手術を行うとき途中で中絶・中止する可能性があります。
医師が手術をおこなう時に途中で中絶・中止するなんて考えていませんでしたが医師だって人間です。そして患者さんも人間です。
手術中に想定外の出来事がある可能性もゼロではありません。
医療事務経験5年目にしてはじめて手術途中で中絶・中止したという事例がありました。こんな時の算定方法はどうなるのでしょう?
ぼくは知りませんでした。
なので今日は手術の途中で中絶した時の算定方法やレセプト注意事項についてまとめてみました。
手術の途中で中絶した時の算定方法は通則に書いてありました
手術を途中で中断してしまった!!
カルテには「○○による■■のため中止」と書いてありました。
こんな時の算定方法についてです。
困ったときは診療点数早見表を確認するしかありませんね。そうしたらちゃんと書いてあったんですよ。こんなところに書いてあるなんて…。
手術の通則のページに書いてあります。
厚労省のサイトが好きな人は下記からどうぞ。
通則15
手術を開始した後、患者の病状の急変等やむを得ない事情によりその手術を中途で中絶しなければならない場合においては、当該中絶までに行った実態に最も近似する手術の各区分の所定点数により算定する。
途中までの術式て算定していいよ。と書いてあります。
ちょっと小難しい感じに書いてあります。以下の通知もあります。
19 手術の中絶等の場合の算定方法
(1) 手術の開始後、患者の病状の急変等やむを得ない事情により手術を中途で中絶せざるを得なかった場合においては、当該中絶までに施行した実態に最も近似する手術項目の所定点数により算定する。
例えば、胃切除術を行うべく開腹したが、適応でないのでそのまま手術創を閉じた場合は、区分番号「K636」試験開腹術の所定点数により、また、汎副鼻腔根治手術を開始したが、上顎洞、篩骨洞を終えたのみで中絶した場合は、区分番号「K358」上顎洞篩骨洞根治手術の所定点数により、算定する。なお、術前において中絶した場合は、算定の対象にならない。(2) 妊娠9か月において子宮出血があり、前置胎盤の疑いで入院し、止血剤注射を行い帝王切開の準備として諸器械の消毒を終わったところ出血が止まり、そのまま分娩した場合の消毒に要した諸経費は、保険給付の対象とならない。
(3) 手術の準備をしていたところ、患者が来院しなかったとき又は患者が手術の術前において手術不能となった場合は保険給付の対象とならない。
具体例が書いてありわかりやすくなりました。
つまり、医師が何か行ったら算定が可能という事ですね。まとめ。
ここまでの情報をまとめておきましょう。
- 手術を途中で中止することはあり得る
- 中絶までに行った実態に最も近似する手術で算定する
ここで大事なのは中絶までに行った実態に最も近似する手術と言う部分ですね。胃切除術を行うべく開腹したが、適応でないのでそのまま手術創を閉じた場合は、区分番号「K636」試験開腹術の所定などと言った具合です。
この通知を読むかぎり、やらなかった場合は算定でない。=やった場合は算定できる。って書いてあります。
つまり、診療報酬の解釈としては成功報酬ではなくて成果報酬ってことですね。
本日のまとめ。まぁ、そんなに多発するものではありません。
他の病院は知りませんが、僕が働いている病院くらいでは基本的に手術の途中で中絶・中止する可能性はありません。5年間ではじめての出来事でした。
そもそも途中で中絶・中止が多発するような病院は何か別のところに問題があるでしょうね。急性期病棟では手術が毎日あるので手術や麻酔のページを読んで勉強していきます。
手術の算定は難しい。頑張っていきます。