
- K655 胃切除術
- K662 胃腸吻合術(ブラウン吻合を含む。)
- K662-2 腹腔鏡下胃腸吻合術
- K695の「4」 肝切除術 1区域切除(外側区域切除を除く。)
- K695の「5」 肝切除術 2区域切除
- K695の「6」 肝切除術 3区域切除以上のもの
- K695の「7」 肝切除術 2区域切除以上であって、血行再建を伴うもの
- K695-2の「4」腹腔鏡下肝切除術 1区域切除(外側区域切除を除く。)
- K695-2の「5」腹腔鏡下肝切除術 2区域切除
- K695-2の「6」腹腔鏡下肝切除術 3区域切除以上のもの
- K697-4
- K700-2 膵腫瘍摘出術
- K700-3 腹腔鏡下膵腫瘍摘出術
- K709-2
- K709-3
- K709-4
- K709-5
- K711-2 腹腔鏡下脾摘出術
- K732の「2」 人工肛門閉鎖術 腸管切除を伴うもの
- K739 直腸腫瘍摘出術(ポリープ摘出を含む。)
- K739-3 低侵襲経肛門的局所切除術(MITAS)
自動縫合器加算が4個算定できる手術
以下の手術を算定した時には4個が算定可能です。
- K488-4 胸腔鏡下試験切除術
- K522-3 食道空置バイパス作成術
- K525 食道切除再建術
- K529の「3」 食道悪性腫瘍手術(消化管再建手術を併施)腹部の操作によるもの
- K531 食道切除後2次的再建術
- K645
- K655-4 噴門側胃切除術
- K655-5 腹腔鏡下噴門側胃切除術
- K657-2 腹腔鏡下胃全摘術
- K700 膵中央切除術
- K702 膵体尾部腫瘍切除術
- K702-2 腹腔鏡下膵体尾部腫瘍切除術
- K703 膵頭部腫瘍切除術
- K703-2 腹腔鏡下膵頭十二指腸切除術
- K704 膵全摘術
- K716ー4 生体部分小腸移植術
- K716ー6 同種死体小腸移植術
- K719 結腸切除術
- K719-2 腹腔鏡下結腸切除術
- K719-3 腹腔鏡下結腸悪性腫瘍切除術
- K735 先天性巨大結腸症手術
- K735-3 腹腔鏡下先天性巨大結腸症手術
- K740 直腸切除・切断術
- K740-2 腹腔鏡下直腸切除・切断術
自動縫合器加算が5個算定できる手術
以下の手術を算定した時には5個が算定可能です。
- K655-2 腹腔鏡下胃切除術
- K657 胃全摘術 「3」を除く
- K803 膀胱悪性腫瘍手術
- K803-3 腹腔鏡下小切開膀胱悪性腫瘍手術
- K817の「3」尿道悪性腫瘍摘出術 尿路変更を行う場合
自動縫合器加算が6個算定できる手術
以下の手術を算定した時には6個が算定可能です。
- K511 肺切除術
- K513 胸腔鏡下肺切除術
- K514 肺悪性腫瘍手術
- K514ー2「1」 胸腔鏡下肺悪性腫瘍手術
- K514-4 同種死体肺移植術
- K514-6 生体部分肺移植術
- K716 小腸切除術
- K716-2 腹腔鏡下小腸切除術
- K656-2 噴門側胃切除術
自動縫合器加算が8個算定できる手術
以下の手術を算定した時には8個が算定可能です。
- K514-2の「2」胸腔鏡下肺悪性腫瘍手術 区域切除
- K514-2の「3」胸腔鏡下肺悪性腫瘍手術 肺葉切除又は1肺葉を超えるもの
- K529の「1」 食道悪性腫瘍手術(消化管再建手術を併施)頸部、胸部、腹部の操作によるもの
- K529の「2」 食道悪性腫瘍手術(消化管再建手術を併施)胸部、腹部の操作によるもの
- K529-2 胸腔鏡下食道悪性腫瘍手術
- K529-3 縦隔鏡下食道悪性腫瘍手術
- K735-5 腸管延長術
自動縫合器加算が1個算定できる手術(左心耳閉塞用クリップを使用した場合)
以下の手術を算定した時には1個が算定可能です。
左心耳閉塞用クリップを使用した場合なので要注意ですね。
- K552 冠動脈、大動脈バイパス移植術
- K552-2 冠動脈、大動脈バイパス移植術(人工心肺を使用しないもの)
- K554 弁形成術
- K555 弁置換術
- K557 大動脈弁上狭窄手術
- K557-2 大動脈弁下狭窄切除術(線維性、筋肥厚性を含む。)
- K557-3 弁輪拡大術を伴う大動脈弁置換術
- K560 大動脈瘤切除術(吻合又は移植を含む。)
- K594の「3」不整脈手術 メイズ手術
本日のまとめ
多くの手術で自動縫合器加算が算定できますがそれぞれ個数が違ったりするので注意が必要です。
また自動吻合器加算というものもあります。似ているけど違うものなので要注意ですね。
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