A245データ提出加算を算定したよ。地域包括ケア病棟での話。

第1章 基本診療料
この記事は約5分で読めます。

今日は地域包括ケア病棟入院料で追加で算定できるA245データ提出加算について書いてみたいと思います。データ提出加算って簡単なようで意外と奥が深いんですよ。

スポンサーリンク

A245データ提出加算は地域包括ケア病棟入院料と併算定が可能です。

地域包括ケア病棟入院料を算定しているとほとんどの項目で包括されますね。なので追加で算定できる項目は多くはありません。

そんな中でA245データ提出加算は追加で算定が可能な数少ない項目になります。

まずは医療事務員必須の診療点数早見表を参照しましょう。

1 データ提出加算1
イ) 200床以上の病院の場合 120点
ロ) 200床未満の病院の場合 170点

2 データ提出加算2
イ) 200床以上の病院の場合 130点
ロ) 200床未満の病院の場合 180点

2018年診療報酬改定で変更がありました。以下の通りとなります。

A245データ提出加算の2018診療報酬改定での変更点。

今回の診療報酬改定でのポイントの一つであったICTデータの使用についての部分で増点をしてきましたね。

1 データ提出加算1
イ) 許可病床数が200床以上の病院の場合 150点
ロ) 許可病床数が200床未満の病院の場合 200点

2 データ提出加算2
イ) 許可病床数が200床以上の病院の場合 160点
ロ) 許可病床数が200床未満の病院の場合 210点

それぞれ30点の増点になります。

基準については変更がないので多くの病院でプラスになる部分ですね。

提出データ加算20点というのも新設されましたね。これは別記事を書きたいとおもいます。

2022年診療報酬改定での変更点

1 データ提出加算1(入院初日)
イ 許可病床数が200床以上の病院の場合 140点
ロ 許可病床数が200床未満の病院の場合 210点

2 データ提出加算2(入院初日)
イ 許可病床数が200床以上の病院の場合 150点
ロ 許可病床数が200床未満の病院の場合 220点

3 データ提出加算3(入院期間が90日を超えるごとに1回)
イ 許可病床数が200床以上の病院の場合 140点
ロ 許可病床数が200床未満の病院の場合 210点

4 データ提出加算4(入院期間が90日を超えるごとに1回)
イ 許可病床数が200床以上の病院の場合 150点
ロ 許可病床数が200床未満の病院の場合 220点

いくつかの入院料を算定しているところではデータ提出加算の届出が施設基準の要件となりました。

それ以外に大きな変更はありません。

データ提出加算ってなんなの?

これは厚生労働省が実施する「DPC導入の影響評価に係る調査」に準拠したデータが正確に作成及び継続して提出されることを評価したものです。

簡単に書いてしまえば「患者さんの情報を提出したら点数をあげる」ってものです。

出されたデータについては、個別患者を特定できないように集計した後、医療機関毎に公開されるものである。また、入院医療を担う保険医療機関の機能や役割を適切に分析・評価するため、中央社会保険医療協議会の要請により適宜活用されるものである。

と書いてあります。

難しいことはありません。個人情報代です。レセプトと付け合わせれば個人情報の特定なんて難しくないですからね。はっきりと書けばいいのにと思います。

データ提出加算が算定できる病棟。

では、データ提出加算は地域包括ケア病棟入院料に追加で算定していいのでしょうか?確認してみましょう。

  • 入院基本料(特別入院基本料を除く)(区分番号「A108」有床診療所入院基本 料及び区分番号「A109」有床診療所療養病床入院基本料を除く。)、
  • 第1節の第3節の特定入院料
  • 第4節の短期滞在手術等基本料(区分番号「A400」の1短期滞在手術等基本 料1を除く。

以上になります。

地域包括ケア病棟入院料は第1節の第3節の特定入院料に該当するのでデータ提出加算は算定可能となります。

データ提出加算1と2の違い。

データ提出加算にも1と2があります。ちなみに僕が働いている病院は「ロ) 200床未満の病院の場合 170点」を算定しています。これらの違いについても確認しておきましょう。

データ提出加算1は、入院患者に係るデータを提出した場合に算定できるものとし、データ提出加算2は、入院患者に係るデータに加え、外来患者に係るデータを提出した場合に算定することができる。

  • データ提出加算1:入院患者に係るデータを提出した場合
  • データ提出加算2:入院患者に係るデータに加え、外来患者に係るデータを提出した場合

外来患者の分までDPCをやって10点は非常に小さいですね。

60日を超えてしまった場合も算定できません。

地域包括ケア病棟入院料は60日を限度に算定できます。しかし60日を超えると特別入院基本料となります。すると

入院基本料(特別入院基本料を除く)

と書いてありますので算定はできなくなります。

本日のまとめ

長くなりましたがまとめると以下の通りとなります。

  • A245データ提出加算は地域包括ケア病棟入院料と併算定が可能
  • データ提出加算1と2がある。
  • データ提出加算2を算定する場合は外来分のデータ提出も必要
  • 再入院の場合は算定できません。初回の退院時のみ算定可能です。
  • データの提出が遅れた場合は当該月の翌々月は算定ができません。
  • 60日を超えてしまい特別入院基本料になると算定はできません。

入院料の算定は迷路のように複雑ですね。ひとつひとつ勉強していきます。

地域包括ケア病棟でレスパイト入院。レセプト病名や算定方法。費用は?
レスパイト目的の患者さんが入院になりました。ぼくはレスパイト入院について知識がなく困っていました。そもそも病院は治療をするところです。入院をするのであれば、なにかしらの疾患を治療する必要があるのです。それなのにレスパイト目的による入院ってOKなの?ってところからスタートでした。病気や怪我などの疾患が...
廃用症候群とは地域包括ケア病棟で多用される病名です。
廃用症候群は回復期病棟や慢性期病棟などを担当している医療事務にとって馴染みのある病名ですよね。医療従事者にとって都合のいい病名だと思っています。医療事務の必殺技です。外来レセプトでは使用頻度の少ない病名なのに地域包括ケア病棟では廃用症候群の病名が多発しており驚いていました。レセプト担当の医療事務にと...
退院証明書ってなんだ?保険請求に使える?有料なの?
退院証明書とは退院時に患者さんへ渡す書類です。入院病棟担当になり退院証明書について知らないことが多くありました。なので退院証明書の重要性やポイント。保険会社の診断書に使用できるのかなど疑問に思ったことに対して書いて見たいと思います。