地域包括ケア病棟は多くの項目が包括されているので検査を行っても注射を行っても料金や点数変更することはありません。
しかし、一部の項目については出来高で算定することが可能です。地域包括ケア病棟では手術や麻酔の項目は算定できます。
インターネットで「地域包括ケア病棟」を検索してみても手術を実施している病院はあまりありません。
これにはいくつか理由がありますね。
ぼくは個人的には地域包括ケア病棟でも手術や麻酔の算定をしてもいいと考えています。もちろんどんな手術もやって良いか言えばNOです。
算定するにあたって地域包括ケア病棟で実施したほうが高得点になる手術もありますね。って話です。
今日は地域包括ケア病棟で手術や麻酔を算定するために考えたことを書いておきます。
地域包括ケア病棟入院料を算定していても手術や麻酔は算定することができます。
地域包括ケア病棟は特殊な病棟です。2025年問題を解決するために地域包括ケアシステムという厚労省が考え出した方法を担う病棟ですからね。
まぁ、診療報酬自体が厚労省と言うか政府の意見が根強く反映されるものですからね。
地域包括ケア病棟では手術や麻酔の算定ができます。
診療点数早見表にも書いてありますので確認しておきましょう。
6 診療に係る費用(注3から注5までに規定する加算、第2節に規定する臨床研修病院入院診療加算、在宅患者緊急入院診療加算、医師事務作業補助体制加算( 一般病棟に限る。)、地域加算、離島加算、医療安全対策加算、感染防止対策加算、患者サポート体制充実加算、データ提出加算、退院支援加算(1のイに限る。) 及び認知症ケア加算、第2章第2部在宅医療、区分番号H004に掲げる摂食機 能療法、区分番号J038に掲げる人工腎臓、第10部手術、第11部麻酔並びに別に厚生労働大臣が定める除外薬剤・注射薬の費用を除く。)は、地域包括ケア病棟入院料1、地域包括ケア入院医療管理料1、地域包括ケア病棟入院料2又は地 域包括ケア入院医療管理料2に含まれるものとする。
あいかわらず点数本は長い文章ですね。読解力が試されます。ぼくはいつもヒーヒー言いながら読み込んでいますw
上記の中いに書いてある項目については算定が可能となります。
手術や麻酔を実施する病院が増えない理由について。
地域包括ケア病棟入院料は高得点です。それに加えて手術や麻酔の点数も算定できるのだから病院としてはウハウハじゃない?なんて考えることができますが増えないのはなぜでしょうか。
これは手術と麻酔が算定可能だとしても術前術後の検査や投薬は算定が不可能だからです。入院をして手術を行う患者さんは前後に検査や投薬も多く必要になりますからね。
術前術後の検査や投薬が算定ができないのであれば、わざわざ地域包括ケア病棟で手術をやる必要がないと判断する病院があるのも当然です。経営的判断。
特に外科や消化器系(大腸や胃など)の手術の場合は地域包括ケア病棟で手術を行っても意味がない可能性があります。地域包括ケア病棟では向いていません。
大腸や胃の手術ではCTなどの画像診断や内視鏡など術前術後に多くの検査を実施します。その分の検査費用が算定ができないと一般病棟・急性期病棟で実施したほうが良いです。
しかし、手術の前後に検査や投薬をそこまで必要としない簡単な?手術もあります。
地域包括ケア病棟で算定してもいい手術を考えてみました。
これは病院の規模や医師によっても大きく変わってくるので一概には言えませんが、骨折などの整形外科の手術は算定可能ではないかと考えます。
術前の検査。レントゲンやCT・MRIは外来で実施すれば診療点数に大きな影響はありません。
点滴などの薬剤もそこまで高点数なものはあまり使用しません。術後のリハビリは算定できませんので難しいところですが、最近の整形外科の手術は入院期間が短いですからね。
外来が算定することが可能ですね。
具体的なものは書けませんが、入院日数や実施する検査や投薬でいろいろ比較した結果、簡単な手術の場合は地域包括ケア病棟で算定したほうが高得点になるケースが多いです。
ぼくが働いている病院であれば大病院で実施するような高度な手術は実施されませんので、地域包括ケア病棟を算定している病院は同じような試算になるのではないでしょうか。
一般病棟で簡単な手術(2泊3日で退院する場合など)を複数のサンプルを抽出して比較しました。
すると8割以上で地域包括ケア病棟で実施したほうが高点数になりました。思っている以上に地域包括ケア病棟で算定したほうが良いとなってびっくりです。
今後は看護部などと実際に病棟が変わっても手術を実施できるか検討していきます
病院としては同じ手術を実施するならより多い点数を算定した方が良いです。
問題点としては病棟が変われば看護師が変わります。
病棟ごとの受け持ちや業務フローもあります。地域方ケア病棟が高い点数を算定できるからといってすぐ実施しよう!みたいにはできません。
なので、今後は高得点になるケースを精査して「どのケースであれば地域包括ケア病棟で実施したほうがいいのか」を判断していきます。
その結果で「地域包括ケア病棟で実施することは可能か」を看護部と協議していきます。
病院の収益が増えていくと良いですね。