レセプトの査定率が0.1%以下が続いていると審査機関である社会保険支払基金や国保連合会から突っ込んだキワどい査定が増えました。
いままでOKだったものが急にNGになることも増えてきました。
最近の査定傾向は検査や処方に対する病名の「原疾患なし」によるレセプト査定です。
働いている病院ではレセプトチェックソフトを活用して徹底的にレセプト点検をしているのでこういった細かい部分以外に査定が無いのかもしれません。
レセプト点検ソフトの精度を高めた結果、査定が増えてくるのでしょうか。こればっかりはよくわかりません。他の病院でも「原疾患なし」の査定が増えているのでしょうか。
今日はそんな処方に対する病名の原疾患についてです。
原疾患なしの査定内容。他の病院は平気なところもあるみたいです。
検査や処置に対する原疾患なしという査定もありますが、いまのところ圧倒的に多いのが処方に対する査定です。
骨折病名に対する患者さんに痛み止めの処方などです。
ぼくのような一般人の感覚からしたら骨折すれば痛いので痛み止めは必要だと思うのですが、審査機関としては痛いという病名が必要だというのです。
一律の審査は行っていないのでしょうか。
ぼくの働いている病院ではダメなのに隣の病院はOKってこと意外とあるのかもしれません。
でもそれって正しい審査なの?
ちょっとモヤモヤが残ります。審査医が違うから?そんなのは理由にならないと思うんですよね。
リリカカプセルは原疾患が必要になりました。
リリカカプセルは末梢神経障害性疼痛の病名があれば今まではOKでした。
しかし
末梢神経障害になった原疾患がありませんので査定です。
と一方的に査定対象になりました。
がーん。悲しい。っていうかよくわからない。
具体的には首の捻挫をした患者さんに対し軽くひねっただけ、もしくは前年と同じ症状などの理由でリリカカプセルのみの処方をしていた時などです。
今までは末梢神経障害性疼痛でOKでしたが今ではNGです。
あわせて原疾患を入力する必要が出てきました。
原疾患を必要とする文言は発見できませんでした。
ググっても有効な記載はあまり見つけられませんでした。
山口県の医師会報に近い文章がありましたが、なんとなく違うんですよね。
現時点では、末梢性神経障害性疼痛の概念が明確でないため、従来の同種薬剤が適応となっていた帯状疱疹後神経痛、糖尿病性末梢神経障害に伴う疼痛、複合局所性疼痛症候群(CRPS)、カウザルギー、三叉神経痛以外は、末梢性神経障害性疼痛の病名を必要とする。
ちょっと難しいですね。何が書いてあるのかよくわかりませんw
リンデロンなどの外用薬も査定が増えました。原因はよくわかりません。
外用薬の中でも軟膏に対する査定が多くなっています。
これも同じ理由です。原疾患がないという理由からです。
医学的判断による査定もよくわからないのでイヤなのに、原疾患なしの査定も増えてきたので困っています。
蕁麻疹や皮膚搔痒症の査定がありました。
蕁麻疹になった原疾患がありません。
皮膚搔痒症になった原疾患がありません。
何かにつけて原疾患がありません。と言ってきます。
昨年までは「医学的判断」がとても多かったですけど、今年度は圧倒的に「原疾患がありません。」になりました。
これで、また、レセプトに余計な病名が増えていきます。
現状のレセプト点検のチェックシステムも限界だなと考えるようになっています。
病名至上主義。
これだけレセプト点検ソフトが発達して、コンピューター点検が進んでいるのに、肝心なレセプト作成方法やレセプト請求に関する考え方が古いままです。
審査機関側も必要以上の病名は不要にしてくれていいと考えています。
皆保険制度とレセプト請求というシステムを変えることは難しいです。社会保険支払基金が業務効率化でコンピューターチェックを進めています。
いい方向に進むと良いですね。
医療事務員なら誰でも経験するレセプト病名祭り。
まぁ、現段階の対策としては、病院として査定は困るので一つ一つに病名(原疾患)を入力して対応していくしかありません。