医療機関はビジネスモデルが病院経営になります。
この病院経営というのは診療報酬が主たる収入源になります。査定や返戻が無いように医療事務は必死にレセプト点検をしますね。
そして病院は人件費率がとても高いです。典型的な労働集約型のビジネスです。医師や看護師が施設基準などで必要数が定められております。
となると、人員配置や作業効率の面で人件費率を下げられる大手医療法人の方が利益が上がりやすい。
このあたりは1部上場企業と設立したばかりの零細企業で考えるのと似ています。
大規模医療法人はどう考えても診療報酬を収入の柱にしていく病院運営では有利になります。(利益だけの話をしています。規模が大きくなれば人の問題、モノの問題、金の問題は出てきます。)
今日は大手医療法人はどんなものがあるのか調べてみたのでまとめておきます。
挑戦したいのなら小規模医療法人。安定したいなら大手医療法人。
医療事務の中には自分で一旗あげよう。と考える人もいれば、なるべくひっそりと時間内に安定的に働きたい。と考える人もいるでしょう。
ぼくがいくつかの病院を見学したり同業者と話をした中で感じたのは大手医療法人の方が安心して働けるような気がします。もちろん全部の病院を調べたわけではありません。
逆に、名もなき一般人が事務長を目指したい!頑張っていくぜ!!みたいな人は小規模医療法人の方が出世は早いでしょう。
では大手医療法人はどんなところがあるのでしょうか?
大手医療法人について
大手医療法人とはどんなところがあるのでしょうか。
いろいろな定義はありますが、ここでは
- 従業員が3,000人以上
- 複数の医療機関や介護施設など多角的に運営
みたいな感じに考えています。
日本で一番大きな医療法人といえば徳洲会グループですね。数年前にちょっとした事件がありましたが勢いは衰えていません。
名前 | 病床数 | 事業所数 | 基幹病院 | 従業員数 |
徳洲会グループ | 17,000 | 340 | 湘南鎌倉総合病院 | 28,000 |
IMSグループ | 12,529 | 138 | 板橋中央総合病院 | 22,740 |
AMGグループ | 9,465 | 148 | 上尾中央総合病院 | 18,000 |
TMGグループ | 6,282 | 117 | 戸田中央総合病院 | 15,274 |
葵会グループ | 5,776 | 130 | 八本松病院 | 10,000 |
カマチグループ | 3,000 | 32 | 新武雄病院 | 8,500 |
平成医療福祉グループ | 100 | 博愛記念病院 | 13,000 | |
大坪会グループ | 3,500 | 31 | 三元茶屋病院 | |
愛仁会グループ | 29 | 高槻病院 | 5,000 | |
北九州病院グループ | 2,942 | 11 | 北九州総合病院 | 3,500 |
JAMグループ | 1,148 | 42 | 海老名総合病院 | 3,500 |
ふれあいグループ | 3,500 | 88 | 湘南東部総合病院 | 7,000 |
医誠会グループ | 3,000 | 28 | 医誠会病院 | 4,807 |
聖隷福祉事業団 | 158 | 聖隷三方原病院 | 15,621 | |
高邦会グループ | 3,500 | 40 | 国際医療福祉大学病院 | 10,000 |
大手医療法人と書きましたが、正確には大手医療グループです。
※セコムグループもありますが詳細がわからないので書きませんでした。
※済生会病院グループ、共済病院グループ、独立行政法人などもありますが公立系はちょっと毛色が違うので外しております。
徳洲会と中央医科グループは突き抜けていますね。大手グループは利益が出やすい。
徳洲会グループと中央医科グループ(IMS、AMG、TMG)が2大医療法人グループです。この2つは知っている人や働いている人も多いのではないでしょうか。
上記にあげた医療法人の多くは複数の医療法人の連合体であります。つまりM&Aを繰り返して大きくなっているわけです。
また病院以外にも、クリニック、特養や老健、学校、老人ホームなどを経営しています。
こうなってくると人材の有効活用もできますし、グループ内でオリジナル商品を作成したり経費の圧縮も容易です。
大手にはグループで統一された人事育成のマニュアルがある場合が多い。
医療法人として一枚岩となっている医療法人もあればそれぞれが独立している医療法人グループもあるでしょう。
しかし、大手には大手の良さがあります。人事育成のマニュアルなどが統一されていることです。医療事務や看護師や介護士などは求人も多いので入職するチャンスも多いです。
よくわからない状況でニッチもサッチも行かないなら大手医療法人という選択もあるのでは無いでしょうか。
民間系と公立系。大規模と小規模。しっかりと確認をしてみると面白いですね。
実力が伴わないのは論外ですが、しっかりと勉強して実力をつければ選択の余地があるのが医療事務や病院事務のいいところです。
現在の職場に文句を言っても何も変わりません。職場を変化させるのはとても大変。お局や頑固ジジイはいつまでも残るでしょう。ならば自分が転職するのも検討しては?
上記に書いた医療法人が10年後も同じように生き残っているかはわかりません。しかし、医療業界のビジネスモデル(診療報酬による利益幅、労働集約型)が続く場合は有利であることに変わりはありません。
大手医療法人についてまとめてみました。医療法人は売り上げを掲載していなかったりして比較が難しいです。株式会社とは違う。
それでも比較してみることは面白いですね。