【紙カルテの病院】保管方法などいろいろ大変。メリットとデメリット

紙カルテの病院 医療事務的コラム
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紙カルテの病院で働いていました。ほんのです。こんにちわ。

最近では入職してくる医療事務員も電子カルテ経験者が増えてきました。こうなってくると電子カルテが標準となったと言っても過言ではありません。

電子カルテを使ったことのない旧式な医療事務員は少なくなっているんでしょう。昔は電子カルテを使用している病院に強い憧れがありましたw

電子カルテだろうと紙カルテだろうと「患者さんの情報をまとめる」という使用方法に変わりはありません。

そして病院運営の中でそれなりの問題を抱えています。

紙カルテを使い続けるメリットはコスト面です。いちど紙カルテで運用がかたまってしまうと電子カルテを導入する際にメチャクチャお金が必要になります。コスト問題。

今日は紙カルテの補完方法などの問題点やメリットやデメリットについて書いておきます。

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紙カルテの病院で実感したメリット!

紙カルテの病院で働いている時にメリットを感じませんでしたが無理やり捻り出すと以下のようなものがあります。

  1. 医師の汚い字が読めるようになった
  2. 新人時代にカルテ運びの仕事がある
  3. 新人時代にカルテ整理の仕事がある
  4. 運用するコストが電子カルテより安い
  5. 停電など災害時に役立つ

こんな感じです。

紙カルテのメリットで個人的に恩恵があったのは医師の文字が読めるようになったことです。象形文字のようなキッタネー文字を読解できるのは紙カルテがあったからでしょう。

ほんの
ほんの

あまり書くことがないのでこれくらい!!

紙カルテで運用することによるデメリット

逆にデメリットは沢山ありますね。

ぼくは電子カルテ推進派なのでデメリットなら何個でも言えます。

紙カルテで運営していくデメリットは以下の通りです。

  • 紙カルテが所定の位置にないと大捜索になる
  • 物理的に収納庫が限界になる
  • 検査結果を貼るなどの余計な人員配置が必要
  • レセプト点検でカルテを確認するのが面倒
  • 過去の受診歴が追えない
  • 医師の字がマジで読めない
ほんの
ほんの

などなどいくらでも書けますがこの辺でやめておきます。

こんな感じで紙カルテのデメリットはたくさんあるんです。

増え続ける紙カルテによって収納庫はパンク寸前。

紙カルテというのは保管する場所が必要です。

多くの病院では保管スペースに苦慮しているのではないでしょうか。ぼくの働いている病院でも倉庫(カルテ庫)は限界を超えてパンパンとなっています。

パンク寸前と言うよりはパンク。

医師法24条によりカルテは5年保存となっていますが、ありがたいことに患者数は毎年増加傾向なので紙カルテは増え続けます。高齢者の増加の恩恵ですね。

「5年後に破棄するカルテ数」<「今年の患者(カルテ)数」なんです。

かかりつけ患者さんのカルテは検査伝票や紹介状などで厚くなっていきますので、これもスペースがなくなる要因の一つです。

倉庫(カルテ庫)に入らないカルテを段ボールに入れて別の場所に保管しています。

解決策として部署の移動なども考えられます。部署単位で移動してスペース確保するのです。引っ越し。

管理系の部署は対象になるでしょうね。もしくは在宅や訪問の部署ですね。

紙カルテ運用による人件費コストも多い

オーダーリングシステムも導入されていないので患者さんの診療費を計算する時に紙のコスト伝票がまわってきます。

ほんの
ほんの

昭和!!全部紙でやりとりしています…。

紙カルテなのでカルテ自体のコストは安いかもしれませんが、それに付随する人件費はそれなりに必要になります。

  • カルテを運搬したり収納する人員
  • 検査結果や紹介状などを貼り付ける人員
  • ほつれや破けを補修する人員

などのカルテを管理する人件費コストです。

年末に5年前の紙カルテを破棄するために用意するダンボールの数はとても多いです。

もちろん電子カルテにもランニングコストもイニシャルコストも多く必要です。

紛失する可能性もあり得る。捜索することは日常茶飯事です。

毎日多くの外来患者さんが来院する分だけ紙カルテをカルテ庫から取り出しては外来診察室に運んでいます。もちろん、診療終了後には回収して所定の場所に戻す作業もあります。

