急性期病棟が忙しい理由とその対応策について。算定方法も考えました。

急性期病棟が忙しい 医療事務の働き方
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急性期病棟は病院の稼ぎ頭です。急性期と言うくらいなので急いでおります。

そのためとても忙しい。

急性期病棟は昨今の診療報酬改定から入院日数の短縮が求められていますね。患者さんの入れ替わりが多ければ手術や検査の件数も必然的に増えていきます。

また、ベットコントロールやカルテ作成などの事務の負担も大きいです。

つまり急性期病棟は忙しいということになります。

ぼくも長いこと急性期病棟のレセプト請求の担当でしたがとても大変でした。急性期病棟では医療事務も忙しいです。

毎日のように手術は実施されます。入退院もあります。新しい患者さん情報をまとめたり時には未収金などの対応も必要でした。

なので、今日は急性期病棟が忙しい理由とその対応策について書いてみたいと思います。

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急性期病棟が忙しい理由。大変な理由はベッド回転率が高く毎日のように手術があるから。

急性期病棟は厚労省の施策からも縮小傾向にあります。(地域包括ケアシステム)

高齢者が増える中で200床程度の中規模病院が従来通りの経営では対応できないからです。

大学病院や3次救急病院など大きな病院に手術など大がかりな患者さんを集めてそれ以外は回復期などの病棟に移行させようとしています。

その施設として地域包括ケア病棟ができたりもしました。

クリニックなどは在宅を含めかかりつけ医としての機能が求められています。このあたりは地域医療構想について調べてみると詳しく書いてあります。

で、急性期病棟が忙しいのは患者数が多いからです。

ベッド回転数が他病棟とは大きく違います。

救急搬送のために常にあけておく必要もありますからね。

ほんの
ほんの

それなら医師や看護師。事務員の人数も増やせばいいじゃないか!!

なんてことを考えますが、現在の診療報酬では大幅に人員を増やすことはとても難しいです。下手に人数を増やせば利益も出ないで赤字になる可能性もあります。

そもそも募集しても人が集まらない現状もあります。どこの病院のホームページも常に人員募集をしていますよね。それくらい人材が必要です。

関連記事:医療事務を仕事にするという事。採用活動を行ったまとめ。

忙しいからと言って長時間残業をすればいいのか問題。残業時間の削減は急務です。

ぼくは医療事務なので医療事務の話を書いておきます。

急性期病棟はプレッシャーも大きいポジションですね。

患者数が多いので保険証の確認や会計も煩雑になります。手術や検査も多いので高額レセプトも増えます。

100万点のレセプトが査定返戻にならないように日々緊張しています。

そうするとどうしても仕事時間は増えていきます。単純に人数が多くて忙しいのにレセプト点検もしっかり確認しないといけない。

そんなに集中力は続きませんね。

ぼくの働いている病院では1病棟につき1人担当となっています。なので、現状の残業時間を減らすには2つの方法しかありません。

  1. ひとつひとつの作業をハイスピードでやる
  2. 優先順位の低い仕事はあきらめる

他の担当者へお願いをする。っていう方法もありますが、これは人員不足に悩まされている医事課では難しい選択肢になります。

ひとつひとつの作業をハイスピードで行うのは限度があります。

60分が必要である仕事を短縮して30分にするのは難しい。

医療事務である以上は正確性も必要です。30分に短縮した結果ミスだらけ。それじゃ意味がありません。

60分の仕事を50分にするために日々PDCAを回していく必要はありますがいきなり半分するのはちょっと難しい。

それでも、ぼくは残業反対派なので前担当者が長時間労働をしていようとも残業したくないです。同じ方法でやり続ける必要はどこにもありません。

しっかりと考えていけばどこかに解決策はあるはずです。それでも無理なら業務分担が間違っているんです。

働いている病院の急性期病棟での仕事内容は以下のようなものがあります。

  • 入退院数
  • 手術件数
  • コスト伝票入力件数
  • DPC入力
  • その他

1カ月単位と1日単位でタイムスケジュールを作成しました。1カ月の勤務時間はわかりやすく150時間(7.5時間×20日)で計算しました。

  • 入院(30分/件):伝票入力、紹介返事、病名入力
  • 退院(30分/件):伝票入力、DPC入力、請求書発行
  • 手術(30分/件):伝票入力、症状詳記、術誌、画像出力
  • 伝票(60分/日):薬剤、処置、注射、転床
  • その他(60分/日):電話、面接、資料作成、ファイリング

