病院のエアコンは大丈夫?故障した結果、熱中症が発生した問題について考えてみました。

病院のエアコンが故障 ニュースとか医療雑学
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病院のエアコン管理はどのように行なっているのでしょうか。

全国の病院の中には設備が老朽化して修繕が必要な施設も多々あるようです。

本来、病院や介護施設などは患者さんの命を預かる場所なのでライフラインの故障などはあってはならないものです。

しかし、昨今の診療報酬改定(介護報酬含む)は医療機関にとってとても厳しいものなので設備投資にあてるお金が不足しているところもあります。

余っているお金があるなら人件費や直接診療に関わるもの(レントゲンやエコーなどの機械や手術材料)に使うでしょう。

そんな中2018年8月に悲しい事件がありました。忘れてしまってはいけないとここにもう一度書いておきます。

病院のエアコン故障により入院患者さんが熱中症により死亡すると言うニュースです。

朝日新聞:4人死亡の病院長「エアコン、20日から故障」 岐阜

blogos:エアコン故障で4人死亡 業務上過失致死

結論を書いておくと1年経過した現在も直接の原因解明とはなっていません

わかっている状況をまとめると

  • 2018年8月20日からエアコンが故障した
  • それにより熱中症で5名が死亡した疑い
  • 病院が業務上過失致死として捜査された
  • エアコン故障は業者から1ヶ月後になると言われた

こんな感じです。

ぼくは事務屋なので死亡した理由や条件については書いていません。

この出来事を踏まえて病院の事務としてどうしたら良いか考えてみました。

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どこの病院でも起こりうるエアコン故障。それをどう対応するのか。

ぼくが働いている病院でもエアコンが故障したらどうなるか考えてみました。

猛暑日の中エアコンが故障して病院内の温度は35度を超えている…。

これって結構パニックになります。

エアコンが動いている病棟に移動するとか廊下に仕切スペースを用意して臨時の病室を作成するなどできる限りの対応方法はありそうです。解決策ではありませんが。

しかし、医療事務の観点から考えてみると診療報酬の問題もクリアする必要があります。

リハビリ病棟の患者さんが急性期病棟に移動したらどうなるの?

エアコンが故障していたらリハビリどころではありません。

そもそも50床で届け出をしているのに60人を収容していいの?

なんて具合に疑問点も山積みになります。近隣の病院に転院させることも数日では難しいでしょう。

設備点検まで含めた病院運営というのであれば診療報酬の論点になってもいい

国で定められた点検はどこの病院でもやっています。電気設備点検など。

車両だって車検をおこなっています。

それ以外の設備関係までしっかり点検をしなさい!と言うのは簡単ですが実際に働いている立場からするととても難しい問題です。

トイレの自動水栓や入口の自動ドアや公衆電話など細かいところまでしっかり点検しなさいとなったら病院として維持管理コストは相当膨れます。

しかも最近は建築業界や修理業者も人不足に加えて材料費も高騰しています。エレベーターや業務用エアコンなんて言ったら1億円規模になる可能性もあります。

そんな財源をどの病院も確保しているとは思えません。診療報酬改定は医療機関にとってとても厳しいものになっていますからね。

お金が不足していることは重々承知していますが削れる部分と削ってはいけない部分をしっかりしておく必要はあります。

ただこれだけ暑い日が続くとエアコンはライフラインとして管理しないといけないですね。

病院のエアコン修理に1ヶ月も必要なのか。これは事実だと思います。早めの点検を!

ぼくの働いている病院の関連施設でもエアコン故障により業者を呼びましたが修理までに3週間くらい必要でした。

6月の終わりでしたがそれでも修理業者は連日の残業で対応していると言っていました。それくらい老朽化したエアコンを使用しているところが多いんですね。

施設で使用するエアコンはGHPというガスを使用するタイプのエアコンが多いです。なので、修理できる業者も東京ガスの代理店になります。

ほんの
ほんの

ヤマダ電機のお兄さんにが対応できるものではないのです。

その場で修理できれば良いですが場合によっては部品の取り寄せなどで更に時間が必要な場合もあります。

なので今回のケースで業者を責めることはできません。

結局はどこがお金を出すのかというところに行き着く

ならば

定期的に点検をするようにしなさい。

とか

10年使用した業務用エアコンは新品を導入しなさい。

なんて国が定めてルールを作ることも感がれますが、10年に1回業務用エアコンを導入することができる病院はほとんどないでしょう。

業務用エアコンはすげぇ高いですからね。

ではその分の費用を捻出するために診療報酬をアップするとか。特別修理補助金や交換費用補助など税金を用意するとか。

幼稚なアイデアならいくらでも出せますが現実問題はとても厳しいでしょう。患者さん負担を上げる方法も実現は難しいでしょう。

まさしく選挙ですね!

あまり厳しいことを言うと選挙で負けちゃうから誰もやりません。

でもどっかで誰かがお金を出して修理しないと今回のような出来事が再度発生する可能性はあります。

本日のまとめ

ここまで書いて難しい問題だったと実感しました。

もちろん患者さんが亡くなったのでベットコントロールやお金がどうだとか書く以前の問題です。医療機関で治療とは関係ない部分で患者さんが亡くなったのは事実です。

2度と起こってはいけない事件だし、対応しなくてはいけない。病院で働いている身としては気になったはこんなところです。

これだけニュースになったのですが、厚労省や病院協会などから通知はありませんでした。解決もしていません。真実は闇の中です。(ぼくが知らないだけならいいのですが)

病院の何気ない変化に気づいて事故を未然に防げるといいですね。

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