処方箋がなくても医薬品が欲しい!と考える人は多いでしょう。
いつもと同じ薬が欲しいだけなのに診察して調剤薬局に行くのは時間がもったいない!!
ただでさえ調剤薬局では待ち時間に関する問題は山積みですのでリフィル処方箋が話題に上がったりもします。
また、風邪をひいたり、湿疹が出たりした時に、ドラックストアの市販薬よりも定期的(または以前)に処方してもらった医薬品がいい!!なんて可能性もあります。
なんにせよ、厚労省がガチガチに固めている診療報酬という制度の中で民間が面白い可能性を見出してくれたことは一見の価値があります。
処方箋がなくても医薬品が買える零売薬局が100店舗のチェーン展開を目指してスタートしました。
今日はそんな零売薬局について書いてみたいと思います。
ちょっと気になる。要チェックですね。帰ったらまとめます。
日本初、処方箋なしで買える零売薬局「セルフケア薬局」
https://t.co/k9IKJIevZ4— 医療事務研究員 ほんの (@iji_lab) September 6, 2019
零売薬局とは処方箋なしでの販売が認められた医薬品を薬剤師のもと販売する薬局のこと
ぼくはよく知らなかったのですが零売薬局とは
零売(れいばい)とは、医療用医薬品を処方箋なしに、容器から取り出して顧客の必要量だけ販売することをいう。分割販売と呼ぶこともある。処方箋医薬品は、原則として零売することはできない。
Wikipediaより(https://ja.wikipedia.org/wiki/%E9%9B%B6%E5%A3%B2)
難しいですね!!
零売薬局とは医療用医薬品を処方箋なしに販売する薬局です。
なんて言われても…。
医療用医薬品とは何?それって駅前のドラックストアと何が違うの?って話です。
もう少し簡素に書いてみましょう!
医療用医薬品は15,000種類。処方箋医薬品と処方箋医薬品以外の医療用医薬品に分けることができる。
日本で使用されている薬「医療用医薬品」は全部で15000種類くらいあります。
その中で大きく二つに分けることができます。
- 処方箋医薬品
- 処方箋医薬品以外の医療用医薬品
数は半々で7500程度になるそうです。
逆に考えると処方箋なしでも購入できる薬が半分以上あることにビックリしました。
簡単に説明すると
【処方箋医薬品以外の医療用医薬品】処方箋なしでも薬局で販売可能
つまり零売薬局では、処方箋なしでも販売できる【処方箋医薬品以外の医療用医薬品】を取り扱っているのです。
零売薬局で販売できる【処方箋医薬品以外の医療用医薬品】とはどんな薬があるの?
ぼくでも知っているような有名な薬の多くが処方箋医薬品以外の医療用医薬品となっていました。
ロキソニン、カロナール、ムコダイン、ミヤBM、ワセリン、ベトネベート軟膏、など簡単?な風邪薬や痛み止め、湿疹などに対する薬は【処方箋医薬品以外の医療用医薬品】となっていることが多いです。
「ちょっと風邪をひいた」「花粉症で鼻水が辛い」「運動をして足を痛めてしまった」程度の病院に行くまでもないけど市販薬よりは使用したことのある医療薬が欲しいという人にとってはありがたい零売薬局ですね。
零売薬局のメリットはわかった。でも問題点やデメリットはないの?
もちろんメリットがあればデメリットもあります。
厚労省も苦肉の策として通知を出しています。
処方せん医薬品等の取扱いについて(https://www.mhlw.go.jp/bunya/iyakuhin/ippanyou/pdf/sankou_03.pdf)
簡単にまとめると
- 必要最低限の数量
- 調剤室で保管と分割
- 販売記録の作成
- 患者の薬歴管理の実施
- 薬剤師の対面販売をする
厚労省としてはできることなら医薬品全てを管理して自分のところの財源確保したいでしょう。しかし昨今の働き方改革、人材不足、そもそも財源圧迫。など多くの問題が絡んできて泣く泣く手放している印象です。
病院の現場でも待ち時間に対する問題は山積みですからね。
セルフメディケーション税制(医療費控除の特例)やオンライン診療、話題になるリフィル処方など頑張ってはいますが一般に浸透しているとは言えませんからね。
で、1番のデメリットは薬剤師に全責任が行くことです。
やる気のあるバリバリタイプの薬剤師にとっては自分の裁量で患者さんに適切な薬を渡すことができる零売薬局はとてもいいでしょう。
しかし、多くのサラリーマン気質のモチベーションの低い薬剤師とっては負担がとても大きい。医師の処方箋に沿って薬を管理するのとでは大きな違いですからね。
本日のまとめ
ぼくが知らなかっただけで以前から零売薬局は存在していました。
この流れが加速するのか、厚労省が違う施策(リフィル処方など)を進めるのか注目するポイントですね。
医療事務、病院事務にとっては大事な外来診療の収益が減少するので患者さんは多い方が良いに決まっていますが、長すぎる待ち時間問題も見逃せないです。
どう転んでも良いように対策を考えていきましょう。