ざっくりですがこんな感じの仕事内容があります。

これを1カ月の必要件数に当てはめると自分が1ヶ月に必要な作業時間が把握できます。

  • 入院  30分×120件=60時間/月
  • 退院  30分×120件=60時間/月
  • 手術  30分×60件=30時間/月
  • 伝票  60分×20日=20時間/月
  • その他 60分×20日=20時間/月

合計190時間…。

毎月40時間も残業する必要があるの?

レセプト点検の時間はまだ入れてませんけどー!!

その他にも会議の時間とか諸々の時間も含まれていません!!!

ピーンチ!!!!!

ほんの
ほんの

これを減らしていくのが仕事ですね。月30時間+αもの残業時間が発生するのはいやだ。

上司は問題は把握しているけど解決方法は知らない。優先順位の低い仕事は諦める。

ぼくの場合は普通に仕事していれば最低でも40時間くらいの残業が必要なことがわかりました。悲しい。

この問題に対して上司は問題を把握しているのです。

どこの職場でも同じだと思いますが、問題を把握していますが大問題になっていないので蓋をしているだけです。見て見ぬ振り!!

そんな上司が動いてくれるのを待っていたら100歳になってしまいます。上司は上司てやらなくてはいけないことが山積みですからね。

なので現場で働いている僕たち自身が動いていく必要があります。

ほんの
ほんの

残業ありきの作業量を黙認している時点で能力ない上司だといわざるを得ませんが…。

そんな上司の下で働くか、上司を超えていくか、転職するかは自由です。

担当者の立場で言わせてもらえば不要が仕事って多い。効率化できる部分もたくさんあります。各病棟でやっていることを一括したりできます。みんなで同じことする必要はありません。

仕事の遅い人、できない人の特徴として

・全体の方向性に関係ない細かいことにこだわる
・現実的でない理想論を言う
・面倒なことには無関心を装う
・いつのまにか自分の役割を離脱

こんな感じです。

組織として行うので「誰にでもできるようにする」って言うのは大事なことです。

本日のまとめ

急性期病棟が忙しい理由とその対応策について書いてみました。

実際にぼくは急性期病棟に移動になったときは残業が多く苦労しましたが、優先順位の低い仕事は諦めました。だって全部はできませんから。残業はしたくないし。

そうしたらどうしても必要な仕事は浮き上がってきますし、やらなくていい仕事はサボっても何も言われませんでした。

それくらい惰性でなんとなくやっている仕事ってあるもんです。

あとは各病棟の事務員と打ち合わせをして集約できる部分は集約して各人の仕事の見直しをしました。クラークのパートさんにもできる部分は負担してもらい残業しないようにしました。

本当は上司が先頭で指揮を取るものですが100年待っても解決しないので各自でやるしかない。

算定方法も入力〜会計〜レセプト〜査定返戻まで各病棟スタッフと協議して効率よくしました。レセプトの部分についてはレセプトチェックシステムも多く活用を開始しました。

コンピューターがチェックしてくれる部分を人間がひとつひとつ手作業で目視で確認する必要はありませんからね。

関連記事:査定激減!レセプトチェックシステム導入効果。点検ソフト活用方法。

なんにせよ、急性期病棟は患者さんの入れ替わりが多く病院の中でも特に忙しい場所であることは間違いないです。

それでも腐って「大変だ!」「忙しい!!」「つらい!!!」と言うだけじゃ職場は変わりません。難しいことですけどね。

少しでも良い職場環境になるといいですね。