レセプトチェックのシステムやソフトについてはそれなりに詳しいです。
少なくとも病院内の事務員であれば一番でしょう。
以前、「システム導入〜正常運用」まで担当者として仕事をしてきました。新しいシステムを導入すると決まってからどのような方法が正解なのか考える日々が続きました。
とても苦労した仕事でしたが、その結果レセプト査定は大きく減少したので病院運営にも貢献できました。よかった。
査定率は0.1%を下回りました。
もちろんレセプト点検をするための時間も大幅に短縮しましたので残業時間も削減になります。
査定率も減少してレセプトチェックの時間も減少したのだからすごい。
なので、今日は査定が大幅に減少して残業時間も減って良いことが多かったよ!!って話を書いておきます。
最初に。レセプトチェックシステムを入れて良かったこと。
ぼくの働いている病院ではレセプトチェックのシステムを使用していなかったので導入後の便利さを知りませんでした。
医事会計システムに付属しているメーカーもありますね。
実は使用をしていなかっただけで導入はされていました。
前任の医事課担当者がパソコンに弱い人だったので導入時の初期設定のままだったのです。非常に無駄な時間を過ごしていました。もったいない。
で、レセプトチェックシステムを入れて良かったことは
- 査定が大幅に減少した
- レセプト点検の時間が減少して残業が減った
って部分になります。
全部のレセプトを人間の目でチェックするには時間の無駄ですし査定や返戻も多くなります。
レセプト点検ソフトをちゃんと使用すれば効果は大きいです。
以下はNTTデータから発売されているレセプト博士から。
医療機関様の強力な助っ人です。
「レセプト博士」は、これまで1件1件目視点検していたレセプト院内審査業務を自動で行うことにより、レセプト点検作業の効率化および請求内容の精度向上を実現するものです。
レセプト院内審査支援システム「レセプト博士」のHPより
査定率については以下の記事をどうぞ。
レセプトチェックソフトを導入する。事前準備。院内仕様へカスタマイズ。
市販のレセプトチェックソフトは初期設定だと意味がありません。
それぞれの病院にカスタマイズすると効果は大幅にアップします。市販品は多くの病院やレセプトに対応するように広く薄くなっています。
例えば、処方薬の対象病名は大きくカバーされています。
ロコアテープなんかは「変形性」の病名がないと査定対象ですが、レセプトチェックソフトの初期設定では膝関節症でもOKになっています。
これは全国規模で販売するので仕方のない部分。レセプトチェックソフト会社に文句は言えません。
説明書にも「貴院にてカスタマイズを行ってください」と書いてありますからね。
最初から全部のカスタマイズは時間的に難しかったので導入後も査定や返戻が発生する度に修正をしています。
同じことを同じようにやるだけでは意味がないのでレセプト点検方法も常に改善をします。
今の世の中スピードが大切なので「言ったことを言われたようにやる」なんて言うのはあたりまえですからね。
実際に行っているレセプトチェックソフトの活用方法
毎日のようにチェックして修正をおこなっています。
それぞれの病院にあわせたカスタマイズをしていけば査定率が0.1%を切る事も可能です。しかもレセプト点検をする時間も減少するので残業時間も大きく減少します。
方法としては
- レセプトプレビューは使わない
- 点検結果のみを表示できる「点検リスト」をCSVでエクスポート
- エクセルにてチェックする。
- 一連の作業をマクロ化。
これだけです。書いてしまうと大したことない。
ではひとつひとつ書いていきます。
レセプトチェックソフトではレセプトプレビューは使わない
多くのレセプトチェックソフトにはレセプトビュー機能があります。「レセプト博士」でも「べてらん君」にもレセプトビューの機能があります。
しかし、レセプトビューは使用してはいけません。時間的に非効率ですからね。
以下はべてらん君のHPより。
他にも点検結果のみを表示できる「点検リスト」をで表示できる会社もあります。
以下はマイティーチェッカープロより
他の会社のレセプトチェックソフトも似たような画面を表示する機能はありますがどちらの表示機能も使用していません。
だって、プレビュー画面でチェックしていたら時間がかかるし非効率でしょ。
点検結果のみを表示できる「点検リスト」をCSVでエクスポートしています。
では、どうしているのか?と、言いますと点検結果の一覧をCSVでエクスポートしています。
そのCSVファイルをエクセルに変換してチェックをしています。エクセルにすれば同じ疾患や検査でまとめてフィルターでチェックできるし切り分けも簡単です。
そして、点検が完了したデータと翌日新規にチェックする必要があるデータをぶつると(2つのエクセルデータをぶつけて、データ抽出をします)今回点検する部分だけが抽出されます。
- 点検結果をCSV出力をする
- エクセルに変換する
- 同じ疾患や検査に分ける
- 前日までの点検済みデータと今回データをぶつける(未点検の項目だけを洗い出す)
- 未点検の項目を確認する
文章にするとこれだけです。
この一連の作業をマクロ化しました。
Excelやパソコンが得意であれが簡単な作業ですが、点検するまでのエクセルを切り分ける作業が大変な人もいました。
月末になるにつれてチェック件数が増えるので切り分ける件数も増えます。
文章にするとCSVをエクセル管理して前回分と今回分をぶつければ今回点検する分が残る。ってだけなんですけどね。
「レセプト点検」をしなくてはいけないのに「レセプト点検のための準備」に時間を使っているという生産性のかけらも無い。
大事なのはレセプト点検することです。
エクセルが不得意な担当者だと「レセプト点検のための準備」に1時間以上必要かかったりもしまた。たしかに点検項目は多いです。月末には全患者分のレセプト点検が必要です。
エクセルの縦の列が10000くらいまでいきますからね。
なので上記の「csv→Excel→関数→集計」一連の作業をマクロ化しました。
ボタン一つでOKです。1時間必要だった作業が5秒で終わります。
なので1時間も余分にレセプト点検をするための時間を確保することができました。
自分ではできなくてもパソコンやエクセルに詳しい人はいるハズ。
Excelのマクロを組むことができるので自分で楽しんで行いましたが、そんなのできないよ!!って人でもシステム部門のSEさんとか、院内にパソコンに詳しい人が少しはいるでしょう。
ぼくも不安だったので簡単なたたき台を作ってシステム部門人に確認と修正をしてもらいました。人に見てもらい良いものが完成します。
自分で出来なくても「こうなったらいいなぁ」と思うことがあればドンドン言った方がいいですね。
査定率が激減したよ。修正・改良を続けます。
ぼくが働いている病院の査定率は全国平均を下回っているので激減と言ってもそんなに多くは減りません。それでも、過去最低の査定率を記録したのはレセプトチェックシステムの効果だと思っています。
働いている病院の査定率ってしっています?できることなら働いている病院の査定率は知っておいた方がいいですよ。課長や部長に聞いてみましょう。
「査定率を減少させるための施策を考えたいです。いまの査定率を教えてください。」って言えばだいたいの上司は嬉しくなるハズです。
まだまだレセプトチェックシステムの修正が必要な部分はあります。
たぶん、病院運営をしていく中で完成はないんでしょうね。査定があればカスタマイズの必要があります。
これが進んでいけばレセプト点検の時間も短縮できます。
余計な残業をしなくていいのは嬉しいですね。