基本的にカルテは所定の場所に保管されているので対象の患者さんのカルテを出すのに時間はかかりません。通常なら受付票が出力されてカルテを出して外来の診察室まで運ぶ時間は2分程度です。

しかし、何らかの理由で所定の場所にカルテが見つからない時は全員で大捜索が開始されます。紙カルテはいろいろな理由で所定の場所から移動していることがあるんです。

良くある所定の場所に無い時の保管場所

  • 書類作成のために医局(医師の机)に移動している
  • 入院・手術のデータ確認のため医局(医師の机)に移動している
  • 事前に外来診察室に移動されている
  • 訪問診療のため持ち出している
  • 提携施設の往診日のため移動している
  • レセプト点検のため医事課担当者の机にある

こんな感じで様々な理由で所定の位置からカルテは移動することがあります。本来であればカルテを移動するときは移動伝票を書きますので探す必要はないはずなんですけど…。

カルテが見つからない時は大変です。全員で大捜索がはじまります。スタッフ全員でありそうなところをしらみつぶしに探して行きます。全員で探せば30分ほどで発見できる事が多いです。

よくある理由としては

  • 移動先からさらに移動していたとか
  • 移動伝票に記載がなかったとか
  • カルテ庫の全然違うところに収納していた

様々な理由があります。本当にそれぞれのちょっとした注意で防げることばかりなんです。どんな時も集中して仕事に臨めれば良いんですけどね。ダブルチェックやカルテ庫の整理整頓(見える化)してますが、まだまだ足りないみたいです。

じゃあなぜ電子カルテを導入しないの?

これらの問題を解決するのが電子カルテです。電子媒体なら半永久的に保管が出来ますしカルテ保管場所の必要もありません。探す必要だってありません。

紙媒体を電子化するスキャナー人員は必要になりますけどね…。

電子カルテにすれば良い事がたくさんあります。ではなぜ電子カルテを導入しないのでしょうか?

一番の原因は費用の問題ですね。

電子カルテ導入にはイニシャルコストもランニングコストも多大な費用がかかるからです。紙保管のコストと比べるとどうしても見劣りします。これはわかりやすいですね。

また病院の役員にとっては電子カルテ導入に伴うメリットが少ないのです。むしろパソコンが苦手な人が多くいます。現在の方法で問題がないのだから変える必要性を感じてません。

導入する担当者も不足しています。システム導入には多くの時間が必要です。それを指揮できるリーダーも担当者もいません。

もし、現状のまま導入するとなったら担当者は専任で配置できるような余裕はありませんので、通常業務を行いながら導入を行う事になります。これは相当な労力が必要となります。

必要性を理解しているけど実行に移せない

経営陣は電子カルテの導入を世の中の流れ的に進めなくてはいけない事はわかっているんです。

だけど、経営陣にメリットがない(年配医師はパソコンに弱い、予算も限られている)のでプロジェクトが進まない。

ただ若い世代は電子カルテを求めているし、看護師も電子カルテじゃない病院を避けるようになっています。

今のやり方で問題が無いからそのままでOKっていう考えには強く反対。今はOKでも気がついた時にはダメになっていることは多々あります。物事は変化させないとダメになります。

同じことを同じようにやって10年後もOKなんてこと絶対にありません。10年前はiPhoneが無かった時代ですからね。それだけ変化は激しい。医療関係はそのままでOKなんてことありませんね。

本日のまとめ

電子カルテの導入が進まない理由を考えてみました。

  • スペースの問題
  • コストの問題
  • スタッフの問題

つまり人も物も金も全てにおいて不足しているわけですw

これじゃなかなか進展しませんよね。

しかしどこかで物事は変えていかないといけない場面が出てくるのです。

そんな時に慌てないように日頃から準備を進めておこうと思います。

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