完全に消えた!!妊婦加算を忘れないようにしよう。2020年の診療報酬改定。

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2020年診療報酬改定について勉強はしているところです。

新しい項目や変更項目もたくさんある中でぼくは妊婦加算に注目していました。

妊婦加算とは名前の通り妊婦が受診をした時に加算をする項目です。これは2018年度の診療報酬改定時に導入されたもので、そもそもの目的は妊婦の外来診療に対応する医療機関を増やすことでしたが結果として直接関係のない診療で算定するといった不適切事例が問題になり凍結されました。

ネット上でも、ただでさえ子供が少ない少子高齢化で若い世代は賃金も上昇しないのに妊娠したらさらに高いお金を払わなくちゃいけないのか!と炎上した算定方法です。

ぼくは医療事務ブロガーとしてこの案件は厚労省が悪いと考えている派です。

そもそもの目的が妊婦さんを受け入れる医療機関を増やすこと。の解決策が妊娠している患者さんから加算を取ろうというなのであれば笑うしかありません。

誰が考えて結論を出したのか分かりませんが。

そして2020年度診療報酬改定でも解決策を見つけられなかったのは事実です。個人的にはしっかりとした解決策を導き復活させるべきだったと思います。

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妊婦加算の何が悪かったのでしょうか?

妊婦加算の趣旨としては

妊婦の外来診療については、

  1. 胎児への影響に注意して薬を選択するなど、妊娠の継続や胎児に配慮した診療が必要であること
  2. 妊婦にとって頻度の高い合併症や、診断が困難な疾患を念頭に置いた診療が必要であること

などの特性があることから、妊娠の継続や胎児に配慮した適切な診療を評価する観点から、妊婦加算を新設しました。

これは中医協総会の発表資料にもあります。https://www.mhlw.go.jp/content/12404000/000460129.pdf

妊婦加算の趣旨

ここで問題になったのは妊婦に直接負担を強いたからです。

本来であれば妊婦に対してより丁寧な診療を心がけることにより不安を取り除くなどを評価をしている項目だったのにも関わらず、実際の医療機関では妊婦が受診されたらより高得点を算定できるとしてしまったからです。

ほんのが考える妊婦加算の解決方法。

今回の妊婦加算の趣旨は賛成できるものです。

しかしその方法がいけなかった。この少子高齢化の時代で共働きも増える時代背景を読み間違えたものでした。

この算定方法が採用された背景は選挙やらの政治的要因があったとは思います。高齢者の負担を増やすこと(=高齢者の反感を買う)は今の日本において選挙で負けを意味しています。

それでも正しい認識を持って子供を増やさないと未来は危ないよ!と考えるのであれば、妊婦さんから直接加算をとるのではなくて全員から広く加算を取る方法が正解であったのでしょう。

そのための労力を惜しんだ結果が今回の妊婦加算です。

母子手帳に公費的な意味合いを持たせる。診療報酬改定率に特別枠を持たせる。なんて方法もあったはずです。妊婦加算による社会保障費なんて改定率をちょっとプラスにすれば補える数字です。

そのためには各部署に多大な説明をして調整をする手間があるのはわかりますけど。

全員でちょっとだけ負担して妊婦さんを助けて少子化を防いでいこう。妊婦さんを大事にしよう。若い世代には子供を産んでもらおう

みたいな前向きなメッセージ性があった方が良かったと思います。

2022年の診療報酬改定で妊婦加算の再開はあるのか。

たぶん無いでしょう。現在の診療報酬改定を考えるチームにそんな余力があるとは思えません。このまま何事もなかったかのように2022年診療報酬改定を迎えると考えています。

本当はしっかりと議論をして進めて欲しいですけどね。

妊婦加算は誰のための制度なのか。どんな方法が正解なのか。時代を読み解く能力が乏しいですが頑張って欲しいです。

本日のまとめ

診療報酬改定の資料を読み込んでいたら書いておきたくなって書いてしまいました。今回の改定には全く関係ない部分になります。

妊婦加算は2018年4月から算定開始となり2019年1月で凍結されて現在も凍結されている状況です。

これから医療事務を目指す人にとっては全く知ることもない算定項目。

今後にも個人的には注目していきたい項目になります。