レントゲン撮影(X線・X-P)って基本ですけど意外と奥が深いです。
ぼくは医療事務なのでレセプトを通して病院の利益に貢献する必要がありますが、レントゲン撮影(X線・X-P)は思っている以上に査定が多くないですか?
ぼくの働いている病院だけでしょうか?
これは審査機関である社会保険支払基金と国保連合会の立場になってみるとわかりやすいですが、医学的判断という必殺技が使いやすいからですね。
同部位に3回もレントゲンをしているな。これは多すぎる!査定だ!!みたいな感じです。
ぼくが審査医なら査定点数ノルマのために多用しますもの。
査定に点数や件数のノルマがあるかどうか知りませんけど。きっとあるでしょうね。そうじゃないと説明がつかないことが多いです。
レントゲン(X線・X-P)はE002撮影の区分です。今日はそんなレントゲン撮影(X線・X-P)について書いてみたいと思います。
レントゲン撮影(X線・X-P)のレセプト病名は難しく考える必要はないです。
ぼくはレントゲンの病名で悩むことがないように医事課マニュアルとして必要病名を作成しました。
基本的にはカルテを確認して患者さんの主張と医師のコメントで確認が取れますが、中にはそれだけじゃレセプトが通らず査定になるような時もあります。
整形外科のレントゲンで使用するレセプト病名。比較的簡単ですね。
骨折があれば部位に骨折をつけるだけでOKです。そうでない場合でも1回なら部位に痛をつけるだけでレセプトは通ります。
- 腰部レントゲン :腰痛症、腰部脊柱管狭窄症、腰椎椎間板ヘルニア、腰椎圧迫骨折
- 膝部レントゲン :膝痛、変形性膝関節症
- 股関節レントゲン:股関節痛、変形性股関節症、大腿骨頚部骨折
などです。
複数回実施している時も手術前コメントなどで精査の必要性を書いておけば問題ありません。
腰部XPを4回実施していた時は3回に査定されましたけどねw
内科や外科などで使用するレセプト病名
しかしそれ以外の診療科でのレントゲンについては少々難しくなります。
内科や外科などです。ぼくの働いている病院ではレントゲンで癌病名はつけないようにしています。
最初のレントゲンでは部位から考えられる基本的な病名をつけて後日CTやMRIを使用した時に癌病名がつきます。
- 胸部レントゲン :上気道炎、気管支炎、肺炎、
- 腹部レントゲン :腹痛症、便秘症
- 鼠径レントゲン :鼠径ヘルニア
などです。
まぁ一例ですけどね。
レントゲン撮影(X線・X-P)の査定理由。審査機関も単純撮影は査定が容易?
これ勝手な持論なんですが、単純レントゲン撮影(X線・X-P)枚数減少の査定って容易にできるから多発しているんじゃないでしょうか?
- 単純レントゲン撮影(X線・X-P)4枚 → 2枚
みたいな微妙な査定があります。
これって「病名に対して医学的に4枚は認められないから2枚に減少するよ」って事です。
ルールが曖昧なので査定も曖昧になります。2枚の根拠を説明は出来ませんからね。もちろん病院側も4枚必要な理由が必ずあるわけではありません。
レントゲン(X線・X-P)の点数や注意事項
単純デジタル撮影(X線・X-P)の点数は何点なんでしょう?
まずレントゲンの算定は
【診断+撮影料+枚数+電子画像管理加算】
で算定します。
医療事務のバイブル診療点数早見表にはレントゲンの早見表もありますので確認をしておきましましょう。
E002 撮影
1 単純撮影
イ アナログ撮影 60点
ロ デジタル撮影 68点2 特殊撮影(一連につき)
イ アナログ撮影 260点
ロ デジタル撮影 270点3 造影剤使用撮影
イ アナログ撮影 144点
ロ デジタル撮影 154点4 乳房撮影(一連につき)
イ アナログ撮影 192点
ロ デジタル撮影 202点
その他にも通則がありますね。
(1) エックス線写真撮影の際に失敗等により、再撮影をした場合については再撮影に要した費用は算定できない。再撮影に要した費用は、その理由が患者の故意又は重大な過失による場合を除き、当該保険医療機関の負担とする。
失敗しても追加費用は算定できません。
レントゲンの同一部位について。同じ範囲内で撮影できる場所は別々に撮影していても一連同部位にしています
レントゲンの一連による査定も多い項目の一つですね。
ぼくの働いている病院では腰部と股関節は別々に算定していると査定になります。
別々に病名があってもダメです。肩と鎖骨もダメです。
近い場所は別々にレントゲン撮影を行っていても算定は一緒にしておいたほうが無難ですね。
(2) 「2」又は「3」の「同一の部位」とは、部位的な一致に加え、腎と尿管、胸椎下部と腰椎上部のように通常同一フィルム面に撮影し得る範囲をいう。
ただし、食道・胃・十二指腸、血管系(血管及び心臓)、リンパ管系及び脳脊髄腔については、それぞれ全体を「同一の部位」として取り扱うものである。
足と足関節や腰と股関節などですね
(8) 耳・肘・膝等の対称器官又は対称部位の健側を患側の対照として撮影する場合における撮影料、診断料については、同一部位の同時撮影を行った場合と同じ取扱いとする。
比較のために疾患部位と健康な部員を一緒に撮影したら別々に算定できません
本日のまとめ
レントゲンの査定はよくわからない事が多いですね。
ここには書いていませんが、対象部位についてだったり100分の50で算定することがあったりします。
他には造影撮影などもあります。
とにかく細かいルールが多いです。
でもわからない事は審査機関に確認をしましょう。
そしてそれを各病院でマニュアル化していけば同じ間違いは減っていきます。