今日は創傷処理における麻酔の必要性について書いておきます。
そもそも創傷処理とは、切・刺・割創又は挫創に対して切除、結紮又は縫合(ステープラーによる縫合を含む。)を行う場合のことを言います。
結構幅が広い算定方法になり外科で多く算定する項目です。
今月のレセプト点検はいかがでしたか?ぼくはいろいろと他業務も重なりボリュームが多かったです。つかれたー。
来月も計画的に準備をして早く帰ろうと思います。ダラダラやる意味はありませんからね。
創傷処理は簡単なようで苦手意識がある人も多いのではないでしょうか。似ている言葉で創傷処置なんていうものもあります。
- 創傷処理:手術の診療区分
- 創傷処置:処置の診療区分
難しいですね。
でも大丈夫!この記事を読んでおきましょう。
ひとつひとつ書いておきます。創傷処理と麻酔の関係性についてです。
創傷処理における麻酔(キシロカイン等)は必須
創傷処理など手術の区分を算定するにはキシロカイン等の麻酔が必須になります。
まずがこれが前提条件。創傷処理を算定するには麻酔と一緒に算定するのが大事なポイントになります。レセプトで査定になります。
創傷処理は切・刺・割創又は挫創に対して切除、結紮又は縫合を行う場合のことを言いますので、麻酔をしないで行うには痛いです。考えただけで痛い。*1
当然ですね。怪我した部位を切除、結紮又は縫合するので麻酔は必要です。
何度も査定になっている重要項目の一つでした。
なのに!今回のレセプト点検でも麻酔なし創傷処理を算定しているレセプトがありました…。あれだけ勉強会で言ったのにー。くやしい。
もちろんこのままでは査定です。教育指導をする立場としては悲しいミスでした。
麻酔なし(キシロカイン等)で創傷処理を算定していた理由を担当者に確認したよ
出来事には必ず発生した理由がある!!
ミスや失敗をしてしまうのには個人の責任ではなくシステムが悪いと考えています。個人の能力に頼った方法では同じようなミスが発生してしまいますからね。
原因と対策を考えてシステムを変更しなくてはいけません。
ということで算定をした担当者に確認をします。
無下に扱っても職場はよくならないのでしっかりと原因究明を行いました。対象のカルテとコスト伝票をもう1度確認します。
その前に!
ぼくが個人的に考えた理由は3つあります。
- 麻酔の算定漏れ(うっかりミス)
- 創傷処理ではなく創傷処置だった(算定間違い)
- 創傷処置で麻酔算定漏れ
さて正解はあるのでしょうか。
麻酔の算定漏れ(ミス)について
1、の麻酔の算定漏れ(ミス)は考えられます。
電子カルテでなく算定内容はコスト伝票で運用している病院では看護師や医師の記載漏れを気がつかないでそのまま算定する可能性があります。
もちろん正しく計算し請求する必要があったのは間違いありません。しかし薬剤や麻薬の算定漏れは点数も大きくありませんので微修正で対応できます。
創傷処理ではなく創傷処置について
2、の創傷処理ではなく創傷処置はちょっと困りますね。
処理と処置では点数が大きく変わりますので患者さんに説明の必要が生じます。上司に説明も必要です。
伝票には創傷処理にチェックが入っていても実際は「創傷処置」だったのは多々あります。看護師は診療報酬に関する知識はが無い人多いですからね。
そもそも創傷処理と創傷処置の違いは難しい。
創傷処置で麻酔算定漏れ
3、の創傷処置で麻酔算定漏れは最悪です。ダブルで間違えたことになります。
過去に1度だけありました…。
本日のまとめ。間違っているとレセプト点検の時間が多くなる。
本当は計算した担当者に「これ何?確認して!」と突き返してもいいんですが、それでは組織は成長していきません。
計算時には落ち着いて中身を把握する必要がありますね。
正解は1番の麻酔の算定漏れ(ミス)でした。創傷処理は実施していたけど麻酔を使用した記載がなかった。
ベテラン担当者であれば創傷処理を実施していれば麻酔を算定しないといけないと気がつくかもしれませんが新人には難しいです。
なのでシステム上で手術を算定時には麻酔を入力してね!とポップアップが出るように変更しました。
そして正しく計算すればレセプト点検もスムーズに終わります。
そのために、日々システムを改良して間違えない仕組みを作っていくしかありませんね。
本日のまとめ。結論としては創傷処理を算定するには麻酔も一緒に算定する必要がある!ってことでした。
麻酔を算定しない時にはその理由をコメント欄に記載するようにすれば査定にならない可能性があります。ステープラーの時には麻酔を使用しませんね。
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*1:一部例外あり。2016年の診療報酬改定でステープラーでの縫合も創傷処理を算定できるようになりました。ステープラーではキシロカイン等の麻酔を使用しない場合もあります。