今日はちょっとしたニュースがあったので書いておきます。タイトルにもある通り認知症の患者さんがタクシー乗って行方不明になりました。
ぼくの働いている病院以外でも起こりうる話なので注意喚起です。医事課は病院の受付なので対策できる病院は行ってみてください。
この患者さんは1時間後に違う病院の受付で無事に保護されました。とりあえずゲガも無く無事だったのがせめてもの幸いです。
認知症の患者さんの中には一見では通常の高齢者と違いがわからない人も多いです。一人で歩けるし会話もできる(ように感じる)
それでは詳細を書いておきます。
家族が車で受診の送迎をしてエントランスで降ろしてベンチに一人で座らせたことが問題のきっかけ
病院にはエントランスと言うか車寄せみたいなところがあります。乗車場。
言い方はたくさんあると思います。多くの患者さんがここで患者さんを乗降させます。今回の事件もそのようにして発生しました。
この車寄せで患者さんを降ろしてベンチに座らせて家族は駐車場に車を入れに行きました。
駐車して病院に戻ろうとしたら、ベンチに座って待っているはずの認知症の患者さんがタクシーに乗り込む姿が見えました。
あわててタクシーを止めようとしましたがすでに時遅し。タクシーは行ってしまったと言う話です。
- 家族が送迎して患者さんを病院に連れて行った
- 車寄せで認知症患者さんを降ろしてベンチで座らせて待つように言った
- 家族は駐車場に車を停めに行った
- 病院に戻る途中に認知症患者さんがタクシーに乗り込んでいた
- 追いかけるが間に合わずタクシーは行ってしまった
- 病院に慌てて申し出があった
こんな感じです
病院で行なった対応。警察、タクシー会社、患者さんが行きそうなところへ連絡。
病院としては受付で患者さんの家族が顔面蒼白で助けを求めてきたのでできる限り助けるしかありません。
患者さんの家族もパニック状態でどうしたらいいのかわからない状態でした。
警察に電話して状況説明を行う
まずは警察。これ大事。
患者さんが行方不明になった以上は警察に連絡です。万が一それ以上の事件になる可能性もありましたからね。
- 患者さんの名前
- 生年月日
- 当日の服装
- 認知度
などなど捜索のヒントになりそうな情報を提供しました。
警察の動きはとても素早くて電話連絡後すぐに病院にきてくれました。その頃には患者さんの家族も落ち着きを取り戻していたので状況説明をしていました。
タクシー会社に連絡して足取りを追う
次に行なったのはタクシー会社に連絡です。
病院によく来ているタクシー会社のほか市内近郊のタクシー会社にも事情を説明して足取りを追いました。
患者さんの家族の証言によると個人タクシーの可能性もあったので個人タクシー協会みたいなところにも連絡をしました。
認知症の患者さんはお金を持っていないので降車時にトラブルになることは確実でしたからね。その時に余計なトラブルを避けるためにもタクシー会社に連絡です。
患者さんが行きそうなところに事前連絡
家族からヒアリングして患者さんがタクシーの運転手に伝えそうな場所に手当たり次第連絡を入れました。
- よく行くスーパー
- デイサービス先
- 他の病院
- 兄弟の住居
これは可能性は薄かったですが念のため。患者さんの認知度や普段の会話から推測しました。
駅などに行かれたらもうお手上げ。わからない。と言うことでこのあたりは警察に任せることにしました。
病院の防犯カメラはどうなっていたの?→確認できませんでした。
ぼくの働いている病院では防犯カメラは入口から受付に向けてのアングルでした。車寄せにはカメラを配備していません。駐車場にはあったのですけどね。
ここにもカメラがあればタクシー会社の特定ができたので発見もスムーズたったのですけどね。
病院近隣の店舗に防犯カメラはありますが、行方不明になっただけでは防犯カメラの開示はできないそうです。理由はよくわかりません。
事件があってからじゃ遅いんですけどね。これも警察に任せることにしました。
本日のまとめ
結果はタクシー会社から連絡があり発見にいたりました。
本人は認知症なので反省の色はありませんでした。むしろ「タクシーの乗り心地が悪い」と文句を言っていました。
今後も認知症の高齢者が増えます。
同じような事件が起こらないとは限りませんからね。
できる限りの対応は考えておく必要があります。