患者数の削減を食い止めるために病院の受付時間を延長したら良いのではないか。と言うアホみたいな本当の話が会議で議論されて、結果的に夕方診療がスタートしました。
受付時間が夜間まで延長。
最初、経営会議だか理事会で受付時間延長の話が出ていると聞いた時に「これはまずいな」と感じました。そもそもの議論は外来患者数の削減を食い止めたいからです。
病院の決算状況としては黒字運営ですが患者数は減少傾向です。これをどうにかしたいと考えたのでしょうね。しかし、診察時間を延長しても従業員に多くのメリットはありません。
上司から受付時間延長に伴うシフトローテーションの改善や人件費(残業代)の試算を頼まれました。
なので、今日は病院が病院の受付時間を延長したけど収益は変わらない。仕事時間が増えるだけ。ってことについて書いておきたいと思います。
病院側意見。経営判断として外来患者数の減少を食い止めたいから夕診をスタート
ぼくが働いている病院では嬉しいことに年度末賞与が毎年支給されてきました。決算賞与を支給できるくらいなので経営的には比較的に安定しています。
しかし黒字経営を行っていても外来診療部門だけは患者数、利益ともに減少傾向にあります。外来患者さんの減少は将来的に入院や健診などの数字に影響してくる可能性があります。
外来無くして病院の安定経営なし。という理由でしょう。
外来患者さんが減少する理由は様々な要因がありますので一概には言えません。
- 駅からの距離?
- 近隣病院へ行っている?
- 広報営業不足?
- 診療科(医師)が足りない?
- 待ち時間が長い?
いくらでも理由は出せます。そんな中、外来患者数の減少を食い止めるために診療時間の延長というパワープレーで対応しようとしたようです。短絡的!!
午後の診察受付時間を延長して夕方診療を開始しましたが従業員にとってメリットはあまりありませんでした。
病院の受付時間を延長したけど収益は変わらない。ぼくに言わせれば愚策でしかない
外来患者さんの減少を食い止めるために労働時間を延長するなんて最も間違っている方法です。生産性という概念が欠落しているとしか考えられません。
本当に病院や従業員のことを考えているのであれば、現状より簡単に・低コストで・短時間で(言い方はたくさんあります)少ない資源で最大の益をとる方法を考えなくてはいけません。
「労働時間=資源」を投入すれば一時的に患者数は増加したように見えるかもしれませんが、結果的には人件費というコストに対する収益は改善しません。
また、勤務時間が伸びることで医師も含め従業員は疲弊し、離職率の増加=採用コストの増加につながる可能性もあります。
不規則な勤務体系になることでシフトの作成も困難になりますし看護師などの採用も難しくなります。最終的な収益も改善どころがマイナスの影響が大きいと考えています。
本日のまとめ
遠くに行くために自転車を漕いでも限界があります。それならちょっと考えてバイクでも買って(買うためのコストは必要ですが)ビューンと進んだ方がいいです。たとえの話です。
上司は今あるもので(これ以上経費を使わない)どうにかしろ!みたいなことを言いますが、それは経営者が考えることですからねw
それでも精一杯の反対意見を出しましたがどれもNGでした。
今はぼくの声は届かないかもしれませんがこうやって考えて意見を伝えることは大事でしょう。将来的にも経営数字を読み取る力は必須能力ですからね。