医療事務は入院する患者さんに入院保証金や預り金について説明したり質問されたりする機会が多いです。
ぼくの働いている病院でも入院保証金や預り金については多くの対応をしています。
でも、病院で入院するのに入院保証金や預り金が必要な理由はあるんでしょうか。ちょっと気になりました。
入院保証金や預り金が払えない場合はどうしたらいいんでしょうか?
もしかして入院することもできない?
今日はそんな病院における入院保証金や預り金についてまとめてみました。
入院保証金や預り金の相場。どのくらい支払う必要があるの?
インターネットで入院保証金や預り金の相場を調べてみました。ざっくりした金額になりますが30,000円~100,000円くらいが相場となっていました。
良心的?な病院だと20,000円くらいに設定している病院もありますし、高額な病院だと150,000円以上になっている病院もあります。
つまり入院保証金や預り金は病院が独自に設定していい金額となっています。
0円でもいいし、1,000,000円でもいい。
病室、年齢、保険の有無で細かく区分けしている病院もある
病院によっては保険証の種類や年齢で区切っていることもありますし、入院する病室で支払額が大きく変わることもあります
【病室で入院保証金を変更している場合】
- 個室に入院 15万円
- 2人部屋に入院 10万円
- 4人部屋に入院 5万円
みたいな感じで入院する病室に応じて設定している病院もあります。
【年齢で入院保証金を変更している場合】
- 75歳以上(後期高齢者3割負担) 5万円
- 75歳以上(後期高齢者1割負担) 3万円
- 74歳以下 10万円
こんな感じで年齢に応じて分けている場合もあります。
【保険証の種類で入院保証金を変更している場合】
- 国保 10万円
- 社保 10万円
- 後期 5万円
- 労災 2万円
保険証に応じて変更している病院もありました。
なので一概に入院保証金がいくらになります。とは言えません。
医療証を持っている場合は不要になる病院も多いですね。
病院側から考えた入院保証金や預り金が必要な理由
これはもう未収金に備えているだけです。未収金に対する保険ですね。病院として一番恐れているのは入院時に提供した医療費を回収できないことです。
退院日になって「実はお金が無いんです。」なんて言われた日には医療事務としてはメチャクチャ困る訳ですからね。
患者さんの中には支払困難で入院費が払えません。みたいな最悪のケースなんですが、結構多いのが問題になっていますね。医業未収金の多さは以前書きました。
病院も慈善事業ではありませんのでしっかりと利益を確保する必要があります。
保険証があれば7割(9割)は回収が可能です。なので患者負担相応額をあらかじめ頂いておこう!と考えたわけです。
厚労省も認めています。
■厚生労働省:医療機関の未収金問題に関する検討会の資料について
■入院等に当たっての保証金の取扱いについて(資料5-1)http://www.mhlw.go.jp/shingi/2007/10/dl/s1005-8j.pdf
入院保証金や預り金が払えない場合はどうする?
入院保証金や預り金が払えない患者さんも中にはいます。
そんな時の考え方や対応は病院によっても様々ですが、入院保証金や預り金が支払えない患者さんは入院費も支払えない可能性が高い患者さんです。
そんな患者さんを入院させて未収金が発生するのを指をくわえているだけでいいのでしょうか。公立病院ならまだしも一般病院には無償で奉仕する理由はありません。
ここが難しいところですね。
ぼくが働いている病院では入院保証金や預り金が払えない患者さんには入院費の概算を計算して最終的に必要な金額を事前にお伝えしています。
今回の入院は10万円程度が必要になります。みたいな感じです。
本日のまとめ。
入院保証金や預り金を支払えない患者さんは、入院しても入院費を支払うこともできず未収金が発生する可能性が非常に高いです。
そのような場合には入院中の年金支給日や給料日の有無なども確認し、それでも無理と判断すれば入院をお断りすることもあります。
なんにせよ病院として、医事課として共通のルールを作成して置くことが望ましいですね。